「地球の歩き方」30周年記念企画
インドを本当に知りたいなら3、4ヵ月はかかりますよ(笑)。地域によって全く様子が違いますから。北インドにある首都デリーは現代と古代のふたつの顔を持つ都市。政府の中枢機能もあると同時に旧市街も残っていて、とても個性豊かです。一方、西インド、アラビア海に面するムンバイーはコスモポリタンな都市。ボリウッドと呼ばれるインド映画の中心地でも有名ですね。商業の首都的存在なので、デリーが権力の街なら、ムンバイーは金の街といえます。また東インドのコルカタは、イギリス植民地時代の首都。街にも大英帝国の影響が残っています。人口密度も高く仏教にゆかりのある場所が多いですね。 南インドなら、アーユルヴェーダで有名なケーララ州は緑が豊かですし、より古いものが見たければチェンナイへ行かれるとよいでしょう。
ガンジス河に触れるならバナーラスへ。近くにある私の出身地アッラーハーバードは3つの聖なる河が合流する場所です。アーグラーのタージ・マハルはもちろんはずせません。その隣のラージャスターン州は砂漠の地で中世の面影が残るお寺が多くあります。これだけ多彩な顔があるからこそ、みなさんが繰り返し足を運んでくれるのでしょうね。
インドを旅するのであれば、鉄道旅行を考えて欲しいですね。飛行機や車は上流、中流階級の人でないと利用できないので、鉄道は国民のライフライン、インドの動脈といわれています。旅は可能性との出会い。その最上の機会が鉄道での旅行だと思います。なにしろインドの端から端まで走っているので様々な人と乗り合わせます。飛行機なら二十数時間隣の人と一言も話さないことも多いですよね。でも鉄道は車内の人と会話や食べ物を分かちあって旅をするので友情も生まれる。インドで文化的、精神的な会話が一番行われるのは鉄道だとか。たとえばデリーからチェンナイまで鉄道だと3日はかかるけど、道中インドのカントリーサイドの姿やリアルなインド人々を見ることができますよ。

一度訪れてハマる人ともうイヤになっちゃう人とで激しく分かれるのもインドの特徴ですが、総じて北(ヒンドゥー語圏)には旅行者を騙そうと積極的に試みる人が多く、南(タミル語圏)には少ないと言われています。旅のしやすさもそれに比例しますので、心配な方はまず南インドから入るといいかもしれません。本格的に“喰らってみたい”人は迷わず北へ。デリーの空港に着いたときから“満喫”できること請け合いです。
世界遺産のヒンドゥー寺院













