ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A South Kensington)

V&A South Kensington/ Victoria and Albert Museum

大英博物館に規模では引けを取らない!

1852 年に、若いデザイナーや芸術家を支援する目的で、工芸品、装飾品を集めた博物館が造られた。その後1899 年に、V&A(ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)と改名され、今日にいたっている。年を重ねるごとに、さまざまなコレクションやギャラリーが加わり、建築様式も展示物も多種多様。絵画、彫刻、家具、陶磁器、ファッション、写真など、アートとデザインに興味がある人には見逃せない作品が、ここにはたくさんある。イギリスらしい英国コレクションのほか、日本ギャラリーは日本の美術工芸品のコレクションとしてはヨーロッパ最大の規模を誇る。

見学のポイント

ヴィクトリア時代の建物は外見だけでも圧巻だが、なにしろギャラリー数約145、通路の全長約13kmという規模だから、大英博物館と同様、入口でもらえるマップ(寄付金£1)や、代表的な20 の収蔵品を見て回ることができるリーフレットなどを頼りに、興味のある展示を重点的に観て回る方法をすすめる。英語に自信のない人でも楽しめる、クロムウェル・ロード側の入口から出発する、無料の英語ガイドツアーを利用するのもいい。

またカフェには、ウィリアム・モリスのデザインした「モリス・ルーム」や、タイルで覆われた「ギャンブル・ルーム」などもあり、部屋自体がすばらしいので、そのあたりのチェックもおこたりなく。

中世からルネッサンス

メインギャラリー レベル-1 & 0 &1 レベル-1のルーム8 にあるトーマス・ベケットの遺品を納めた『ベケット・キャスケットThe Becket Casket』や、レベル2、ルーム64の『レオナルド・ダ・ヴィンチのノートLeonardo daVinci's Notebooks』など、イギリス、フランス、イタリアの美術工芸品、絵画、彫刻、壁画が集められている。また、ミケランジェロの『デイヴィッド』やローマの『トロージャンコラム』など、イタリア、スペイン、北ヨーロッパの有名な彫刻の複製が並ぶ、ルーム46b の「カストコートThe Cast Courts」も必見。

このほか、レベル0 のルーム48a の「ラファエロ・ギャラリー」は、V&A の大きな見どころのひとつ。ヴァチカンのシスティナ礼拝堂に飾られたタペストリーの下絵(カートゥーン)が展示されている。このルネッサンス最盛期を代表する画家ラファエロの作品を、もっと身近に体験できるように、2020 年1月から10 月までギャラリーの改修工事が行われる。

フォトグラフィー・センター(メインギャラリー レベル2)


常設展として、新しく2018 年10 月にオープンした、写真に関する展示室。1852 年から収集されている80 万枚を超える膨大なコレクションから選んだ作品が展示されている。写真だけでなく、数多くのカメラも所狭しと並ぶ。ワークショップスペースなど、さらに拡張される予定もあり、2022 年の完成が待ち遠しい。

ファッション・コレクション(メインギャラリー レベル0)

ルーム40 は、ファッションに興味がある人なら絶対に見逃せないコーナー。17 世紀から現代にいたるまでのコスチュームや帽子、靴などが集められている。ロンドンがファッションの最先端にあるのはこのコーナーがあるからと思わせるほど、今観ても新鮮な印象を受ける。特別展もおすすめ。

英国コレクション(メインギャラリー レベル1&3)

最もV&Aらしい展示が多く、16 世紀から近代まで、チューダー朝からスチュアート、ジョージ、そしてヴィクトリア朝にいたるまでのコレクションが並ぶ。展示物はもとより、それらを並べてある部屋の内装自体も展示というギャラリーもある。例えば「ノーフォーク・ハウス・ミュージック・ルーム The Norfolk House Music Room」では、その壁や天井の華麗な装飾にまず圧倒されるだろう。

シアター パフォーマンス(メインギャラリー レベル2)

演劇王国イギリスらしい部屋。ミュージカルのさまざまな衣装や小物、舞台のほか、ブリティッシュ・ロックのミュージシャンのステージ衣装、シェイクスピア関連の展示、ポスターなど、音楽や演劇好きならずとも観ておきたいものがいっぱい。

ジュエリー(メインギャラリー レベル2)

エリザベス1世からお気に入りの家来に送られたペンダントや、女帝エカテリーナが身につけたダイヤモンドなどを含む古代エジプトから現代まで、約3500 点のジュエリーが展示されている。

東洋コレクション(メインギャラリー レベル0)

中近東、インド、東南アジア、そして中国、日本のコレクションが並ぶ。ルーム45 にある日本の鎧よろいや兜かぶとの数々、そして刀のツバや印いんろう籠に施された細工はすばらしい。2015 年には、近現代のコレクションも加えられ、さらに充実したギャラリーとなっている。ルーム41南アジアの部屋にある『ティップーのトラ』も見逃せない。

V&Aの管内イラストマップ

©地球の歩き方

人気の特別展のチケットは売り切れることも…

20年6月〜2021 年1月まで行われた『不思議の国のアリス』特別展の展示物。こうした人気の特別展は、チケットが別売りで売り切れることもあるので、売れ行き状況の事前確認がおすすめ。

ロンドンの博物館・美術館のカフェは狙いめ

ロンドンの博物館や美術館の中にあるカフェはセルフサービスが多いので、手軽に利用できる。お茶ばかりではなく、サンドイッチのほか、ランチタイムにはホットミール(温かい食事)まで食べられるカフェもある。V&A のカフェはウィリアム・モリス内装の部屋にもあるので見逃せない。

写真

  • カストコート

    カストコート

  • クロムウェル・ロード側の入口

    クロムウェル・ロード側の入口

  • サックラー・コートヤード

    サックラー・コートヤード

  • レベル4の家具ギャラリーには現代の家具も

    レベル4の家具ギャラリーには現代の家具も

  • 新しくオープンしたフォトグラフィー・センター

    新しくオープンしたフォトグラフィー・センター

  • 見事な職人技を感じさせてくれる、ロココ復古様式のベルタソファ。レベル4 の家具ギャラリーにある

    見事な職人技を感じさせてくれる、ロココ復古様式のベルタソファ。レベル4 の家具ギャラリーにある

  • カンタベリー大司教だった聖トーマス・ベケットの遺品を納めた『ベケット・キャスケット』

    カンタベリー大司教だった聖トーマス・ベケットの遺品を納めた『ベケット・キャスケット』

  • シェイクスピアの『十二夜』にも登場した『ウェアの大ベッド』はルーム57 にある

    シェイクスピアの『十二夜』にも登場した『ウェアの大ベッド』はルーム57 にある

  • 常設展示

    常設展示

  • バッグ展で展示予定のバッグのケース

    バッグ展で展示予定のバッグのケース

  • ヴィクトリア朝時代のボリュームあるドレス

    ヴィクトリア朝時代のボリュームあるドレス

  • 気持ちよさそうな中庭のガーデン
カフェは春〜秋のみオープン

    気持ちよさそうな中庭のガーデン カフェは春〜秋のみオープン

  • 中世ルネッサンスのギャラリー

    中世ルネッサンスのギャラリー

  • ノーフォーク・ハウス・ミュージック・ルーム

    ノーフォーク・ハウス・ミュージック・ルーム

  • 家具の展示もあるヨーロッパギャラリー

    家具の展示もあるヨーロッパギャラリー

  • ペインティング・ギャラリー

    ペインティング・ギャラリー

  • ジュエリー・コレクションにある、アルバート公がデザインし、ヴィクトリア女王に
プレセントしたコロネット

    ジュエリー・コレクションにある、アルバート公がデザインし、ヴィクトリア女王に プレセントしたコロネット

  • ビヨンセの指輪『パピヨン』

    ビヨンセの指輪『パピヨン』

  • マイソール『 ティップーのトラ』

    マイソール『 ティップーのトラ』

  • セレクトショップのようなショップは、おみやげ購入にもいい。エコバッグは人気商品
©Victoria and Albert Museum

    セレクトショップのようなショップは、おみやげ購入にもいい。エコバッグは人気商品 ©Victoria and Albert Museum

基本情報

住所
Cromwell Rd., SW7 2RL
電話
020.7942 2000
開館日
毎日 10:00~17:45
(金 ~22:00。17:30 以降閉鎖するギャラリーもある)
休業日
12/24~26
料金
無料(特別展は有料)
地下鉄駅
South Kensington
URL
https://www.vam.ac.uk/
コンサートやレクチャーなど、各種イベントが開催されるFriday Late(基本的に5・12 月を除く月の最終金曜18:30~22:00)では、イベントに合わせたギャラリーを中心に公開。
最終更新 :

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