テート・モダン

Tate Modern

変化を続ける現代アートの殿堂

20 世紀以降の現代美術にテーマを絞った美術館。テムズ河沿いにあった、ジャイルズ・ギルバート・スコット卿が設計した旧バンクサイド発電所を、スイス人建築家ヘアツォークとデ・ミューロンが改築。昔ながらのれんが造りの外観を残しながらも、内部は吹き抜けを効果的に利用した思いきった空間となっており、見る者を圧倒する。テムズに面したこの旧館Natalie Bell Building だけでなく、2016 年には、南側に新館Blavatnik Building が誕生した。パフォーマンスやインスタレーションなどをおもに扱う別館が誕生したことにより、欧州一の規模を誇る芸術センターともなっている。

見学のポイント

無料の常設展示のほか、特別展も興味深い企画が多いので事前にチェックしておくといい。どこから観るか迷ったら、まずは、よく知られた作品が多い、旧館レベル2 の無料展示から始めてみよう。 旧館の無料展示には、無意識や夢の世界を主題にしたシュールレアリズムのサルバドール・ダリ、ジョルジョ・デ・キリコ、ルネ・マグリット、キュビズムのパブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラック、「デ・スティル」のメンバーとして知られたピート・モンドリアン、ミニマル・アートにも大きな影響を与えた彫刻家コンスタンティン・ブランクーシ、後期カンディンスキーなどの作品が並ぶ。
フランシス・ベーコンの『座る人物像』、ゲルハルト・リヒターの巨大なペインティング・シリーズ『ケージ』、マーク・ロスコの『シーグラム壁画』なども、ぜひ観ておきたい。ほかにも、社会派のヨーゼフ・ボイスや大衆芸術ともいわれるアンディ・ウォーホルなど、絵画から写真、立体、インスタレーションまで、世界中から集まった近現代のアートをテーマごとに観ることができる。
新館は、1960 年から現在までのアートを展示している。さまざまな国のオブジェやインスタレーション、ビデオアートといったコンセプチュアルなアートの数々は、これからのアートシーンがどこへ向かっていくのかを知る手がかりになりそう。また、新館のレベル0 にあるギャラリー、タンクTheTanks は、ライブアート、映画、ビデオ作品など、観る側と作品が接近しコラボレーションする新しいアートの実験場のようなスペース。最上階は展望台になっている。

無料の英語ガイドツアー

毎日ある無料ツアーはレベル4のコンコースが集合場所。時間ごとに内容が違い、所要約45分。ほかにも、曜日ごとに異なるツアーが催行されている。

美術鑑賞だけではない、テート・モダンの楽しみ方

テムズ河沿いに建っているので、上階にあるレストランからの眺めはすばらしい。また、新館の展望台からは、ミレニアム・ブリッジとセント・ポ−ル大聖堂、高層ビルのシャードなど、テムズの流れとともに見渡すことができる。

写真

  • 南側にできた新館は、ひねりが効いた独特の形

    南側にできた新館は、ひねりが効いた独特の形

  • 新館の展示室

    新館の展示室

  • タービン・ホールではインスタレーションなどが行われていることも

    タービン・ホールではインスタレーションなどが行われていることも

  • 新館最上階の展望台からはテムズ沿いが一望でき、超高層ビルシャードも見える

    新館最上階の展望台からはテムズ沿いが一望でき、超高層ビルシャードも見える

  • マーク・ロスコの『シーグラム壁画』がある部屋は暗い照明で静かに鑑賞できる

    マーク・ロスコの『シーグラム壁画』がある部屋は暗い照明で静かに鑑賞できる

  • 広いスペースを生かした巨大オブジェの展示
も見応えあり

    広いスペースを生かした巨大オブジェの展示 も見応えあり

基本情報

住所
Bankside, SE1 9TG
電話
7887 8888
開館日
毎日 10:00 〜18:00
(金・土 〜22:00)
最終入場は閉館45 分前
休業日
12/24 〜26
展示物は入れ替え制。展示の確認はウェブサイトなどで。
料金
無料 特別展は有料
地下鉄駅
Southwark / Blackfriars
ほかにMansion House 駅から歩くこともできるが、St. Paul's駅で降りてミレニアム・ブリッジを渡っていくのもおすすめ。
最終更新 :

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