アンデスの山々にこだまするフォルクローレの音楽、鮮やかな民族衣装をまとった先住民(インディヘナ)の人々、神秘的な古代遺跡、アマゾンの秘境―南米といわれて思い浮かべるイメージのすべてがある、南米のダイジェストともいえる魅力が詰まった国ペルー。
国土は日本の約3.4倍、エクアドル、コロンビア、ブラジル、ボリビア、チリと国境を接しており、ほぼ赤道直下から南緯18度にわたる多様な地勢をもつ。そのため、年間を通じてほとんど雨の降らない乾燥した砂漠から、標高6000m級の雄峰が連なるアンデスの高地、ジャングルに覆われたアマゾン河流域の密林地帯まで、変化に富んだ風土と気候がひとつの国に存在しているのだ。アマゾンといえば真っ先にブラジルを思い浮かべる人も多いが、実はペルーの国土の約60%がアマゾンの熱帯雨林地域である。あの流域面積世界一を誇るアマゾン河は、ペルーのアンデスを源流としてブラジルへと注いでいるのだ。ひとつの国でこれだけ多彩な自然環境をもっているため、旅する地域によってまったく異なる文化や風習に触れることができるのだ。
また、かつて南米最大の帝国を築いたインカをはじめ、紀元前から栄えてきた古代文明の数々もペルーの大きな魅力のひとつだ。謎の空中都市といわれるマチュピチュ、乾燥した大地に刻まれたナスカの地上絵、ワラス近郊に残るチャビン・デ・ワンタル、チクライヨ近郊のシパン遺跡など、いまだに多くの謎に包まれた遺産が、ペルーにはいくつも残されている。旅をしていると、何千年も昔に造られた建造物が当たり前のように現代の風景に馴染んでいるのを見ることができるだろう。
人々の活気と喧噪に満ちた南米独自の空気を体感したかと思えば、ときに静寂にたたずむ神秘的な遺跡を眺めて遠い過去を身近に感じることができる、そんな不思議な魅力が、ペルーの旅をさらにおもしろくしている。
〔 写真:セルバに暮らす子供達〕
ペルーの概要
| 国名 |
ペルー
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| 正式国名 |
ペルー共和国 Republica del Peru
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| 国旗 |
中央の紋章は3つの部分からなる。左側には水色の地に右を向いたビクーニャ、右側には白地にキーナの木、下には赤地に山羊の角からこぼれている金貨が描かれており、この国の豊かな自然と資源を表している。現在のデザインは、1825年に正式な国旗として定められた。
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| 面積 |
128万5216km2(日本の約3.4倍)
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| 人口 |
約2615万人(2006年)。首都リマには、約790万人が生活する。
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| 首都 |
リマ Lima
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| 元首 |
アラン・ガブリエル・ガルシア・ペレス大統領
Alan Gabriel Garcia Perez(2006年7月就任。任期は2011年7月まで)
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| 政体 |
大統領を元首とする立法、行政、司法からなる三権分立、一院制議会に基づく立憲共和制。大統領の任期は5年で連続再選は1回まで。
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| 民族構成 |
インディヘナ(先住民)47%、メスティソ(先住民とスペイン人の混血)40%、ヨーロッパ系12%、そのほか1%
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| 宗教 |
国民の95%がローマ・カトリック。宗教の選択は自由。ケチュア族の間では、大地の神パチャママなどを崇拝する土着宗教が今も根づいており、場所によってはパチャママと聖母マリアを同一視している。
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| 祝日・祭日 |
1月1日 元日
3月下旬~4月下旬 セマナ・サンタ(聖週間)
5月1日 メーデー
6月24日 農民の日(クスコのみ)
6月29日 ヨハネ・パブロ2世法王表敬記念日
7月28、29日 独立記念日
8月30日 聖女ロサの祭り
10月8日 アンガモスの戦いの日
11月1日 万聖節
12月8日 聖母受胎の日
12月25日 クリスマス
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| 歴史 |
今から約3000年前、北部アンデスの山岳地域、現在のワラス付近にチャビン文化が発生し、それまで狩猟漁撈の生活を営んでいたペルー全域に、またたく間に広まった。その後、モチェやナスカ、チムーなど各地にそれぞれの文化が栄えたが、11世紀末、中部アンデス地域にインカ族が姿を現し、新たな文化の華を咲かせることになった。当初は1部族にすぎなかった彼らだが、15世紀末頃には、コロンビアからチリにまたがる約4000kmにわたる大帝国を形成し、首都クスコを中心に栄華を極めた。
しかし、大きすぎた版図も一因し、1532年、財宝(エル・ドラード)を目指してやってきたスペイン人のひとりフランシスコ・ピサロの奸計にはまり、インカ皇帝アタワルパはカハマルカでつかまり、処刑され、インカ帝国の歴史は幕を閉じた。
その後、19世紀初頭まで、スペインの植民地として、その圧政に苦しみ続ける。そのため、南米各植民地に独立の気運が高まり、1821年、サン・マルティン将軍のもと、独立派はスペイン王党派を破り、ペルー共和国として独立した。その後1968年の革命で軍事政権となり、主幹産業の国有化、農地改革などが断行された。性急な改革は弊害を生じ、1980年の総選挙では再び民政となり、前大統領ベラウンデが返り咲いた。1984年、大統領の任期満了に伴う総選挙があり、48歳の大統領アラン・ガルシアが誕生、世界一若い大統領として話題を呼んだ。
1990年6月、アルベルト・フジモリ氏は日系人として初めて大統領に就任。その後しばらくは情勢不安定が続き、一時はクーデターによりふたりの大統領が存在するなどの事件も起こった。また、テロによる日本人殺害事件もあったため、日本政府も渡航自粛規制を発令するなど、厳しい処置をとってきた。しかし、左翼ゲリラ、センデロ・ルミノソ(=輝ける道)の指導者アビマエル・グスマンの逮捕などテロ対策を徹底し、治安の安定をはかるとともに、財政再建策にも力を入れてインフレを押さえたフジモリ大統領は、1995年に新憲法下で再選を果たす。ペルー大使公邸事件は、1996年12月17日夜、リマの日本大使公邸で天皇誕生祝賀パーティーの開催中に起こった。トゥパック・アマル革命運動(MRTA)の武装グループが乱入し、青木盛久大使(当時)以下約700人の人質を取り公邸を占拠。MRTAは仲間の釈放と経済政策の変更、刑務所の改善などをペルー政府に要求。人質は暫時解放され最終的に72人が最後まで残った。翌1997年4月22日午後3時23分、ペルー国軍特殊部隊の武力突入により人質71人を救出。ペルー人の人質1人、兵士2人が死亡。MRTAのメンバー14人全員が死亡した。事件後、国内の治安は一応安定している。2000年にはフジモリ第3期政権が発足したが、大統領の側近ウダジミロ・モンテシノス国家情報局・顧問(=当時)の野党買収疑惑が浮上する。フジモリ政権の独裁的な強権体質への批判が高まり、ペルー国会ではフジモリ大統領の罷免決議を可決。2001年7月にはアラン・ガルシア氏が大統領に就任。2006年7月にはフジモリ元大統領の出馬表明により注目を浴びた大統領選挙が行われ、アラン・ガブリエル・ガルシア・ペレス氏が大統領に就任した。大統領選挙への出馬を拒否されチリに拘束されていたフジモリ氏はペルーに身柄を引き渡され、2007年12月から7つの容疑に関しての裁判が行われた。
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| その他 |
【おみやげ】ペルーのおみやげといえばアルパカ製品と銀製品が代表的である。アルパカ製品ではセーターが最も多く、ほかに手ぶくろ、くつ下、敷きもの、スリッパなどがある。
質のよいものを短時間のうちに選ぶならリマのみやげ物店で買うことをおすすめする。値段は比較的高めだが、高品質のものがたくさん売られている。一方、多少時間もあり、じっくりと気に入ったものを選びたいという人はクスコ、プーノで探すといい。値段もリマに比べ割安であり、何よりも民族色の濃いものを見つけ出せる。セーター類に関しては、アルパカ100%のものは少なく、多少なりとも羊毛を混ぜ、型を整えていることが多い。なかでも日本であまり見られないのは草木染めのセーター。赤・緑・紫など「こんな色で!」と思う組み合わせのセーターも、編みあがるとこれがなかなかのもの。ただし、穴が開いていたり、袖の長さが違ったりするなど、不良品が多いので、買うときには(特に露店では)よく確かめてから購入しよう。また、安物はリャマの毛が混ぜてあり、チクチクとして着心地が悪い。
銀製品についてもイヤリング、ネックレスなど簡単な装飾品からスプーン、お茶のセットまで多種多様である。値段的にも日本と比べると断然安い。ナスカの地上絵をかたどったペンダントトップ、銀とトルコ石 Turquesaを組み合わせたブローチなどが人気がある。
銀製品を買うときは、製品の裏に刻印(※)の押してあるものを選ぶとよい。
※刻印・・・金同様、銀製品にも国際規格がある。銀製品の場合、ラミネートに“JP925”といった数字が打ってある。925とは1,000分の925という意味で純銀を意味する。そのほか900、700などもあるが、925以上であればどれも純銀製品といえる。18Kと925の両方刻印されているものも見かけるが、これは純銀の上に18Kのメッキ(Banado Con Oro)を施したもの。
フォルクローレ音楽の楽器(ケーナ、サンポーニャ、チャランゴ、ボンボ=太鼓)も人気がある。また音楽だけ聴きたい人は、CD、レコード、カセットをおみやげにするといいだろう。
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