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被写体別、目的別の撮影ポイント
夕日を浴びた水面の輝きや雪景色、川や滝の流れ、夜空を彩る花火など、被写体や表現目的により様々に変化する撮影条件下で、カメラ任せでなく、光を読み、自分のイメージに合わせてコントロールするテクニックをアドバイスします。
風景に風を感じさせたり、動きや奥行き・天地の広がりを表現するのが空間処理。被写体を構成したり、フレーミングやアングルを工夫するだけで、平凡な風景がぐっと引き締まったり、ダイナミックに羽ばたいたりします。左の写真は、新緑の若葉を額縁がわりに、急峻な岩山を中心に置き、空間や奥行きを表現してみました。右の写真は、対角線に緑と川の流れを配置し、緑で静を、川の流れをスローシャッターでブラしてて、動を表現してみました。


同じ被写体でも、光の方向や角度、その強弱によって、見え方や表現方法が変わってきます。スタジオ撮影では何灯ものストロボを使い、より自然な光を作っていますが、風景の場合はまさに太陽の一灯ライティング。この太陽を印象的に使い分け、光を読むテクニックを身につけると、表現の領域が広がります。左の写真は、モヤのかかった太陽を逆光でとらえ、手前の高層ビルをシルエットに、ソフトフォーカスフィルターでイメージ的に撮影しました。右の写真は、明るめの露出設定で神秘的な水の色と透明感を強調しました。


 
大地のものをすべて覆い隠し、白一色の世界を作り出す雪、でも、美しい雪の写真を撮るのはなかなかむずかしい。降り積もった雪を撮るなら降雪直後、あとは太陽によって作り出される雪のパターン等をパンフォーカスで精細に描きたい。また、雪の露出は意外と難しく、オートで撮ると、かなりアンダーな写真になってしまうので、必ずマニュアルモードで撮影すること。快晴なら測光値より+1.5、曇りなら+1ぐらいを目安にするとよい。左の写真は、斜光線が生み出す陰影が白の画面にアクセントを加えた瞬間、雪のディテールが飛ばないよう、少しアンダーに撮影しました。右の写真は、逆光で浮かび上がった樹氷をPLフィルターで強調して撮影しました。


光跡には夜景の中に混在する車や船の光、星等様々な軌跡があります。今回のテーマは、その中でも比較的難しい花火を取り上げました。花火の撮影で一番悩むのはシャッター速度。まずカメラのモードをマニュアルに変え、ISO100のフィルムでは絞りをF8に、シャッター速度は3〜8秒にセットし、打ち上げのタイミングに合わせてシャッターを切るのがポイント。ただし打ち上げ間隔が長い場合や花火にボリュームを持たせたいときはB(バルブ)で撮影します。左の写真は、打ち上げの瞬間にシャッターを切り、6秒露光しました。右の写真は、Bで60秒露光、花火が上がっていないときは黒い紙でレンズを覆い、無駄な光をカットして撮影しました。


いつも目にする海や川、滝等を作る水。その水の表情をとらえることができるのは、写真しかありません。しぶきを写し止めたり、水流の勢いを表現したり、流れをブラして糸のように表現したりと様々な表情を演出できるからです。また、一般的に水の風景は逆光が美しく、朝夕の低い角度の逆光を選ぶと、立体感がでて、ひときわ美しく表現できます。左の写真は、斜め45°ぐらいからの夕日を受け、黄金色に輝く波打ち際を撮影。波のシャドーのディテールがつぶれず、ハイライトが飛ばないよう、測光値より半絞りオーバーに露光しました。右の写真は、滝壺周辺を逆光で撮影、シャッター速度1秒で流れをブラし、水に透明感を与えて撮影しました。


[パンフォーカス]
標準〜広角レンズを使って最小絞りまで絞り込み、奥行きのある被写体を撮影したとき、手前から奥まですべてにピントがあった状態のこと。
[バルブ]Bulb
シャッターを押している間中、シャッターが開きっぱなしの状態になっているのがバルブ(シャッター表示にはBと記されている)。光量不足や夜景などの長時間露光が必要な時に使用します。