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機材の揃え方と撮影時の注意

カメラとレンズの選び方

電池の消耗を気にする必要がないという点では機械式シャッターのカメラがベスト。古い型のカメラやNikonの現行機種にはいまだに機械式シャッターのものがある。

デジタルカメラを使うなら長時間シャッターの機能があるものを選ぶこと。ISO感度が400〜800に設定でき、開放絞り値が2.8よりも明るいものでも、8秒から15秒はほしい。またシャッター速度が遅くなるとデジタルカメラ特有のノイズが発生するので、低速シャッター時のノイズ除去ができるものを選んだほうが仕上がりは美しくなる。

レンズについてはとにかく明るい広角レンズを使いたい。実際にオーロラを見ればわかるが、規模の大きなオーロラは活動が激しく、見る見るうちに姿を変えていく。シャッター速度が長いとオーロラがぶれてしまうので、少しでも短いシャッター速度を使いたい。そのために明るいレンズを使うことはおおいに有効だ。

フィルムは何を使えばいいか

フィルムには大きく分けてネガとポジの2種類がある。失敗の危険性を低くするならネガフィルムを利用しよう。ネガなら記録時のラチチュード(記録の許容範囲)が広いので、露出不足や露出オーバーにも対応できるからだ。

オーロラ
オーロラ

ポジフィルムで撮った写真(左側)とネガフィルムで撮った写真(右側)を並べてみた。色の違いが大きいので、作品をどう扱うかによってフィルムを選びたい。ネガフィルムのほうがプリントの際により自由に調整ができる

撮影方法

オーロラ撮影で失敗する原因は、あせって操作することによる設定ミス。撮影の設定自体は非常にシンプルなので、それさえ守れば必ず撮影できる。

感度をISO400に設定し、絞りが2.8のレンズで撮影した場合のシャッター速度は30秒前後。オーロラの発光の強さはその都度違うので、この時間を目安として秒数を15秒〜60秒の範囲で変えて撮影していくといい。

・感度がISO400の場合
絞り値 1.4 2.0 2.8 3.5
シャッター時間 10秒前後 20〜30秒 30〜40秒 40〜60秒
・感度がISO800の場合
絞り値 1.4 2.0 2.8 3.5
シャッター時間 10秒以下 15秒前後 15〜30秒 30〜40秒

※プリントを前提に考えると、露出は多めに与えたほうが好ましい仕上がりになる

規模が大きいオーロラは実に早く動くので、できればシャッター速度は短くしたい。そのためには感度を上げるか明るいレンズを使う必要がある。手軽に設定できるのは感度を上げて撮影することだが、そうすると画質は落ちてしまう(フィルムの粒子が荒くなり、大きくプリントしたときに粒子が見えてしまう)。予算に余裕があるなら、開放絞りが2.0よりも明るい広角レンズを使うほうがいい。

ピントは常に無限大∞にしておくこと。オートフォーカス機能があるカメラの場合はオートフォーカス機能は切っておこう。空にピントを合わせようとしても対象物がないため、ピントが合わなくなってしまうためだ。

シャッター速度が長過ぎてオーロラの形がわからないほどブレてしまった。オーロラを鮮明にとらえるには何度も条件を変えて撮影してコツをつかむ必要がある

シャッター速度が長過ぎてオーロラの形がわからないほどブレてしまった。オーロラを鮮明にとらえるには何度も条件を変えて撮影してコツをつかむ必要がある

カメラの防寒対策

温度がマイナス20度〜40度にもなる屋外では、カメラを温めるのはまず不可能。温めるよりは冷やし過ぎないことを考えるといい。具体的にはカメラを「外気に直接さらさない」「撮影していないときは部屋の中に入れておく」といったこと。

また、屋外の温度は低くても、一歩建物に入れば暖房が効いている。そのため、屋外で使用していたカメラを急に屋内に持ち込むと、結露してしまい、いざというときに撮影不能になってしまう危険性がある。カメラは屋外にいるうちに密封性のいい袋に入れて、中の空気を追い出しておくこと。室温になじむまでは袋に入れたカメラをさらにバッグに入れたほうがいい。

「ジップロック」があると何かと便利。カメラ入れにもおみやげ入れにも使える


それから氷点下ではバッテリーの消耗が非常に早いので、予備のバッテリーを用意したほうがいい。撮影していないときはカメラからバッテリーを抜いて温めておくのも方法だ。

撮影のマナー

コンパクトカメラやデジタルカメラで撮影した場合、自動的にフラッシュが発光してしまうこともある。フラッシュを発光すると、長時間露光で撮影している他の人の写真に影響を与えるので、オーロラ観賞地ではフラッシュの発光は控えよう。記念写真を撮るためにフラッシュを使ったり、ペンライトでカメラの設定を確認したりするときは、あたりの人に声をかけること。

凍傷に注意!

−20〜40度の世界では、素手で金属に触れるは非常に危険。手が濡れていたら、瞬時に凍りついて手がはがれなくなってしまう。撮影を行う人は必ず薄手の手袋で操作したほうがいい。また三脚には防護用の布などを巻いておくと安心。

2004年1月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部