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雨の日は写真日和?カメラマンが教える花の撮影のコツ

ヨーロッパで最も花の美しい時期といわれる6月は、雨の多い季節。少しぐらい雨が降っても花を見に行く旅を中断するわけにはいかない。むしろ花の写真を撮ろうという人たちにとっては、雨は朗報とはいわないまでも花の色を美しく撮影できるチャンスでもある。

撮影条件が悪くても、ほんの少しの工夫で美しい花を写せる、そんな花の撮影のヒントを「ヨーロッパ花の旅vol.1」でも活躍の写真家・横田秀樹さんにうかがった。

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快晴よりも曇りか小雨の方がいい

通常の旅行記念写真を撮るのであれば、晴れた方が撮影条件がいいに決まっています。が、花を撮ろうとするのなら事情が違います。快晴時のいわゆるピーカンの状態では、花の影がキツく出て陰影の表現が難しく、また反射した部分が白く飛んだりするので色味も単調になります。また空の青が写り込むんですね。

そのような状態よりは、むしろ曇りから小雨ぐらいのほうが撮影条件がいいといえます。小雨で植物のほこりが洗われて瑞々しさも増します。ただし、大雨では花も傷むしカメラ機材を濡らさないようにするのが難しいので、撮影には適していません。

晴れている時でも工夫次第でよりよい写真を撮ることはできます。たとえば、日差しが強い時は逆光で撮影することが私は好きですね。逆光で撮影する場合はレンズに光が入らないように紙などをかざして光をカットすればいいのです。強い順光よりもきれいに撮れると思います。ぜひ試してみてください。

雨対策には身近な物を利用

レンズだけを外に出して頭からすっぽりかぶるポンチョが、一番手頃な防水対策だと思います。カメラ店でよく販売されているものです。でも、かさばったりして動きにくいのと、ポンチョ内部が体温で蒸れてカメラに水滴が付くことがあります。ですから、それほどの雨でなければ私は使いません。

そんな時重宝するのがスーパーの買い物袋です。カメラをバンダナでくるんで、それに買い物袋をかぶせます。カメラにもよりますが、撮影時のほんの少しの濡れはバンダナですぐふき取って、移動時は買い物袋ですっぽりと包むという方法をとっています。買い物袋はかさばらず、雨対策以外にも使えますから何枚か持って行くとなにかと便利ですね。ただし、この状態で長い時間置いておくことはやはり水滴が付く原因となりますので注意してください。

バンダナは大判で厚手のものを。何枚かあると便利だ バンダナは大判で厚手のものを。何枚かあると便利だ

バンダナは大判で厚手のものを。何枚かあると便利だ


ヨーロッパでは手に入らないものに、透明ビニール製の傘があります。横で傘を持ってくれる人がいればこれがベストかもしれません。私は三脚と一緒の袋に入れて持ち歩いています。また、2ミリ程度のアルミの針金を30〜40センチ程度持って行きますが、これで立木などに傘を固定することもよくあります。

いずれにしても、レンズは濡らさないことが前提です。レンズが濡れたらすぐにレンズ・クリーニング・ペーパーで拭いてください。

各社で発売しているレンズ・クリーニング・ペーパーは、拭き方にも注意。説明をよく読んでレンズに傷をつけないように

各社で発売しているレンズ・クリーニング・ペーパーは、拭き方にも注意。説明をよく読んでレンズに傷をつけないように

足元には最大限の注意を

雨の日に限らず、花の撮影には私はアウトドア用の足回りをします。行く場所によってそこそこにハードなハイキングシューズを選ぶこともあります。カメラ機材を担いで歩きますので、足首を痛めないためにも足元には気をつかいますね。

足首をしっかりとサポートする靴を選ぼう

足首をしっかりとサポートする靴を選ぼう


雨を考えるとガーデニングブーツも適しています。本場のものは日本で買うと結構な値段がしますので、現地で購入を考えているのなら、最初に買って使ってみるという方法もあるでしょう。その場合、足との相性もありますから、厚手の靴下などで工夫してください。

デザイン・センスのよいガーデニングブーツは現地での購入が絶対お得

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花撮影に欠かせない小物たち

雨の日を考えると、家庭用のゴミ袋も役に立ちます。持っていった荷物を撮影中に濡れないようにしておくことができます。リュックサックの上にかぶせるザックカバーも、カメラを濡らさないように頭からかぶって使うことができます。

先ほど挙げたアルミの針金は、花のアップを撮影するような場合に、花を固定して揺れないようにすることにも役立ちます。もちろん花を傷つけることのないようにしてください。

風がある場合は、アルミの針金で花を固定し被写体ブレを防ぐ方法もある

風がある場合は、アルミの針金で花を固定し被写体ブレを防ぐ方法もある


それからレフ板は必要です。たとえば釣り鐘状の花をアップにするような場合、釣り鐘の中に光を当てることができます。直径30センチ程度でコンパクトに畳めるものが市販されています。文房具店で売っている手頃なクリップを挟んで、レフ板を自立させたり立木に固定したりという手もよく使いますね。

レフ板
被写体に光を回すための反射板。白い紙で代用することもできる。
さらに詳しい説明は こちら

撮影にこだわるのならカメラは2台

プロの写真家はカメラを2台以上持って行きます。カメラは故障することが結構あるからです。旅の目的が撮影にあるならば、カメラは2台持って行きたいですね。特に雨の中でカメラの調子が悪い時は、しっかり乾燥させると元に戻ることがあります。複数台持参すれば、そのように乾燥させながら交互に使用することもできます。

2004年04月