ガイドブック編集部 > 特集 >  世界遺産の旅 2004 > テーマで巡る世界遺産 > オーストラリアの大自然

オーストラリアの大自然

オーストラリアは国土が広いため、さまざまな特徴を持つ自然や景観がある国だ。世界遺産に登録されているエリアも自然を体験できる場所が多い。
オーストラリアというと砂漠と海というきわめて対照的な自然を思い浮かべることだろうが、熱帯雨林やタスマニアの原生林などもオーストラリアの重要な自然遺産だ。ここでは、オーストラリアの自然を語る上で重要な、砂漠と海、熱帯雨林のエリアを紹介したい。

2003年に世界遺産に登録されたバングル・バングル。奇景・奇岩が多いオーストラリアでも屈指のいい景色を見ることができる ▼パーヌルル国立公園(登録年:2003年)

2003年に世界遺産に登録されたバングル・バングル。奇景・奇岩が多いオーストラリアでも屈指のいい景色を見ることができる
▼パーヌルル国立公園(登録年:2003年)

アボリジニの聖地、レッド・センター

  • ▼ウルル-カタ・ジュタ国立公園(登録年:1987,1994年)

オーストラリアにはユニークな地形が多いが、アボリジニの聖地であるウルル(エアーズロック)はその代表格だろう。「地球のへそ」と呼ばれるくらい大きく存在感のある1枚岩が地上に突き出しており、訪れる者を圧倒する。世界遺産としては、ウルル(エアーズロック)とカタ・ジュタ(マウント・オルガ)のエリアが含まれる「ウルル-カタ・ジュタ国立公園」全体が登録されている。

ウルルを訪れる観光客は、夕焼けと朝焼けを見て急ぎ足でここを離れてしまうことが多いが、先住民アボリジニの知恵に触れる機会ももってほしい。一見赤土ばかりでとても暮らすことができないような砂漠も、実は多くの命が息づいており、ここに暮らすアボリジニに恵みをもたらせてくれることに気付くだろう。

また砂漠の自然の豊かさを感じるには、ウルルへの国内の玄関口となるアリス・スプリングス方面も訪れてみたい。途中にはテレビ版「世界の中心で、愛をさけぶ」のロケ地となっていたキングズ・キャニオンもあるので、できればここに1泊して峡谷を歩いてみるといい。

エアーズロックの周囲は約10km。登岩目当ての訪問客が多いが、麓を歩くのもいい体験だ

エアーズロックの周囲は約10km。登岩目当ての訪問客が多いが、麓を歩くのもいい体験だ

「たくさんの頭」と訳されるカタ・ジュタ(マウント・オルガ)。風の谷を歩いてみたい

「たくさんの頭」と訳されるカタ・ジュタ(マウント・オルガ)。風の谷を歩いてみたい

ケアンズ北部の熱帯雨林を散策

  • ▼クインズランドの湿潤熱帯地域(登録年:1988年)

ケアンズは日本から最も近いオーストラリアのゲートウェイ都市。10年以上前はひなびた感じすら覚えるリゾート地だったが、現在はグレート・バリア・リーフへの玄関口となるリゾート地として人気を集めている。特にパーム・コームやポート・ダグラスというエリアには、小さい規模ながらサービスのいいアコモデーションがあり、スパを楽しむこともできる。 ここケアンズからはグレートバリアリーフを訪れる人が多いと思うが、北東部に広がる熱帯雨林を訪れずに帰るのはもったいない。ガイド付きの1日ツアーで簡単に訪れることができるので、ぜひ予定に入れてみてはいかがだろうか。熱帯雨林を楽しむのにおすすめのツアーは、モスマン渓谷やディントリー国立公園を訪れるコース。英語が多少理解できるなら、英語のツアーに参加するのもいい。 世界遺産のエリアではないが、アサートン高原という、熱帯雨林としては非常に古い歴史を持つエリアを訪れ、ワラビーの餌付けやカモノハシ観察などを体験するツアーも人気だ。これらのツアーのなかにはこの地に暮らしてきたアボリジニ、ジャプカイ族の文化に触れることができる「ジャプカイ文化センター」訪問を組み入れているものもある。実体験できるアトラクションも多いので、選択に悩んだらここを訪問するツアーをおすすめする。

日本人ガイドが豊かな熱帯雨林の自然を案内するツアーもある

日本人ガイドが豊かな熱帯雨林の自然を案内するツアーもある

日本では見られないユニークな形状の植物も見物だ

日本では見られないユニークな形状の植物も見物だ

グレート・バリア・リーフに潜る

  • ▼グレート・バリア・リーフ(登録年:1981年)

グレート・バリア・リーフはオーストラリア北東部の海に約2000kmに渡って続く珊瑚礁だ。日本からのアクセスの便を考えるとケアンズからアウターリーフを訪れるのが便利だが、グレート・バリア・リーフ上に点在する島々もそれぞれに個性的なので、予算と時間に余裕があるならそれらの島を訪問先候補として考えるのもいい。

グレート・バリア・リーフの特徴ある島としては、ウミガメの産卵が観察できる「ヘロン島(プレ創刊号特集記事参照)」、オーストラリアはおろか世界と比較しても最高級にランクされる「ヘイマン島」、カジキ釣りのメッカ「リザード島」などが挙げられる。

ケアンズからアウターリーフを訪れる場合は、朝8時台にケアンズを出て16:00〜17:00に戻るアウターリーフクルーズを使うのが便利だ。ヘリコプターでアクセスできるツアーもあるので、それを使えば空からグレートバリアリーフを見ることができるし、時間も短縮できる。

ケアンズからアウターリーフまでは2時間くらいのクルーズ

ケアンズからアウターリーフまでは2時間くらいのクルーズ

リーフによって見られる魚は異なる。ダイビング目的ならリーフ選びも重要

リーフによって見られる魚は異なる。ダイビング目的ならリーフ選びも重要

複合遺産のカカドゥ国立公園

  • ▼カカドゥ国立公園(登録年:1981,1987,1992年)

上記の3つの世界遺産エリアは「赤(ウルル)」「緑(熱帯雨林)」「青(グレート・バリア・リーフ)」と、比較的色分けしやすいところだが、ここカカドゥ国立公園は、景色も自然も多様性に富んでいる。周遊旅行プランに組み入れにくいが、オーストラリアの自然の豊かさを知るにはカカドゥ国立公園を訪問することを強くおすすめする。オーストラリアでは最初に世界遺産に登録された地域で、自然遺産、文化遺産ともに登録されている複合遺産のエリアだ。

カカドゥ国立公園はノーザンテリトリー北部のゲートウェイ都市ダーウィンから東に300kmほど入ったエリア。日帰りのツアーもあるが、国立公園内にはアコモデーションもあるので、宿泊するタイプのツアーに乗って訪問することをおすすめする。

ツアーに含まれることが少ないポイントとしては、「アンバングバング・ビラボング(ノーランジー・ロックを正面に見ることができる湿原)」や壁画がすばらしい「ウビル・ロック」などがある。もしレンタカーを借りて個人で移動する予定ならば、これらの場所も訪問地に加えてほしい。

豊かな湿原が広がるカカドゥ国立公園。動物ウオッチングにも最適の場所だ

豊かな湿原が広がるカカドゥ国立公園。動物ウオッチングにも最適の場所だ

乾期でも水鳥でいっぱいのアンバングバング・ビラボング。映画「クロコダイルダンディ」で目にした人もいるのでは?

乾期でも水鳥でいっぱいのアンバングバング・ビラボング。映画「クロコダイルダンディ」で目にした人もいるのでは?

カカドゥではイエローウォーターのクルーズは外せない。午後の最終のツアーでは夕焼けも見られる

カカドゥではイエローウォーターのクルーズは外せない。午後の最終のツアーでは夕焼けも見られる

アボリジニの手による壁画を見ることができるのも、このエリアの特徴。ウビル・ロックが特におすすめ

アボリジニの手による壁画を見ることができるのも、このエリアの特徴。ウビル・ロックが特におすすめ

■これらの場所を周遊するには

最初の3つの世界遺産(ウルル、熱帯雨林、グレート・バリア・リーフ)を訪れるには、日本からのパッケージツアーの利用が便利だ。「ケアンズとエアーズロック」というタイトルのツアーに乗れば、これらの場所を訪問できる可能性が高い。個人旅行で組む場合は、まずはウルルまで飛び、そのあとケアンズに戻って滞在するパターンのほうが時間を有効に使うことができる。

ツアーの設定が少なく日本からのアクセスが不便なのがカカドゥ国立公園。しかし、現地ではダーウィン発の英語ツアーがいくつも催行されているので、ダーウィンまでの足と到着日の宿を確保すれば、そのあとに宿泊型ツアーを付けるだけで簡単にこの場所を訪れることができる。
この場合、ダーウィンにまず1泊し、そのあと1泊ないし2泊のツアーに乗って、カカドゥ国立公園を観光、再びダーウィンに戻り宿泊した翌日にオーストラリア各地に移動というスケジュールが最短。ダーウィンの近郊にも見どころがいくつかあるので、日程が許すならダーウィンでさらに2〜3泊して、トップエンド(ダーウィン近郊の北部オーストラリアを指す呼び方)の自然を満喫してほしい。

2004年9月


ページ上部に戻る
地球の歩き方ガイドブック 編集部