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旅の孫の手 第5回 やっぱり「食は中国にあり」!中国でグルメな旅を堪能する7つのポイント

洗練されたレストランが急増

7月末から8月にかけて上海・杭州・北京を取材する機会に恵まれた。レストランを中心に取材したのだが、改めて中国料理の奥深さとバラエティの豊富さを実感した。中国4大料理といわれる北京・上海・四川・広東のほかにも、江南料理、潮州料理など、地方ごとに名物料理があり、訪れる先々で美味と出合える。今回旅した3都市では、新しいレストランが次々にオープンしており、料理だけでなくインテリアやサービスも以前に比べて格段に向上している。歴史的建造物を使ったレストランなど雰囲気も楽しめる洗練された店が増え、選択肢も幅広くなってきている。そこで今回の「旅の孫の手」では、中国で食を楽しむための方法を紹介したいと思う。

北京の伝統的建築である「四合院」を利用したレストラン

北京の伝統的建築である「四合院」を利用したレストラン

洗練されたインテリアやテーブルセッティングなど、スタイリッシュな店も増えている

洗練されたインテリアやテーブルセッティングなど、スタイリッシュな店も増えている

いざ、レストランへ

上海2泊3日、あるいは北京3泊4日といった日程で訪れたとしたら、夕食をする機会は2〜3回程度。まず1回目のディナーは、その地方の料理を食べよう。上海なら上海料理、北京なら北京料理のレストランで名物料理を味わってみる。そして2、3回目は異なる地方のレストランで食事をしよう。都市部には、四川や広東など、中国各地のレストランが揃っている。そうした店のなかから評判のいいレストランを訪れてみよう。現地のダイニング事情については、事前にガイドブックやインターネット等で情報を仕入れておくか、宿泊したホテルのスタッフに聞いてみるといい。

ガイドブックに紹介されているような有名店の場合、とくに夜は予約を入れたほうが確実だ。ほとんどの店が中国語でしか予約を受けないので、ホテルのスタッフに予約を入れてもらおう。4つ星以上のホテルなら英語はたいてい通じるし、日本語を話せるスタッフが常駐しているホテルも少なくない。

滞在中、数少ない食事の機会だけに失敗はしたくないものだ。では、中国で食べたいものをオーダーするにはどうしたらよいのだろうか。まず、席に着いて料理をオーダーする際の注意点をひとつ。それは、注文する品数だ。ついついあれこれ頼みがちだが、人数+1品+スープが適正ボリューム。たとえば2人で食事をするなら、料理3品とスープ、5人なら料理6品とスープということになる。日本と比べるとひと皿のボリュームが多めなので控えめにしたほうがよい。多彩な料理を味わうためには、最低4人以上でレストランに出かけたい。個人旅行の場合も現地で知り合った人を誘うなどして人数を確保しよう。

失敗しないメニュー選びとは

さて、次にどんな料理を注文するか、ということになる。「店におすすめを聞いてみる」という手もあるが、日本人とみるとカニやエビ、アワビやフカヒレといった高額な素材を使ったメニューをすすめてくる場合もあるので注意が必要。店の人に依頼するのであれば、1人分の予算を伝え「典型的な上海料理を4品出してください」というふうに依頼するほうがよいだろう。 『地球の歩き方』などガイドブックには、その地方の代表的なメニューが載っている。それらを参考に食べたい料理の名前をメモに控えておこう。中国でレストランに入ると、分厚いメニュー(菜単または菜譜)が渡される。肉、海鮮、野菜など、素材のカテゴリーごとに多数の料理が掲載されており、すべて漢字表記なのでほとんど理解不能。ホテルなど外国人客が多い店の場合、英語が併記されていることもあるが、英語訳はかなりおおざっぱなのであまりアテにならない。日本のように写真付きのメニューというのは残念ながらほとんどない。やはり、中国語の料理名を事前リサーチしておいたほうがいい。

オーダーの際には、素材がバラエティに富むようにメニュー選びをし、コースを組むことが基本。肉やシーフードばかりではなく、必ず野菜料理をコースに一品盛り込むようにしたい。空心菜や生菜(レタス)の炒め物など、シンプルだが思いがけないおいしさだ。
さて、いよいよ料理が運ばれてきた。食べる際には、マナーはほとんど気にしなくてもいいが、大皿で出てきた料理を自分の小皿にとるときは人数を考えて、適当な量をとりわける。好物だから、おいしいから、といった理由でひとつの料理ばかりをたくさんとることはマナーに反する。といっても、中国料理を味わう極意は、なんといっても食事を楽しむことにある。堅苦しいマナーはないので、お腹を空かせてレストランに出かけ、会話を楽しみながら料理を心ゆくまで味わってみよう。

多彩な料理を楽しむためには5人以上のグループで席を予約したい

多彩な料理を楽しむためには
5人以上のグループで席を予約したい

季節の味覚にもトライしよう

中国料理にも季節ならではのメニューがある。代表的なものが上海蟹だ。旬は9月中旬頃から12月頃まで。上海料理店の入口に「大閘蟹」と書いた真っ赤な紙がはりだされ、上海に秋の到来を告げる。最高とされているのは蘇州近郊に位置する陽澄湖と無錫南部の太湖でとれた蟹。特においしいのは、「9月のメス、10月のオス」(旧暦なので新暦に置きかえると10月のメス、11月のオスとなる)。シーズンの前半は、お腹にタマゴを抱いたメス、後半になるとゼラチン質の精巣をもつオスがおいしくなるといわれているのだ。シーズン中は多くのレストランが「蟹宴」という上海蟹づくしのフルコースを提供している。この時期、上海を訪れたら食べ逃さないようにしたい贅沢な味覚だ。上海蟹の専門店として知られる「王宝和酒家」などで味わってみたい。
また、北京の冬の味覚といえば、羊のしゃぶしゃぶ「羊肉」。北京ダックと並ぶ名物料理でレストランには年間通じてメニューにあるが、冷たい風が吹く頃がやはり格別の味わい。秋から冬にかけては、家庭でも楽しむ庶民的な料理で冬の風物詩ともなっている。日本のしゃぶしゃぶのルーツといわれている北京のしゃぶしゃぶを味わってみよう。おすすめは、下町にあるしゃぶしゃぶ専門レストラン「北京満福楼」。

中国でグルメを堪能するためのポイント

  1. 1日目のディナーはその地方の名物料理を食べよう。
  2. 2日目以降は中国各地の料理を味わってみよう。
  3. ディナーの場合、なるべく予約を入れるようにしよう。
  4. オーダーする皿数は、人数+1品+スープが基本。
  5. レストランに出かける前にガイドブックなどでメニューを予習しておこう。
  6. 野菜料理を必ずひと皿頼もう。
  7. 中国料理にも旬の料理がある。季節の味覚にトライしよう。

昨年9月1日から観光や商用で中国を訪れる場合、15日以内の滞在ならビザが不要(パスポートの有効残存期間は15日以上)となった。また、北京、上海だけでなく、杭州へも直行便が飛ぶようになり、中国への旅はとても気軽なものとなった。四千年もの歴史につちかわれた美味の数々を訪ねて、グルメ大国中国を旅してみよう。

DATA
●王宝和酒家
電話021-63223673
上海市福州路603号
●北京満福楼
電話010-64030992
北京市西城区地安門内大街36号
午後のティーブレイクには、中国ならではの茶館に出かけてみよう

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文・富永直美(とみなが・なおみ)

ライター&編集者。『地球の歩き方ムック・世界遺産』、『ハワイウエディング』などを担当。仕事のメインは旅と食。'98年〜'01年旅雑誌『トラベル・フロンティア』のスタッフとして編集全般にかかわる。横浜に生まれ、子ども時代は中華街を恐れていたが、長じてから【唐人街 Chinatown】に興味を抱き、香港、台湾、中国などへの旅を重ねること40回以上。仕事でもプライベートでも、旅先はアジアに集中。広東語修得は挫折したが、これからもチャイニーズ文化圏、そしてアジアの魅力を伝えていきたいと考えている。
「地球の歩き方トラベルライター講座」講師。

▼第2回「個人旅行デビューするならここで!」by富永直美

http://www.arukikata.co.jp/webmag/2004/reg/mago02_0404.html

2004年09月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部