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旅の孫の手 第6回 ブロークンイングリッシュをカッコよくする 4つのフレーズ機内シミュレーション(前編)

皆様、「旅の孫の手」第6便にご搭乗いただきまして、誠にありがとうございます。当機は、皆様を「かっこいいブロークンイングリッシュ」へとお連れするための特別機でございます。 機長は私、柳沢有紀夫が務めさせていただきます。オーストラリア在住5年を迎えてなおかつ、「バリバリのブロークンイングリッシュ」の使い手でございます。

世界の主流はブロークンイングリッシュ

さて、お客様の中で、ブロークンイングリッシュを恥じている方もいらっしゃるかと思います。でも、そんな必要はまったくございません。なぜなら、ネイティブイングリッシュを話しているのは、イギリス、アイルランド、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの国民で、せいぜい3〜4億人。ネイティブでなくても流暢な英語を話す人もいますが、それを合わせても6億人程度でしょう。世界の人口は60億


人とも言われていますから、「ブロークンイングリッシュしか話せないか、それさえも話せない人」が、世界人口の90%を占めているのです。
つまり、ブロークンイングリッシュ、大いに結構なのです。海外旅行の際は、思う存分使っていただきたいと思います。
ただし、「正しいブロークンイングリッシュ」というものは存在します。または「礼儀正しいブロークンイングリッシュ」とでも申しましょうか。それはネイティブの人たちが子どもをしつける際に、しつこいほど繰り返す4つのフレーズにカギがあります。これができないと、「しつけがされていない人」とか「無礼な人」と思われます。英語ができないのは恥ずかしいことではありませんが、しつけがされていないと人間性を疑われるのは恥ずべきことです。ぜひ、当機の機内シミュレーションで「正しいブロークンイングリッシュ」を身に着けてください。

Lesson 1 お願いだから「プリーズ」を

おや、おしゃべりしている間に、食事の用意ができたようです。フライトアテンダントが肉料理と魚料理をトレイに乗せて、あなたの席にやって、どちらがご希望か聞いてきました。
“Beef or fish?”
“Beef.”
おっと、いきなりNG表現です。どこがいけないのでしょうか。 “Beef.”だけだと、日本語に訳すと「肉!」と言っていることになり、非常にぞんざいな印象を受けます。または「命令」している感じになります。ここは“Beef, please.”と、ただ一言「プリーズ」を


つけるだけで、印象がまったく違ってきます。これで日本語に訳せば「肉料理をください」という、「お願い」になります。
ところで、いわゆる英会話教材などでは“Could I have fish, please?”と丁寧な表現になっているかもしれません。でもフライトアテンダントのほうも“Which would you like to have, beef or fish?”と丁寧に聞いているわけではなく、“Beef or fish?”省略した形で聞いてきています。相手も配膳で忙しいのですから、あまりバカ丁寧に答え必要はありません。“Beef, please.”くらいにシンプルに答えるのが、スマートです。
これは食事のときだけでなく、食前に飲み物を配られるときも同じです。
“Would you like something to drink?”
“A beer, please.”
これでずっと印象がよくなり、ビールもワインも飲み放題になります。……あっ、いや、普通は元々飲み放題でしたね。
ちなみに教科書的な英語では“A can of beer”が正しいのでしょうが、
“A beer”で充分です。
また機内だけでなく、レストランなどで味付けの注文をするときも、「プリーズ」は訳に立ちます。
“Mild, please.”
“Hot & Spicy, please.”
だけで充分に「マイルドにしてください」「辛くしてください」と伝わります。

Lesson 2 「サンキュー」と笑顔

さて、フライトアテンダントからご希望通り、肉料理を渡されたようですね。無言でふたを取って黙々と食べ始めたあなた。とてもお腹が空いていたのでしょうか。
でもちょっと待ってください。大事な言葉を忘れていますよ。それが“Thank you.”です。“Here you are.”とか“Dinner for you.”と言われたら、必ず“Thank you.”と答えるようにしましょう。もちろん笑顔を添えて。
このあたりは、日本語でも同じですよね。日本人のフライトアテンダントに「どうぞ」とか「肉料理でございます」と料理を出してもらったら、「ありがとう」と一言。それが常識だし、日本語の場合はそう言える人がほとんどです。ところが英語になった途端、この“Thank you.”が出てこない。機内を見渡しても、92%くらいの日本人が何も言わず受け取っています。無言でただ食事を手にする人がほとんどというこの風景。何やら強制収容所のようでコワイです。
“Thank you.”をつけるのも、何も食事のときだけではありません。食後のコーヒー、紅茶、緑茶のサービスのときも、ぜひ。

この一言で、コーヒーも紅茶も飲み放題になり……、いや、もういいですね。
ところで食事の後片付けのとき、あなたが通路側に座っていて、窓側の人のトレイをフライトアテンダントに渡してあげたら、“Thank you, sir.”と言わることがあります。この場合の答えとしては“You are welcome.”とか“That's alright.”あたりが妥当。ときどき、“Thank you, sir.”と言われてそのまま“Thank you, sir.”と答える人がいますが、これはNGです。“sir”はもともと「旦那様」くらいの意味ですから、フライトアテンダントに対して使うのは変です。


もう少しいろいろと「正しいブロークンイングリッシュ」についておしゃべりしたいところですが、経由地への着陸の時間になりました。続きは次回の「旅の孫の手」にて。
おっと私も忘れるところでした。ご清聴、ありがとうございます。“Thank you!”

※次便のフライト(機内シミュレーション・後編)はこちらからご搭乗ください。

文・柳沢有紀夫(やなぎさわ・ゆきお)

ライター&編集書き人。「海外書き人クラブ」お世話係。オーストラリア在住。当サイトの読者の皆さんにぜひオススメしたい著作が、『海外ノビノビ印税生活のススメ』。海外体験を本にしたいと思っている方、ぜひご覧ください! 他に『年金を活かす!海外ロングステイ30都市徹底ガイド』『極楽オーストラリアの暮らし方』『オーストラリアで暮らしてみたら。』など著書あれこれ。

自身のサイト homepage3.nifty.com/cafeaustralia
「海外書き人クラブ」のサイト gogo.chips.jp/kakibito/index.htm

2004年10月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部