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フィスプへ移動、ワイン畑を訪問

 2003年10月17日 ヨーロッパ最高所のワイン畑を訪問。ツェルマット泊

●山上の昼食

今日はアニヴィエの谷を離れ、ツェルマットへ移動の日。途中、フィスパーテルミネンという村に立ち寄ることになっている。フィスパーテルミネンはヨーロッパで最も標高の高いワイン畑があるところだ。フィスプからバスに乗って10分ほど、カーブを大きく左に曲がったところで、左手の斜面にブドウ畑が広がる場所を通過。さらに高度を上げるバスから今来た方角を見ると、最初に視界でとらえたよりもずっと広いブドウ畑を見ることができた。

バスは順調に走り、終点のフィスパーテルミネンに到着。我々を待っていてくださった観光局の方の案内で、さらにチェアリフトで山に上り、昼食をいただくこととなった。山上レストランの標高はちょうど2000m。山の上ということで、かなり肌寒いのではないかと思っていたが、ここもぽかぽかの陽気。遠くに黄葉を見ながら光あふれるテラスで食べる昼食はまた格別だ。これまではワインを飲んでいた同行者たちも、「こんな場所ではやっぱりビールだよね」とグラスを片手に満足げな表情だ。

「コレラ」という名前の料理。昔コレラが流行して外出できなかったとき、家の残り物で作ったという料理だ。このときはジャガイモとキャベツなどが入っていた

●ヨーロッパ最高所のブドウ畑

昼食をゆっくりといただき、再びチェアリフトでフィスプに下り、村を軽く散歩する。ここでは民族衣裳を着てのお祭りに特徴があるようで、村の各所に展示された写真ではその様子や、普段着姿の老人たちの姿を見ることができた。

ワイン畑のある場所までは、フィスプ行きのバスに乗って下る。さっき見た畑のすぐ上のカーブで車を降り、畑を見渡すのにいい崖まで登った。あらためて見てみると、太陽の光をさんさんと浴び、棚田のようにきれいに分けられた畑が見える。写真を撮り始めたところ、絵になる景色が多く、何枚も撮影してしまった。

ここのワイナリーは、この畑からちょっと上の高台にある。ワインは近代的な設備で造られているが、多くの農家のブドウを集めて、まとめてワイン造りを行うという仕組みはラヴォー地区と一緒だ。
今日はこの旅行で最も多い、7種類のワインをテイスティング。まるで水のようにすんだ味のものから、フルーツの香りたっぷりのものまで、次々と供されるワインをいただいた。

棚田のようにきれいに並ぶ畑

●ジビエ料理を賞味

スイスの秋の味覚で代表的なものが、このジビエ料理。秋は狩猟が解禁になる時期だが、この猟で仕留められた獲物を味わうことができるのがジビエ料理だ。シカやイノシシなどが代表的な獲物だという。このジビエ料理をツェルマットの宿泊先のホテルでいただいた。

毎度おなじみのサラダのあとに出てきたお皿は、一見牛肉のような濃い色の薄切り肉。ナイフを入れるとすーっと切れ、口に含んでも非常に柔らかい。以前ジビエ料理でシカ肉を味わった人から、「けっこう歯ごたえがあるよ」と聞いていたので、今晩も少しくせのある繊維質の肉が出るだろうかと考えていたのだが、まるでレバーを食べているかのように、なめらかな舌触りだった。
あとで聞いたところこの肉は子鹿のものだったとのこと。同じシカ肉でもずいぶんと違うものだと感心させられた。

Hotel Excelsiorでいただいたジビエ料理

 2003年10月18日 午前〜お昼過ぎ ツェルマットを散策し、グリムゼル峠越え

●朝焼けのマッターホルンを堪能

ツェルマットは日本人にもたいへん人気がある村だが、その人気を支えているのはやはりすっくとそびえるマッターホルンだろう。数ある山々のうちでも、マッターホルンは独立峰として優美な姿を見せてくれる。

今回はグリメンツ訪問以降天気に恵まれているが、ここツェルマットでも幸運が続き、今朝の空は星がまぶしく見えるほど雲がない。朝食を一番に済ませ部屋に戻ると、マッターホルンがそびえる南の空が徐々に明るくなってきた。
カメラをかまえて待っていると、間もなく午前8時になろうという頃、マッターホルンの頂きにスポットライトのように光があたり始めた。

急いでチェックアウトして、今度はホテルそばのフィスパ川まで出てマッターホルンを見る。手前に教会のシルエットが入り、いい画を見せてくれる。寒い朝だったが、10分近く立ち尽くし、徐々に光の中に姿を表してくるマッターホルンを撮り続けた。

マッターホルンの朝焼けは案外遅い時間に始まる。10月18日は午前7:55くらいに山頂に日があたり始めた

●氷河急行乗車

ツェルマットの村をガイドさんの案内で見て回り、いよいよ氷河急行に乗車。2003年からは鉄道会社の合併により、「マッターホルン・ゴッタルド鉄道」が運行しているため、車体のペイントも新しくなっている。

氷河急行は全線を走破すると8時間近くの乗車となる。しかし多くの人が利用するブリーク〜ツェルマット間は1時間40分ほどの乗車で、車窓の景色に見とれているとあっという間に目的地についてしまう。

氷河急行の楽しみは、一等車の屋根の一部まで窓になっている展望のよさだ。窓が開かないので息苦しく感じる方もいるかもしれないが、自分の座席に座っていながら両側の景色を楽しむことができるのは展望車ならでは。前回の氷河急行乗車のときはあいにくの天気で写真をほとんど撮らなかったので、今回は空いた車両に移動して右に左に現れる風景を夢中で追いかけた。

氷河急行ご自慢の展望車。写真を撮るには反射が多いが、座席の位置にかかわらずいい眺めを楽しむことができる

●ポストバスで峠越え

今日の午後の目的地はブリエンツ。SLの登山鉄道に乗り山頂まで行く予定だ。通常はブリーク〜シュピーツ〜インターラーケン・オスト〜ブリエンツと経由して列車で移動するが、グループでの旅行のため、今回はグリムゼル峠を越えるバスの旅を体験できる。

ブリークから出たバスは途中で先ほどまで乗っていた氷河急行を追い抜き、グリムゼル峠への分岐点「グレッチ」まで到着した。ここからは北西のルートに入りつづら折の峠道を上っていく。バスはどんどん高度を上げ、グリムゼル峠に到着。トイレ休憩のために下車したが、標高2165mの峠の風は冷たい。写真を撮っていたが、早々にバスに戻ってしまった。

バスはさらに北西に向けて進む。このあとは先ほどまでのようなヘアピンカーブは少なく、一気に高度を下げたらあとは比較的なだらかな道を進む。バスは間もなく完全な平地を走り始め、ブリエンツの村に入った。

グリムゼル峠で小休止。この移動のためには、グリンデルワルト営業所(?)のバスが迎えにきてくれた。バイクで旅する人の姿も多い

 2003年10月18日 午後 ブリエンツ・ロートホルン鉄道に乗車

●蒸気機関車で登山

ブリエンツ・ロートホルン鉄道は蒸気機関車が走る登山鉄道として非常に有名だ。かわいらしい車両デザインと、蒸気機関車による運行などから、トイトレインのような印象を持つ方も少なくないと思うが、この登山列車が連れていってくれる山上の世界は絶景そのものだ。

そろそろ最終電車が近いというのに、列車はけっこうな数のお客さんが乗車している。いよいよ蒸気機関の特徴的なリズムに乗って出発だ。機関車は後方について押し上げる形なので、排煙のにおいはそれほど気にならない。

晩秋にこの列車に乗ったのは初めてだが、予想以上に周辺の木々が紅葉していてきれいな景色を見ることができた。中間駅のプランアルプまでは、林の中を上っていくので視界が限られるのだが、太陽の光で黄金色に輝く木々はとても美しい。夏には単調に感じられた景色も、この時期は魅力を増すようだ。

力強く車両を押し上げる蒸気機関車。蒸気機関車独特の振動が心地よい

●すごいすごい!

プランアルプの給水を終え、列車は再び山頂に向かって進み始めた。木々の紅葉はどんどん遠ざかってしまうが、今度は荒々しい山肌と、霞がかって幻想的に光るブリエンツ湖が見えてきた。さっきまではおしゃべりをしていた乗客も、今は車窓の景色に見とれている。

この日は我々のグループのほかに、ふた組の日本人カップルが乗車していたが、高度が上がるほどに見えてくるダイナミックな景色に「すごい、すごい」を連発している。列車は途中で下り列車とすれ違うが、終点はまだまだ。まだ見上げるほど高い場所にある駅を目指して上っていく。

ここから先は絶景の連続だ。視界がどんどん広がり、今まで右側にそびえる山塊に隠れていた三山も見えるようになる。頂上までのわずか10分ちょっとの間に景色は劇的な変化を見せてくれる。

車窓の風景に釘付けだったカップル。「また、来ようね」と繰り返していた

●山岳ホテルへの宿泊も人気

興奮気味の乗客を乗せた列車はついに頂上駅に到着。下りの最終列車までは1時間くらいしかないが、頂上駅からの展望をゆっくりと味わうことにする。
この登山列車が到着する駅は、ブリエンツ・ロートホルンの頂上部から西南西に下った位置となる。本当の頂上までは片道15分から20分ほどのハイキングが必要だ。山頂に立てば、ブリエンツ湖と反対側の谷も見下ろすことができ、そちらの崖っぷちにはシュタインボックの姿を目にするチャンスもある。

ところでブリエンツ・ロートホルン登山の楽しみは、この列車の乗車だけではない。ここには最近改装されたばかりの宿泊施設もあるので、そこに泊まればアルプスの夕暮れと朝焼けをたっぷりと楽しむことができる。ここなら高度が2200mほどなので、高山病にかかる心配も少ない。夏は混雑するが、個人旅行者のために部屋を空けているということなので、個人手配でも宿泊できる可能性は高い。山岳ホテル宿泊を考えているなら、候補に加えてみてはいかがだろうか。

頂上駅からの眺め。この日は湖にうっすらともやがかかり、幻想的といえるほどの景色を見せてくれた

2004年01月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部