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ユーロスターで魔法の国へ

ディズニーランド直通のユーロスターで魔法の王国へ

昨晩は、ストーンズの元ベーシスト、ビル・ワイマンが経営するファミリーレストラン「スティッキー・フィンガーズ」で食事。そのせいか朝から頭の中でストーンズナンバーがガンガン鳴り響いている。今日はユーロスターでディズニーランド・パリ・リゾートへ向かうのだが、気分は妙に高揚したまま。やっぱりケンジントン・ガーデンズでピーターパンの像を見ておけばよかったと後悔。気分をファンタジーモードに切り替えておくべきだった。

行きのユーロスターはテムズ河畔のウォータールー駅から出発する。なんと、ユーロスターがディズニーランド・リゾートに直接乗り入れているのだ。出発時刻は9:27で、およそ3時間で魔法の王国へ到着予定。ちなみにロンドン(ウォータールー駅)からディズニーランド・リゾート・パリへ直行するユーロスターは今のところ1日1本だという。

スティッキー・フィンガーズ店内のストーンズ関連の展示。この他ビルのベースギターなど多数の展示が……

スティッキー・フィンガーズ店内のストーンズ関連の展示。この他ビルのベースギターなど多数の展示が……

ウォータールー駅に着くと、今度はキンクスの「ウォータールー・サンセット」のメロディーが頭の中に流れ始める。おいおい、今回はブリティッシュ・ロックの旅じゃないぞ、と自分に言い聞かせる。やっぱり、ディズニーランドっていう柄じゃなかったかな?
気を取りなおしてユーロスターの改札へ。改札を抜けると所持品検査とパスポートコントロール。チェックが厳しい。大きな荷物とは別に持っていたフィルムまでもX線の機械を通せと強要された。9・11テロの傷跡は大きい。

ユーロスターの自動改札口。この奥にはファーストクラス以上の乗客が利用できるラウンジがある

ユーロスターの自動改札口。この奥にはファーストクラス以上の乗客が利用できるラウンジがある

ディズニー専用列車?! 演出は列車内にも

出発20分前、ユーロスターが停まっている2階のプラットホームへ。乗るのはファーストクラスの車両。なんか贅沢、あとで触れるけど、これには理由があるのだ。

時計の針が9:27を指したとき、列車はなんの前触れもなく静かに動きだした。日本の新幹線の軌道より狭い標準機軌道(1435mm)の列車とはいえファーストクラスの座席は、横に2列プラス通路を挟んで1列の合計3列のレイアウトだから、けっこう余裕がある。しかも固めのシートだから疲れにくい。加えて、イギリス国内を走行する際は在来線なみ(?)の速度なので、揺れもなくほんとに快適。窓の外を流れる牧歌的な風景に心も和む。

ウォータールー駅のユーロスターのプラットホーム。列車だけでも全長約400m。乗車する車両へ移動するだけでもたいへん

ウォータールー駅のユーロスターのプラットホーム。列車だけでも全長約400m。乗車する車両へ移動するだけでもたいへん

出発して30分もたった頃、かわいいBOXに入った軽食が配られた。驚いたことに、箱にはウォルト・ディズニー・スタジオのシンボルマークが……。気分は自然にブリティッシュロック・モードからファンタジーモードに切り替わる。ディズニーの演出はさすが。列車の中からすでにディズニーワールドへと誘(いざな)っている。実は、これがファーストクラスに乗った理由。ファーストクラス以上でなければ食事は出ないのだ。中に入っていた紙ナプキン、ミッキーマウスとドナルドダックがデザインされていてすごくかわいい。子供へのおみやげがわりにと、こっそりとバッグへしまい込んだ。 なお、乗車した子供には、ディズニーキャラクターの塗り絵が入ったキッズ・パックがプレゼントされる。

ランチBOXとその中身。りんごは「白雪姫の毒りんご」というわけではない

ランチBOXとその中身。りんごは「白雪姫の毒りんご」というわけではない

時速300kmの世界は?

F1のライセンスなんて持っていないから、地上を走る乗り物で時速300kmの世界を体験できるのは、他のTGV一族と日本の新幹線「500系のぞみ」を除けば、これだけだ。いやがうえにも、スピードへの期待は高まる。

ところでユーロスター内ではほとんど案内のアナウンスはない。要所要所でチャイムの音とともに英語の、続いてフランス語(フランス発の場合はフランス語、英語の順)の案内が流れる。最初はアシュフォード駅での停車時。次はユーロトンネルに入る前。そしてトンネルを出てフランスに入ったとき。最後は終点のマルヌ・ラ・ヴァレ駅到着時。特にトンネルに入るときは聞き逃さないようにしたい。でないと、気づかぬうちにトンネルに突入してしまうことになる。やっぱりドーヴァー海峡越えはユーロスターのハイライト。トンネルに入ったことをしっかり認識して、海峡の下を走る列車に思いをはせたいもの。

ファーストクラスの車両内。グレーを基調にオシャレな印象

ファーストクラスの車両内。グレーを基調にオシャレな印象

フランスに入るとユーロスターは本領を発揮。速度をみるみる上げて時速300kmに到達する。思ったよりもローリング(横揺れ)を感じる。さすがに縦揺れはほとんどない。車窓を見れば、流れる風景は見渡す限り畑、畑、畑。彼方には地平線だって見えている。だからスピード感はあまりない。正直言ってちょっと期待はずれ。

ロンドンを出発しておよそ3時間。いつしか列車の速度も落ちて終点のマルヌ・ラ・ヴァレ駅に間もなく着くというアナウンスが流れたら、目を外に移してみよう。畑ばっかりだった視界に、突然「眠れる森の美女城」が飛び込んでくる。次いでホテル群やその他のアトラクション施設が見えてくる。しかも、そこへどんどん列車は近づいていく。マルヌ・ラ・ヴァレ駅はディズニーランド・リゾート・パリの敷地内にある。

フランスに入ってからの車窓の風景。これが時速300kmの世界。とはいうものの畑、畑、畑で、農業国であることを実感させられる

フランスに入ってからの車窓の風景。これが時速300kmの世界。とはいうものの畑、畑、畑で、農業国であることを実感させられる

便利! 駅から手ぶらでディズニーランドへ行ける

定刻どおり13:29にマルヌ・ラ・ヴァレ駅に到着(英仏間の時差が1時間あるため3時間の所要時間といっても到着は13:00台になる)。やっぱり飛行機と違って列車の旅は無駄がない。飛行機だと空港へのアクセスや出発2時間前のチェックインだとか、さらには手荷物受け取りの手間などいろいろ面倒。でも、このユーロスターなら目的地まで直通なのだから、言うことなし。

さらに声を大にして言いたいのは、この駅のディズニー直営ホテル専用の荷物預かり所に荷物を預ければ、手ぶらでそのままディズニーランドに遊びに行けること。アトラクションを心ゆくまで楽しんだ後で、ホテルに行ってチェックインすれば荷物が届いている。これは便利だ。このシステムはディズニー・エクスプレスと呼ばれる。

マルヌ・ラ・ヴァレに到着したユーロスター。先頭車両に来たと思ったら、ロンドン行きの最後尾になっていた

マルヌ・ラ・ヴァレに到着したユーロスター。先頭車両に来たと思ったら、ロンドン行きの最後尾になっていた

荷物預かり所では荷物と引き換えに自分の宛名が印字されたディズニーランド・リゾートからの封筒を受け取ることになる。この中にはパークのパスポート(入場券)、ホテルの案内、食事のバウチャーなどが入っているが、自分の名が封筒にすでに印字されているのは、うれしいものだ。ディズニーならではの細やかで心憎い演出である。

ディズニーエクスプレスの利用者でにぎわう荷物預かり所

ディズニーエクスプレスの利用者でにぎわう荷物預かり所

今どきのビジネスクラスに驚いた

ロンドンまで片道12時間弱のフライト。厄年を迎えた私にとって、半日座っているのは苦痛だし、とても疲れる。ひょっとしたら高原選手の二の舞なんて?

そんな心配してたら、なんと往復とも英国航空(ブリティッシュ・エアウェイズ)のビジネスクラスのクラブ・ワールドが提供された。こりゃ助かる。シートがフルフラットになって寝られるのだ。しかも隣のシートからのぞかれないようにうまくレイアウトされているから、完全とまではいかないがプライバシーは確保できる。アホな寝顔をお隣に見られることはないのは安心。そうそう、フラットになるチャイルドシートの大きなのを想像してもらえば近い感じ。ちなみにフルフラットシートをビジネスクラスに導入したのは英国航空が世界で初めて。
これがまた快適だった。不覚にも、ロンドンまでのフライト中、食事を除いてほとんど眠ってすごす羽目に。目を覚ますとそこはロンドンだった、という感じ。機内で映画を観ようと思ってたのに、夢を見てしまった……。いやぁ、ほんとにラク。体を横にできるのは大きい。

2004年02月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部