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レマン湖エリア

2004年6月9日

チョコレート列車に乗車

●プルマンカーでチーズの里へ

チョコレート列車は夏の間運行される企画列車だ。客車には2両のプルマンカーと1両のパノラマカーが接続され、チーズの里「グリュイエール」と、スイスの有名なチョコレート会社ネスレの工場がある「ブロ」を訪れる。今日は今年の運行が始まって2度目の列車だったが、ほぼ満員の乗客でにぎわっていた。

チョコレート列車の出発駅はモントルー。列車は有名なゴールデンパス・ルートの一部を走り、途中でグリュイエールに向かう路線に入っていく。はじめはレマン湖とモントルーの町を眼下にしながら、谷間を抜け11時前にグリュイエールに到着した。

どうせだったプルマンカーに乗車したい。予約はインターネット経由でも可能

グリュイエールでの観光ポイントは2カ所。まずはチーズ工場を見学し、次にグリュイエール城を訪れる。このチョコレート列車はツアーとなっているが、トランスファーと各地での入場がセットになっているものなので、集合時間を守りさえすればあとは自由に行動できる。
チーズ工場の案内はは携帯型の音声ガイドによるもので、日本語の説明もあった。グリュイエールがチーズの里として有名になったのは、このエリアの牛のお乳の質が高いから、つまりふだん食べている草の種類が豊富で良質だからであるということだ。

小学生だろうか? チーズ工場には子供のグループ見学も多かった

チーズ工場を見学したら次はグリュイエール城へ。スイスのお城というとモントルーのシヨン城が有名だが、ここグリュイエール城も眺めがすばらしく、眺望と城内見学を楽しむことができた。グリュイエールでは2時間強の時間が取られているので、お城をゆっくり見学してから昼食をとることができる。いずれのレストランでもチーズ料理を出してくれるので、スイスのチーズ料理を体験してみたいと思っていたら、ここで注文するといいだろう。

お城から見たグリュイエール近郊の眺め

●チョコレート食べ放題の工場見学

午後の目的地はブロにあるネスレのチョコレート工場。カイラーというスーパーでもよくみかけるブランドの工場を訪れるが、このブランドの誕生の秘密やチョコレート製造の行程が紹介される。最後には同社のチョコレートの試食コーナーもあり、20種近くのチョコレートを試食することができる。

今日は暑い1日だったが(列車内の温度はなんと36度!!)、みんな試食に満足してかおみやげのチョコレートを手にして帰途についた。多くの乗客は午後の日差しを浴びながわずかな時間の午睡を楽しんでいたが、午後は光線の向きが変わるので、写真撮影をしているととても休んでなどいられない。今日は3台のカメラで400カットを超える撮影を行った。

みんな試食に夢中。丸いテーブルを回りながら順番に試食できる

■今日の花の風景■

モントルー近郊は早々と雪がとけてしまったためか、多くの牧草地が刈られたあとだった。しかし出発して約30分後、左手の牧草地にまだ刈り取られていない場所があり、黄色と白、紫の花々が咲き乱れる丘を見ることができた。この旅の一番の目的はこのお花畑を自分の目で見ることだったのだが、早くも目標達成だ。このあとの訪問地の景色も非常に楽しみだ。

さて、今日の花の景色のワンカットだが、グリュイエール城見学後に訪れたレストランを紹介したい。グリュイエール城に向かうときからひときわ目についたレストランだが、お城の城壁の名前にちなんだ「Cafe-Restraunt des Remparts キャフェ・レストラン・デ・ランパーツ」というお店で、景色もよく料理もおいしい場所だった。予算は飲み物込みでひとりあたり35〜40フラン前後を見ておくといいだろう。

「花の家」と言ってもいいようなきれいな飾りつけのレストラン「デ・ランパーツ」

2004年6月10日午前

ナルシスの咲く丘「レ・プレイヤード」

●5月の雪「ナルシス」

スイス滞在3日目の今日は、ナルシスの群生が見られるというエリアの訪問。レマン湖のエリアでは何カ所かが紹介されているが、ヴヴェイからアクセスする「レ・プレイヤード」を訪れることにした。

ナルシスは、5月から6月頭にかけて山の中腹から山頂にかけて咲く花だ。いっせいに咲き始めてあたりを白い花で覆うため、「5月の雪」と呼ばれているという。例年の気候からすると6月10日の今日は見頃を過ぎている可能性が大きいのだが、今年は5月に降雪があったため、花の開花がちょっとだけ遅れているという。果たしてナルシスの群生を見ることはできるのだろうか。レ・プレイヤードに行くため、ブロネで列車を乗り換えた。

レ・プレイヤードに行く列車からはレマン湖を見下ろすことができる

ブロネで乗り換えた列車は急勾配をどんどん上っていく。レ・プレイヤードに近づくころ、左側の車窓に写真で見覚えのあるナルシスの花が咲いている斜面が見えてきた。上るほどに花の密度が高くなっている。どうやらまだ季節は終わっていないようだ。

ナルシスの花畑を目撃して間もなく。列車は終点のレ・プレイヤードに停車した。この朝の乗客は愛犬を連れた老婦人と私の2組だけ。駅を下りてレストランの看板にしたがって歩いていくと、花の香りが漂ってきた。

ついに目撃! ナルシスの群生

●丘の景色をひとり占め

ナルシスの群生ポイントはあっけないほど近くにあった。駅からレストランに向かう途中の左手の斜面に、今が盛りと咲いているではないか。日陰になっているがナルシスの群生と出合うことができたうれしさでさっそく写真を撮る。踏み固められた坂道にしたがって、もっと上のほうまで歩いてみることにした。

わずか数分もかからない上り坂の先に見えたのは、太陽の光をさんさんと浴びる花畑だった。ナルシスの白い固まりのほか、黄色や白、紫などのおなじみの花々も咲いている。夢中になって写真を撮り始めたが、30分過ぎても誰もいない。絶景の丘をひとり占めだ。

ナルシスのクローズアップ。実際には背丈の低い小さな花だ

■レ・プレイヤードの花の風景■

もちろんナルシスの群生に尽きるのだが、ほかの花々が作り出す花の絨毯もとてもきれいなものだ。特に青い空や遠くの山々とあわせて見ると、いろいろな草花が作り出す色彩はいっそう彩りを増すように思える。

ということで、ここレ・プレイヤードの花の景色はさまざまな花が作る丘の様子とすることにした。花の絨毯は、地上から浮き上がっているため「ふわふわ感」が違う。角度を変えて眺めると違った表情を見せてくれるので、いつまで見ていても飽きない。

ナルシスの咲く丘は花々でいっぱい


2004年6月10日午後

Glacier3000

●ブドウの産地から小悪魔の土地へ

今日の午後は3000mを超す展望台があるGlacier3000を訪問する予定だ。モントルーからGlacier3000を訪れるためにはワイン用のブドウの産地であるエイグルで列車に乗り換えてレ・ディアブルレへ、そこからさらにポストバスを乗り継ぎ、ケーブルカーで山頂に上る必要がある。

レ・ディアブルレまでは1時間弱の列車の旅。青い車体の2両編成の列車でアクセスする。列車は途中で車が通るルートと反対の谷のほうに向かい、左側に谷や村の景色を見ながらレ・ディアブルレに到着した。

この列車の沿線にもお花畑が残っていた

レ・ディアブルレは小悪魔の伝説が残る土地だ。Glacier3000の展望台にはその悪魔にちなんだデザインが取り入れられている。駅前から出たポストバスはロープウェイ乗り場まで10分ほどで到着。レストランの前の駐車場には多くの車とバイクが駐車している。

さっそく上に行こうとロープウェイの駅に行くと人の気配がない。ぐるぐる回って確認したところ、「ロープウェイの再会は6月19日からです」との張り紙があるではないか!

ああ、あの山の上に行きたかったのに……

●モントルーから行けるもうひとつの展望台「ロシェ・ド・ネー」

冷静に考えてみれば6月はちょうど季節の変わり目。サンモリッツの展望台がまだクローズされていることは確認していたが、Glacier3000のことをチェックするのはすっかり忘れていた。さっそく今来た道を引き返し、今度はモントルーから2000m近くの標高にある「ロシェ・ド・ネー」を訪れることにした。

夕方16:05発の乗客には子供が多い。ちょうど学校の授業が終わり帰路につく時間なのだろう。コー駅を過ぎるころにはほとんどの子供たちが降りていた。
ロシェ・ド・ネーで降りた乗客はわずか3組。まだシーズン前なのか時間が遅いのか、展望台にいるのは10人ちょっとのようだ。下り列車までは1時間あるので、展望台のベンチに座ってのんびりと過ごす。小悪魔のいたずらは束の間の休息を与えてくれた。

レマン湖エリアには珍しい荒々しい景色を見ることができる

2004年06月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部