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ベルナーオーバラント散策

2004年6月12日

雨の中を下見周遊

●いよいよベルナーオーバーラントへ

今日はグリメンツ村からベルナーオーバーラントへの移動の日。滞在地のグリンデルワルトへは、ブリーク〜シュピーツ〜インターラーケン・オストと経由して約3時間半で到着する。

グリンデルワルトは日本人に非常に人気の高い山岳リゾート地だ。パッケージツアーのお客さんも多く滞在していて、まるで日本人村のように見える一瞬もあるほど。だんだんに天気が崩れてきたのが心配だが、車窓からはお花畑の広がりを確認できてひと安心。

グリンデルワルトへ向かう路線の花の風景

●お花畑を求めてひと回り

グリンデルワルトに到着する頃、天気はどんどん悪くなってきた。これでは撮影には向かない天候だが、とりあえず下見だけでもしておこうとフィルストへ向かう。しかしボルトの駅から上は霧のため、すぐに下山。今度はクライネシャイデックを経由してヴェンゲンまでのルートを見ることにした。

午後遅くしかも雨模様の天気なのでさすがに登山電車はすいている。お花畑の様子はというと、グリンデルワルトからアルピグレンまでのあたりは、「花の絨毯」と形容してもいいくらい花が咲いている。クライネシャイデック付近はまだ雪が残っていて、花を見るには時期が早そう。ヴェンゲンに下ってみると、アルメント付近からヴェンゲンを少し下るあたりのエリアで密集したお花畑を見ることができた。

クライネシャイデックからヴェンゲンに下るルート。まだ雪が残っているがところどころに黄色の花々を見ることができた

●お花畑の境界は?

今日ざっと回ってみたところでは、今のタイミングでは標高1500〜1600mがお花畑の境界線となっているようだ。2000m近くの高所では、まだぽつぽつとしか花を見ることができない。

ヴェンゲンに下るころには、写真を撮るにはさすがに薄暗くなってきたので、グリンデルワルトに戻ることにする。天気予報でも明日は雨となりそうだ。少しでも回復してくれないだろうか。

ヴェンゲンからクライネシャイデックを走る列車には、昨年はあまり見なかった新型車両が投入されていた。車椅子のお客さんも楽に乗り込むことができる低床式ボディだ

2004年6月13日

花の谷(ブルメンタール)へ

●メンリッヒェン経由で花の谷へ

今日の天気も朝から雨。しかも大降りだ。これでは撮影にならないので、再び下見のつもりで朝から出かける。昨日は鉄道で1周したので、今日は間を突っ切って、メンリッヒェン経由でミューレンへ行き、「花の谷」と呼ばれるエリアを歩いてみることにする。

ゴンドラ乗り場に着くころ、雨は少し小降りになってきた。しかし山の上は数メートル先も見えないほどの霧、しかもハイキングルートにはまだ雪が残っている。しかしツアーのお客さんはこんなコンディションでもクライネシャイデックまでのハイキングに出かけるようだ。

山頂駅すぐ手前。ゴンドラからはもう何も見えない。

今日のメンリッヒェンでは見るものも撮るものも何もないので、そのままヴェンゲンへ下る。ロープウェイが地上に着くころ、すごい勢いで雨が降りだした。それでも花の谷の様子は確認しておこうと、さらにミューレンに移動。ミューレン村に着くころには雨もおさまったので、村を歩いてから花の谷を歩くことができる展望台「アルメントフーベル」まで上ることにした。

アルメントフーベルでも天気がよくなる気配はない。雨どころか雹まで降る天気となってきたが、あきらめずに歩き続けていたところ、一瞬晴れ間がのぞいた。ちょうどミューレンを見下ろすことができるポイントのあたりで、花の密度も高い場所がある。ここぞとシャッターを切り、クローズアップした花の写真もおさえた。

アルメントフーベルへ向かうフニクラ駅のすぐ上にお花畑が広がっていた

●鉄道線路に沿ってハイキング

万全のコンディションとは言えないが、花の谷のエリアでもお花畑を見ることができ撮影もできた。次はどこへ行ってみようか。見渡す限りではヴェンゲン方面の雲が切れているようだ。

ミューレンの駅へ向かうと目の前で列車が出てしまった。歩き続けている勢いで、そのままグリュッチュアルプ方面まで歩いてみる。あいにくとこのルートではお花畑を見ることはできなかったが、まだ歩いたことのないハイキングルートを体験できたのは収穫だった。

途中駅に入ってきた列車。1両ないし2両編成で走っている

●グローセ・シャイデックへのバス旅行

昨日通ったルートと逆回りでグリンデルワルトに戻る。クライネシャイデックまで来てみると、グリンデルワルト側の谷には太陽の光が差し込んでいる。グリンデルワルトに戻ることができたのはすでに17:00前。もう展望台へ行っても帰る手段がないが、グローセ・シャイデック行くバスならまだ乗車できる。今日の最終便に乗った。

今の時間はもうグローセ・シャイデックまで行く乗客は私だけ。すぐに折り返してグリンデルワルトに戻ることをドライバーに伝える。このエリアで写真を撮っていることを伝えると、まだ行っていない展望台をおすすめポイントとして挙げてくれた。
さて、車窓の風景はというと、これがもうすばらしいのなんのって! 雲はずいぶん切れて日が差しているし、お花畑は道の左右にぎっしり。峠の上に行けば山肌が迫るすごみのある景色が見られ、わずか1時間ほどのバス旅だったが、とても楽しむことができた。

グローセ・シャイデックからの眺め。まだ雲が多いが、今日の朝の天気を考えればずいぶんと回復した

2004年6月14日

ベルナーオーバーラントの花の見どころ

●気になったポイントを再訪問

今朝は、起きてみると雨の気配はない。駅前の広場に出てみると最初に訪れたフィルスト方面は雲が切れているように見える。今朝の最初の訪問地はフィルストにする。運行開始の10分ほど前に駅に着いたがほかの乗客の姿はなし。今日の一番の客となった。ゴンドラに乗り上に向かうとけっこう厚い雲が漂っている。しかし途中駅のボルト付近には日が射していたので、またここで下りる。

雲がまだ多いものの、お花畑の撮影はうまくいったので、今度は乗り場が近いプフィンシュティークの展望台に行くことにする。昨日乗車したバスのドライバーが教えてくれた、グリンデルワルトの村を一望にすることができる展望台だ。

プフィンシュティークへはこの小さなゴンドラが連れて行ってくれる

プフィンシュティークは山の景色を楽しむには今ひとつだが、確かにグリンデルワルトを見渡すにはいい場所だ。さっと展望を楽しんで、次の展望台に向かうために折り返しのゴンドラで下りる。本当は昨夕往復したグローセ・シャイデック方面に向かうつもりだったが、どんどん雲が厚くなっているので、ほかのエリアに向かうことにする。

11:00ちょっと前の登山電車に乗り、クライネシャイデック方面へ向かった。途中駅のアルピグレンできれいなお花畑を見たのでそれを撮影するための乗車だ。駅の裏手の丘に上ると、列車から見ていたよりもずっと密度のあるお花畑が広がっていた。夢中になって写真を撮り、ちょうど到着した列車に乗りクライネシャイデックへ向かう。

まるで列車がお花畑に埋もれているよう。アルピグレンは満開だった

●「花の谷」へ再び

今日は、この2日間で気になっていたポイントが晴れていて非常にありがたい。午後のメインの訪問地としてミューレンの上にある「花の谷」を訪れることにする。列車とケーブルカーを乗り継ぎミューレンに到着。昨日は雨の中での撮影となったポイントを再び撮影するのだ。今日は太陽の光のおかげですべてがとてもビビッドに見える。

花の谷に下りるために、アルメントフーベルまでケーブルカーでアクセスする。昨日の天気がうそのように視界が広がり、三山も雲の間に見え隠れしている。今日も雲が多くて撮影のタイミングには気をつかったが、昨日に比べればずっといいカットを得ることができた。

アルメントフーベルからのハイキングルートを示すサイン。今日は遠くの景色もはっきり望むことができた

■今日の花の風景■

ベルナーオーバーラントとは明日でお別れなので、最後はこの地域の一番のおすすめポイントを紹介することにしよう。花の咲き具合だけを考えると、どこも一長一短あって、これぞというおすすめポイントを示すのは難しいが、そのほかの要素も併せて考えると、ミューレンをベースにして花の谷やシルトホルンを訪れるコースを一番におすすめする。

「花の谷」は思わず2回も訪れてハイキングするほど楽しむことができたが、ミューレンも実に感じのいいひなびた村で、家々の花の飾りつけもきれいだ。ミューレンから行くシルトホルンの展望台は、短い時間で眺めのいい場所にアクセスできるという点で、ほかの展望台と比べてもすぐれている。三山がきれいに見られるコンディションにあるなら、ミューレンをベースにあれこれと動いてみることをおすすめする。

ミューレンの村の民家。景色と家の壁と窓の色がよくマッチしている

2004年06月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部