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進化し続けるトラベルバッグのチェックポイント

キャリーバッグを大別するとハードキャリーとソフトキャリーになる。かつて「ハードは重く強い、ソフトは軽く弱い」というイメージが強かったが、今ではそんなことはない。素材の進化がそれぞれの短所を補い「ハードでも軽く強い、ソフトでも重く強い」ものが登場している。
そんなことも念頭において、キャリーバッグを選ぶ際のポイントについて考えてみよう。

■ハードキャリーバッグ編

@ボディの素材

樹脂素材としてはABS樹脂ポリカーボネート樹脂が代表的である。ポリカーボネートの採用でより軽量化することが可能になった。最近では ABS とポリカーボネートを混合した素材を使って双方の長所を生かす例も出てきた。金属素材としてはアルミ合金がある。
樹脂・金属いずれも外殻を構成する硬質素材であるため、安全性に優れている。

Aフレームの素材

フレームはケースの背骨ともいえる重要なパーツ。よって何より堅牢さが要求されるパーツだが、バッグメーカー各社は、タフさのみならず軽量化のための工夫をこらしている。一般的には、比較的安価なアルミ合金を採用するケースが多い。なかには、高価なマグネシウム合金を採用して軽量化するとともに、衝撃と外部からの力に対する耐久性をさらに高めているメーカーもある。

シェルの構成素材とフレーム(写真のハンドルが取り付けられた部分)素材に注目。プロテカ「エキノックス」

■ソフトキャリーバッグ編

@ボディの素材

ソフトキャリーバッグに使われている素材として主流になっているのが、引き裂き強度・耐摩耗性が高く安全性も高い バリスティックナイロン。この素材はTUMIやパスファインダーといったアメリカの人気ラゲージブランドも採用している。

コーデュラーバリスティックナイロンを使用していることを示すタグ(パスファインダー)

コーデュラーバリスティックナイロンを使用していることを示すタグ(パスファインダー)


Aフレーム

目安として 2万円以上のソフトキャリーバッグなら、ある程度のレベルのタフさを備えているが、それはバッグメーカー各社がフレーム構造の開発に力を注いだ結果だといえる。たとえば ハニカム状に加工した ABS 樹脂製ボードをフレームとして使用するなど、見えないところに軽量・堅牢化のための様々な工夫が隠されていたりする。また、フレームとパーツの接続にも、腐食しないステンレス製のネジやボルトを使って直接固定するなど、細かい部分まで配慮している例もある。外側からは見えない部分だけにチェックを怠りがちだが、長く愛用したいと考えるならフレームは重要チェックポイント。パンフレットや公式サイトなどを利用して納得できるまでリサーチしておきたい。

Bファスナー

ソフトキャリーバッグには外側にポケットが装着されており、書類や雑誌などを収納できて便利だが、ポケットや開口部のファスナーは、破損しやすいパーツだ。ファスナーを引くつまみの部分がこわれてしまう、いつの間にかなくなっていた、というトラブルは非常に多い。また、ファスナーが開閉できなくなるといったアクシデントもある。購入時にはファスナー部分もチェックしておこう。日本の YKKファスナーの評価が高い。

どんなファスナーが使われて いるのかチェック。 これはYKK製(パスファインダー)

どんなファスナーが使われて いるのかチェック。 これはYKK製(パスファインダー)


C縫製

タフさ、耐久性という面で縫製も重要なポイントとなる。海外のブランド品であっても日本向けに生産されたバッグは、厳しい検査を受けていることが多いが、一応、ミシン目に乱れやほつれがないかチェックしよう。多少価格は高くなっても、トラブルが起きやすい部分は、 ダブルステッチや重ね縫い、ステッチを強化するなどして縫製にも多くの配慮がなされているバッグを選ぶようにしたい。

■キャリーバッグ共通のポイント

@キャスターの数

2輪か4輪か?  2 輪のキャスターの場合、引っ張るときにスーツケースの幅が邪魔になるケースがある。たとえば、鉄道旅行のとき、車内にバッグを運び込む場合、幅が邪魔になってうまく運べないのだ。 4 輪のキャスターならば、縦にして車内の狭い通路もスムーズに運べる。また 360 度回転する自在キャスターの場合、人とすれ違うときも容易によけられる。

プロテカ「エキノックス」の4輪キャスター。

プロテカ「エキノックス」の4輪キャスター。
すべてに自在キャスターを使用


Aキャスターの走行性

キャスターは直径を大きくすることで走行安定性をアップすることが可能。ヨーロッパの石畳では重宝する。現在、キャリーバッグは直径 50 〜80mm程度のキャスター付きが売れ筋で、一般的にキャスターは大きくなる傾向にある。しかし、大きいキャスターは、走行性が高くても破損しやすいというデメリットもある。よりスムーズで静粛な走行を実現するため、インラインスケート用ポリウレタンホイールを装着したり、硬質な素材を使用し、ケースコーナー部に配置し走行安定性を向上させたりするなど、キャスターも試行錯誤が重ねられ、改良が続けられている。キャスターの走行性がよければバッグも軽く感じられる。

Bキャリーハンドル

キャリーハンドルは、高さの調整が可能かどうかという点に注目したい。外国ブランドの場合などは、日本人の体格に合っていない場合もある。とくに身長が低い女性はハンドルが合っていないとバッグの持ち運びに苦労することになる。こうしたことを防ぐには、キャリーハンドルが多段階伸縮構造になっているバッグを選ぶこと。最近は、何段階かに分けて長さを調節することができるハンドルを採用しているバッグが増えている。
また、ハンドルの質感にもこだわりたい。ラバー加工などを施したタイプなら、持ったときの感触もやわらかい。

2005年3月号