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世界遺産に触れる街歩き ザンクトガレン2
知識の宝庫、ザンクトガレン修道院
ザンクトガレンは商人によって栄えた町と説明したが、実はそれよりも前、9世紀から10世紀にかけて修道院を中心にたいへんに栄えた時期があった。
ザンクトガレンができるきっかけは、612年にアイルランドの修道士ガルスがここに滞在することになったためだ。スイス北部と東部の修道士たちが集まり始め、貴重な書物を複写した。その結果、ザンクトガレン修道院はナレッジセンターとしての役割を担うようになり、諸王たちもここを訪問、修道院は非常に豊かになっていった。
敷地の西端から見た旧修道院
この建物には建造時のオリジナルの門が残る
豊かさを象徴する大聖堂
大聖堂が建築されたのは18世紀のこと。バロック様式の聖堂内は非常に細かい細工が施された彫刻にあふれていて、色彩も豊かだ。当時の修道院の繁栄ぶりがしのばれる。例えば告解室を見てみよう。ウォールナットで造られたこれらの部屋は一つひとつのデザインが異なっている。このような凝ったデザインは聖堂内のいたる場所に見ることができる。
修道院の東の入り口から敷地を眺める。大聖堂の存在感が圧倒的だ
一つひとつに見事な彫刻が施された告解室
見事な修道院内部の装飾。薄い緑色の飾りはこのエリアの典型的な装飾様式だ
生きている中世の図書館
この修道院の最大のみどころは15万冊の蔵書を誇る図書館。ロココ様式の図書館は1767年に完成した。館内は建造当時のままに保たれ、今でもエアコンや照明器具などの設備はない。

蔵書の一部はガラスケースに収められ、本の内容を閲覧することができる。日焼けを防ぐために週に1度ページがめくられるので、毎週訪れれば数十ページ分を読むことも可能だ。

図書館にある書籍は金網の奥に保管されているが、研究者はオリジナルの本を閲覧するこができる。本の完成度は極めて高くいわゆる誤植や内容の矛盾などはほとんど見つけられないそうだ。

図書館ではこれをお見逃しなく!

図書館内部は残念ながら撮影が許されていない。入手が比較的容易な映像素材としては、TBSで放映されている「世界遺産」のスイス編のDVDがおすすめだ。大聖堂と図書館の美しさを余すところなく記録している。

 
修道院の設計図
世界最古と言われる修道院の設計図が部屋の奥に展示されている(オリジナルはテーブル内部に収められている)。この設計図は820年頃に書かれたものだが、修道院内部がどのように使われていたかや、収容人数までがわかる詳細なもので、当時の修道院の様子を生き生きと伝えている。
 
グレゴリオ聖歌の楽譜
楽譜といっても、五線紙に記譜されたものではない。しかし歌詞と音の高低が示されているため、立派に楽譜としての役割を果たしている。世界最初の楽譜といってもいいだろう。
■DATA
市内ウォーキングツアー
2005年は5月16日から10月22日の月曜と水曜日から土曜日まで、市内を巡り大聖堂と図書館を訪れるツアーが催行されている(観光局前から出発。所要約2時間、7月と8月は日曜日も催行される)。ツアー代金は大人(17歳以上)1人CHF15、子供(6歳から16歳)1人CHF10。ドイツ語と英語のツアーだが、リクエストすればフランス語とイタリア語のツアーも催行される
www.st.gallen-bodensee.ch
ツアーはこの観光局前からスタートする
その他のおすすめ街
世界遺産の町ベルン
ベルンはスイスの首都。火災に遭ったことはあるが、中世の町並みがそのまま残り、都市としての機能も果たしている。アーケードがあるので、雨の日の観光にも向いている。スイス北部〜中央部の各地から、遠い場所でも2〜3時間で訪れることができる。交通の要所に位置しているので、移動の途中に立ち寄ってもいいだろう。
 
スイスの世界遺産
6カ所の世界遺産のうち、最も新しく登録されたサン・ジョルジョ山には見どころがない(世界遺産登録の理由となった化石も展示されていない)のでご注意を。唯一の自然遺産、ユングフラウ・アレッチ地域にあるアレッチ氷河はさまざまな方角から見ることができるので、ユングフラウヨッ展望台やエッギスホルン展望台を訪れるといい。
石造りのアーケードと噴水がシンボルのベルンの町
2005年06月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部