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ヨーロッパ、夏列車の旅。この夏、厳選7ラインBドイツ〜北欧ドイツを後に、北欧をめざす旅  海を渡り、列車は行く


デンマークのIC3。ユニークな風貌だが、内部のデザインは洗練されている

デンマークのIC3。ユニークな風貌だが、内部のデザインは洗練されている

コペンハーゲンの市庁舎脇にあるアンデルセン像

コペンハーゲンの市庁舎脇にあるアンデルセン像

夏になると、人は涼を求めてか、北をめざしたくなる。ヨーロッパでも夏の北欧の人気は高い。鉄道で行く場合、その起点はドイツのハンブルクかベルリンとなり、まずは北欧の玄関口デンマークをたどることになる。今年は、デンマークの生んだ世界的童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンの生誕200年記念の年。彼ゆかりの場所をも訪ねながら列車の旅をしてみたい。

写真・文=野田 隆

渡り鳥コース〜ドイツ編 [*table:825]

世界遺産の街リューベックの玄関ホルステン門門

世界遺産の街リューベックの玄関ホルステン門門

渡り鳥コースのシンボルで優美なフェーマルン橋は道路との共用だ

渡り鳥コースのシンボルで優美なフェーマルン橋は道路との共用だ

ドイツの北の大都市ハンブルク。その中央駅からユーロシティに乗り込む。行き先はデンマークのコペンハーゲン。正面が真っ黒のちょっと異様な姿の車輌で北欧への旅は始まる。まずは、美しい街並みの旧市街が世界遺産に登録されているリューベックに到着。車窓からも天に向かって聳える教会の尖塔の数々が眺められる。北の荒涼とした大地を列車は坦々と進み、優美なフェーマルン橋で海を越えて、島に渡る。その突端のプットガルデンでドイツの旅は終わり、列車はそのままフェリーに乗り込んでいく。

*本文中の[table:000]は、トーマスクックヨーロッパ鉄道時刻表のテーブルナンバーに対応しています。

渡り鳥コース〜海を越えて北欧へ [table:50]

列車ごとフェリーに積み込まれてバルト海を渡る

列車ごとフェリーに積み込まれてバルト海を渡る

バルト海を横切る渡り鳥コースのフェリー

バルト海を横切る渡り鳥コースのフェリー

列車ごとフェリーに乗り込むが、船旅はおよそ1時間。多くの乗客は、列車から降りて、船内で食事をしたり、デッキからバルト海を眺めたりして過ごす。公海上でもあるので免税店で買い物をする人も多い。デンマークが近づくと列車内に戻る。ロービュで上陸すると、列車は一路コペンハーゲンに向けて走り出す。鉄橋で島から島へと渡る。渡り鳥の飛来コースを遡ることから、このルートには「渡り鳥コース」という愛称がつけられている。

ユーラン半島からストアベルト海峡横断ルート table:50]

デンマークの第2の都市オーデンセはアンデルセンの故郷。市内にはアンデルセン博物館もある

デンマークの第2の都市オーデンセはアンデルセンの故郷。市内にはアンデルセン博物館もある

コペンハーゲン、いやデンマークのシンボルでもある人魚姫の像

コペンハーゲン、いやデンマークのシンボルでもある人魚姫の像

ハンブルクから北上し、国境を越えて、ユーラン(ユトランド)半島を遡って、フレデリシアで東に向きを変える。海を渡るとデンマーク第二の都市オーデンセに到着するが、ここはアンデルセンの生地である。生家は博物館になっているので、ゆっくりと彼を偲んでみたい。再び列車に乗ると、今度はストアベルト海峡を橋とトンネルで豪快に渡る。こうしてシェラン島に入り、首都コペンハーゲンにたどり着くが、市内にはアンデルセンの銅像や代表作人魚姫の像が港のモニュメントとして私たちを迎えてくれる。

知られざる北欧への道 [table:835][table:844]

スウェーデン最南端の港町トレレボリ

スウェーデン最南端の港町トレレボリ

オアスン海峡橋の遠景。瀬戸大橋と同様に上が道路、下が鉄道

オアスン海峡橋の遠景。瀬戸大橋と同様に上が道路、下が鉄道

ベルリンからスウェーデン南端のマルメへ至るルートも紹介しておこう。ドイツ東部を北上してリューゲン島のザスニッツまで約4時間半[table:835][table:844]。ここから列車は直接フェリーに乗り込んでバルト海を横断する[table:2385]。今や夜行列車が1本走るのみなので車窓風景は楽しめないが、朝になればスウェーデン最南端の港町トレレボリに上陸する。わずか30分ほどでマルメ到着だが、列車を乗り継いでオアスン海峡を橋とトンネルで渡れば、あっという間にデンマークのコペンハーゲンだ。

DATA
ハンブルクからコペンハーゲンまでは、全席指定のユーロシティ(EC)で移動可能。本数は1日6往復(夏期スケジュール)。所要時間は、ハンブルク〜コペンハーゲン間で4時間36分から5時間程度。オーデンセへは、Ringstedでインターシティ(IC)に乗り換えて50分程度で到着する(この間は1時間に2本程度運行している)。
*ベルリン〜マルメ間は、ユーロナイト(EN)「ベルリンナイトエキスプレス」で結ばれている。6月27日から8月14日までは毎日1往復運行している※。
※それ以外のシーズンは週3便運行(11月6日〜12月11日、1月8日〜5月29日は運休)

▼アンデルセン生誕200年アジア事務局
http://www.medialynx.co.jp/andersen/

▼鉄道パス&乗車券
http://www.arukikata.co.jp/eurail/

野田 隆(のだ たかし)
名古屋市出身。東京都内の高校で、英語とドイツ語・ドイツ文化を担当するかたわら、休暇を利用してヨーロッパを旅し、紀行エッセイや記事・写真などを発表している。
日本旅行作家協会理事。著書に『ドイツ=鉄道旅物語』(知恵の森文庫)『ヨーロッパ鉄道旅行の魅力』(平凡社新書)『地球の歩き方 BYTRAIN ドイツ&オーストリア鉄道の旅(共著)』(ダイヤモンド社)など
http://homepage3.nifty.com/nodatch/
2005年07月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部