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ヨーロッパ、夏列車の旅。この夏、厳選7ラインDイタリア北イタリアの単線を走るローカル線の味わい


イタリアとスイスを列車で結ぶ主なルートには、キアッソを経由するゴッタルドルートとドモドッソーラを経由するシンプロンルートがある。そのどちらもミラノが起点となっているが、実はそれ以外にもドモドッソーラまで、ノヴァーラからローカル線が出ている。この路線は旅客列車の本数も多くなく、通常では使わないルートであるが、時間に余裕があり、かつスイスとの間の移動に変化を求めるなら、是非お勧めしたいローカル線の旅である。

写真・文=橋爪智之

シンプロントンネルを抜けて
ブリーク>ドモドッソーラ

列車はブリークを出発すると間もなくシンプロントンネルに入り、15分ほど闇の中を走る。今でこそ長大な海底トンネルなどが多数出現しているが、かつてこのシンプロントンネルは、長らく世界最長トンネルの名をほしいままにしていた。
やがてトンネルを抜けると、イタリア側の最初の駅であるイゼーレを通過する。2005年に入ってから、ブリーク〜ドモドッソーラ間に運転されていたローカル列車の本数が激減し、このイゼーレから先は代行バスによる運行が増えてしまった。元々需要が少ない区間ではあったが、移動手段が減ってしまったことは残念である。
ドモドッソーラに到着したミラノ行きのユーロシティ(EC)

ドモドッソーラに到着したミラノ行きのユーロシティ(EC)

田園風景の中をひた走る単線列車
ドモドッソーラ>オメーニャ

スイスアルプスを背後にドモドッソーラに停車中のノヴァーラ行きレジョナーレ(R)。機関車は戦前製

スイスアルプスを背後にドモドッソーラに停車中のノヴァーラ行きレジョナーレ(R)。機関車は戦前製

乗車してきたECを見送り、1番線に停車中のローカル列車に乗り換える。戦前製のクラシックな機関車が、近郊列車用に改装された急行客車を牽引するというスタイルだ。発車してしばらくするとミラノ方面への幹線から離れ、単線の線路をひた走る。列車の窓からは、のどかな田園風景とスイスアルプスの山並みが一望できる。しばらくすると線路は河を渡り、それまで対岸を走っていたミラノ方面の幹線と再び接近、並行して走っていくが、まもなく線路は右へカーブして再び河を渡り、ミラノ方面の線路と分かれる。列車は黙々と山並みの見える風景の中を走っていく。列車はやがてオメーニャに到着、この街はオルタ湖畔の街である。

車窓を彩るオルタ湖
オメーニャ>ノヴァーラ

車窓から見えるオルタ湖

車窓から見えるオルタ湖

オメーニャを出発した列車は、ペッテナスコ、オルタ・ミアジノといった湖畔の駅に停車しながら、オルタ湖畔をゆっくりと進む。木々の間から見え隠れする湖が美しい。湖水地方というとマッジョーレ湖やコモ湖などが有名であるが、規模こそ小さいものの、このオルタ湖もなかなかのもの。列車は湖を離れて平地へと下りてくると、ロンバルディア地方の田園地帯を軽やかな足取りで疾走する。山から湖、そして平地の田園風景と目まぐるしく変化する車窓風景は飽きることがない。やがてアローナからの線路がこちらと合流する頃、ノヴァーラに到着する。

ミラノへの疾走
ノヴァーラ>ミラノ

ノヴァーラに到着したミラノ行のインテル・レジョナーレ(IR)

ノヴァーラに到着したミラノ行のインテル・レジョナーレ(IR)

トラムが走るミラノの街並み

トラムが走るミラノの街並み

駅構内の端っこの方にひっそりと到着したドモドッソーラからのローカル列車を降り、ミラノ行きのIRの到着ホームへ移動する。10分の遅れでトリノからのIRがようやく到着。列車は込んでいたが、運良く空席が見つかった。ほっとする暇もなく、IRは壊れんばかりの猛スピードで田園地帯をミラノへ向けて疾走しミラノ中央駅に到着した。驚いたことに、通常40分程度の行程のなかで、先ほどの遅れをほとんど取り戻していた。

DATA
ブリークからドモドッソーラまでは、ユーロシティ(EC)、全席指定のチサルピーノ(CIS)、各駅停車のレジョナーレ(R)で移動可能。本数は1時間に1便〜2便程度(夏期スケジュール)。所要時間は、30〜40分程度。
ドモドッソーラからノヴァーラまでは、各駅停車のRegionale(R)もしくはインテル・レジョナーレ(IR)で1時間15分から1時間50分程度。本数は1日9便。ただし土日や祝日は減便する。ノヴァーラからミラノまでは、インテルシティ(IC)、インテル・レジョナーレ(IR)もしくは近郊列車で移動可能。本数は1時間に1便〜3便程度(夏期スケジュール)。所要時間は、30〜50分程度。
2005年07月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部