●ルネッサンス様式の建築が美しい水辺の町、テルチへ
午後2時半にクトナー・ホラを後にし、バスで南に下ること約2時間。テルチという南ボヘミア地方の小さな世界遺産の町に着いた。
テルチに来て、まず誰もが驚くのは町の小ささだ。町をゆっくりひと回りしても、1時間もかからない。人の気配がほとんどしないことにも驚く。12月という時期のせいもあるだろう、7,000人という少ない人口だが、その人たちが一体どこに住んでいるのだろうかと思うくらいに静かだった。その静けさが作り出す空気のなかで見るからか、ルネッサンス様式の建築物たちがますます絵のように美しく見える。ひとりでここを歩いていると、遠くへ来た感がしてしんみりと旅情が湧いてくる。誰かに絵はがきを書きたくなる町だ。
さて、夕方4時半頃テルチの見どころザハリアーシュ広場に着くと3時頃から暮れかけていた太陽がいよいよ沈むところだった。ヨーロッパの冬は暮れるのが早い。これでは写真が全然撮れない……と思っていたら、日が暮れた後の町並みが予想外にすばらしかった。クリスマス前だったので、広場の中央にはイルミネーションの点滅ときれいな飾りに思わず目を奪われる大きなクリスマスツリー。そして黄色やピンクの建物がオレンジ色の灯りでライトアップされる様子を見ていると、冬の寒さで体が冷えていくのに反比例して心はじんわりと温まっていった。
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