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セルビア
(スレムシキ・カルロブツィ、ノヴィ・サド、コヴァチツァ)

ハチミツとワインの里
スレムスキ・カルロブツィ

スレムスキ・カルロブツィとい名には馴染みがなくても、世界史を勉強された人のなかには、カルロヴィツ条約なら覚えている人もいるのではないでしょうか。スレムスキ・カルロブツィとカルロヴィツは同じ町で、1699年にオスマン帝国とハプスブルク帝国との間に歴史的な講和条約が結ばれた地として有名です。1713年には、セルビア正教会の総主教座が置かれるようになり、宗教の中心地としても発展しました。
町の中央広場にはバロック様式の建物が数多く並び、いかにも中央ヨーロッパ的な華やかさを感じさせる広場になっています。ふと近くにあるホテルを眺めてみると、壁に蜂の巣のマークと、ブドウのマークがあるのを見つけました。ここは宗教的に重要な土地であるばかりでなく、養蜂とワインでもよく知られているのだそうです。そういえばベオグラードからのバスで、ハチミツの露店を幾度か目にしました。
町の郊外にはハチミツ博物館があります。ここでは、養蜂の歴史や発展に関する展示を行っています。養蜂以外にワインの醸造も行っており、タイタニック号のワインリストにも入っていたほどの高級ワインもあるとか! 博物館を見学し、ハチミツとワインの試食試飲が終わると、見学者のなかからハチミツとワインの購入希望が続出する盛況ぶりを見せていました。

▼スレムスキ・カルロブツィ観光局のURL
http://www.karlovci.org.rs

泉の水を飲むと、再びここに戻ってこられると言われている

泉の水を飲むと、再びここに戻ってこられると言われている

ハチミツ博物館ではワインの醸造もおこなっている

ハチミツ博物館ではワインの醸造もおこなっている

美しい旧市街をそぞろ歩く
ノヴィ・サド

ベオグラードから北西に約80km。ノヴィ・サドは、ベオグラードに次ぐセルビア第2の都市で、ヴォイヴォディナ自治区の中心都市でもあります。ベオグラードと同様にドナウ川沿いに発展した町で、ドナウ川の南岸には城塞があり、都市部は北岸に広がっています。

以前スロヴァキア人の友人が、ノヴィ・サドまでは彼の住むスロヴァキアと同じ文化圏だが、ドナウ川を南に越えたとたんに、別の文化圏=バルカン文化圏とでもいえるような場所に入ったのを強く感じたと言っていたのを思い出しました。私の場合は、バルカン半島からドナウ川を北へと渡ったのですが、確かにチェコやスロヴァキア、オーストリア、ハンガリーなどに共通した雰囲気が感じられます。

町の南に建つ城塞は、かつては「ドナウのジブラルタル」とたたえられた難攻不落の要塞。現在この要塞内には歴史博物館があるほか、多くの芸術家がアトリエ兼ギャラリーを構えています。これらのギャラリーを訪ねてみれば、すてきな旅のおみやげが見つかるかもしれません。

▼ノヴィ・サド観光局のURL
http://www.novisadtourism.com/

城塞を散歩するカップル。奥にはノヴィ・サドの町並みが広がる

城塞を散歩するカップル。奥にはノヴィ・サドの町並みが広がる

町の中心自由広場に建つカトリック教会。セセッション様式の屋根が美しい

町の中心自由広場に建つカトリック教会。セセッション様式の屋根が美しい

素朴な芸術品をおみやげに
コヴァチツァ

ベオグラードから北に35kmほど行った所にあるコヴァチツァは、ナイーブアートで知られた人口7000人ほどの小さな町。ナイーブアートとは、学校などで本格的に美術を学ばない、独学によって表現された芸術で、セルビア以外ではクロアチアのザゴリエ地方などでもさかんです。自らの民族衣装に独特の文様を描いて保存するという意味合いもあったことから、ナイーブアートを手掛けるのは少数民族が多いようで、ここコヴァチツァの住民も、ほとんどが200年ほど前にスロヴァキア南部から移住してきた人たちの子孫だということでした。作品のテーマは農作業など日々の生活に関連するものから空想的な世界など、非常にバラエティー豊か。素朴さにあふれた絵は、見る人に不思議な安らぎを与えてくれます。

今回の旅では、そのナイーブアートの芸術家のなかで、ズザンナ・ヴェレスキさんの家を訪ねました。スロヴァキア人の民族衣装を身につけて迎えてくれたズザンナさん。世界各国で展覧会を開く実力がありますが、庶民的で優しい女性です。彼女の人柄を反映した作品は、心を落ち着かせてくれるものでした。

町のなかにあるバブカ・センターは、この町のナイーブアートを集めたギャラリーになっていて、さまざまな作品を展示販売していました。卵やひょうたんなどに絵を描いたもの、トウモロコシの皮で作られたかわいい人形など、おみやげにいかがですか。

▼バブカ・センターのURL
www.babka-center.com

民族衣装で迎えてくれたズザンナ・ヴェレスキさん

民族衣装で迎えてくれたズザンナ・ヴェレスキさん

バブカ・センターでは数多くのナイーブアートの作品に触れることができる

バブカ・センターでは数多くのナイーブアートの作品に触れることができる

セルビア・モンテネグロの飲み物

セルビア・モンテネグロはワインがおいしいところです。日本ではほとんど知られていませんが、イタリアとアドリア海を挟んで対岸にあるという立地からもわかるように、ワインを作る気候条件に恵まれており、2000年にもおよぶワイン作りの歴史があります。スレムスキ・カルロブツィのところでも醸造所を紹介しましたが、なかにはタイタニックのワインリストにも載っていたワインなど、高品質のワインが広く出回っており、しかも比較的安価に飲むことができます。

また、ワインと同様にセルビア・モンテネグロで広く親しまれているのが、ラキヤと呼ばれる果物から作られた蒸留酒。アルコール度数は40度以上とかなり度数の高いお酒です。ナシからできたものや、ブドウからできたものもありますが、最もよく飲まれているのは、プラムからできたシュリヴォヴィツァというラキヤ。自宅で蒸留して飲む人も多い、セルビア・モンテネグロの国民酒です。

タイタニック号のワインリストにも載っていた高級ワイン

タイタニック号のワインリストにも載っていた高級ワイン


2005年11月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部