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厳選17/ガンジス河(インド)

ガンジス河(インド)

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写真/柴田徹之 文/末武千恵

生と死を見つめるガンガーのほとり
ヒンドゥー教の聖地バナーラスで祈りを見つめる

夜明け前、私は一艘のボートを雇い、まだほの暗いガンガー(ガンジス河)へ漕ぎ出した。やがて対岸から朝日が昇り、ガートを照らし始めると、おびただしい数の巡礼者が見えてきた。人々はガンガーに向かい一心に祈りを捧げる。半身を水に浸かり頭から聖水を浴びる者、目を閉じ瞑想する者、遠方から来たのだろう、初めて浸かるガンガーに喜びの表情を浮かべる者、母親に連れられておそるおそる河に入る幼子の姿も見える。そして火葬場のガートからは白い煙が立ち上る。

バナーラスはガンガーなしには語れない町だ。ヒンドゥー教では、ガンガーそのものが神格化された女神として崇められており、この聖なる水で沐浴すればすべての罪業は浄められ、ここで死に遺灰が流されれば、輪廻から解脱できると信じられている。そのため、バナーラスを訪れる巡礼者は年間100万人を超えるという。

バナーラスが「マハーシュマシャーナ(大いなる火葬場)」の別名をもつことからもわかるように、ガートのなかには火葬場のガートもある。普通なら町外れにあるはずの火葬場が、中心地の岸辺に存在する。ここでは死は特別なことではなく、生きることと同じ日常のあたりまえのできごとだ。
布に包まれた死体は、竹の担架に乗せられて運ばれ、ガンガーの水に一度浸したあと、薪の上に乗せて荼毘に付し、遺灰をガンガーに流す。あとには何ひとつ残らない。遺灰は河を流れ、やがてヒマーラヤのふもとに還ると信じられている。
時が経つのも忘れ、そんな光景に見入る私の背中を、インドの熱い太陽がじりじりと照らし始めた。

●インド政府観光局

http://www.indiatourism.jp(英語)

【アクセス】
バナーラスへはデリーなどから飛行機が出ている。鉄道の場合デリーやコルカタ(カルカッタ)から特急が走っている。
【ツアー情報】
デリーなどの旅行会社でバナーラスが組み込まれたツアーを探すこともできるが現実的ではない。ツアーで行くなら日本発のツアーでバナーラスが組み込まれたツアーを探す。バナーラスではガンガーを案内するようなバスツアーはなく、ガイド付きで車をチャーターして観光するコースが設定されている。
2006年6月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部