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厳選26‐24/ネゲヴ(イスラエル)

ネゲヴ(イスラエル)

※地図をクリックすると拡大表示します。

写真/岩間幸司 文/岩崎歩

地球の底で見つめた
夜明けの神秘

冷え込む砂漠の朝、クレーターの端から朝日が昇り始める。たなびく雲が紫に、オレンジに変化する。するとどうだろう、沸き立つ霧が岩肌を一気に駆け下りてきた。雲のベールが大地を覆う。やがて気温が上がるとすべるようにベールははぎ取られ、差し込む太陽の光とともに岩壁の色が現れてきた。まさに「地球の夜明け」を彷彿とさせる光景だ。

東に死海とヨルダン、西にシナイ半島。イスラエルのほぼ南半分を占めるこの地域はヘブライ語で「ハ・ネゲヴ(乾いた大地)」という。ここでは草木が創り出す美しい緑こそ少ないが、白や黒、赤褐色などの帯をもつ地層が褶曲する美しい岩を見ることができる。キノコのように形成される岩、黒い拍子木のような岩、まさに地層の博覧会だ。

そのなかでも、迫力満点なのが、この大地溝帯ミツペー・ラモーンである。深さ500mにも及ぶ大絶壁。長さは40kmにわたり、その端は砂塵に遮られて見ることができない。10km対岸にも同じような絶壁が続き、巨大な地溝帯を形成している。 1億年にもわたる地殻変動と、雨や川による浸食が造り上げた、まさに奇跡としかいいようのない造形だ。まさに、「息を飲む」とはこういうことをいうのだろう。こんな砂漠の姿に出合おうとは、思いもよらなかった。

夜明けのミツペー・ラモーンは別格だが、昼の表情も捨てがたい。地溝帯の底へ降りてみれば、上から見ると陰影にしか見えなかった凹凸が、あんがい大きいということに驚く。不毛だとばかり思っていた大地には、実はさまざまな生き物が暮らしていることもわかるだろう。

ミツペー・ラモーンから紅海を目指し、国道40号線をひた走るドライブは、「ハ・ネゲヴ」の多様さを再確認するものになるだろう。旧約聖書の時代にエジプトを脱出したモーセが見た風景も、こんなものだったのだろうか。

●The Ramon Crater

http://mosaic.lk.net/g-ramon.html(英語)

【アクセス】
ミツペー・ラモーンへは、ベエル・シェヴァからバスで2時間、エイラットから3時間。
【ツアー情報】
イスラエル最南端の紅海リゾート、エイラットから各種砂漠ツアーが出ている。ベエル・シェヴァではラクダに乗ったり、砂漠のベドウィンの住居を訪ねるツアーがある。ミツペー・ラモーンのビジターセンターでは砂漠のスタディツアーの案内をしている。
2006年6月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部