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旅好き&映画好き座談会第1部:第1部:ユーザーランキングを分析(2)(2)

やっぱり気になる『アメリ』と『グラン・ブルー』

司会
ところで総合ランク4位『アメリ』の人気はどうなんでしょう。
丸山
 『アメリ』は特に日本人の人気が高いようですね。映画自体も単館で始まってあれほどブームになったのは日本だけでしょう。
アメリのカフェ・ド・ムーラン

アメリのカフェ・ド・ムーラン


鈴木
私もあの雰囲気に憧れて2度カフェを訪れています。エッフェル塔や凱旋門などもっとたくさんの観光名所を網羅していたらパリ版の『ローマの休日』になったかもしれません。ただ、作品としての評価は下がったかもしれませんが。
『グラン・ブルー』に登場したホテルのひとつグランド・アルベルゴ・カポ・タオルミーナ

『グラン・ブルー』に登場したホテルのひとつグランド・アルベルゴ・カポ・タオルミーナ

司会
2作品の共通点はどちらもある種おとぎばなしということ。これを推した人は、その世界に自分を投影させたい人が多いのでしょうか。コメントにも「主人公になりきりたかった」という発言がありますね。映画を追体験するようにパリやローマの街を歩いている。

石津
意外に低かったのが『グラン・ブルー』。もっと上かと思ってました。10数年前だったらもっと上位でしたよね。タオルミナ(シチリア)の魅力がいっぱいの映画でしたから。
河坂
1998年にロケ地となったホテルを取材したことがありますが、宿泊客ではない日本人がたくさん来てました。まさに『グラン・ブルー』詣でという感じで、観光ポイントのひとつになっていました。シチリアといえば『ニュー・シネマ・パラダイス』も高得点ですね。山間の小さな村ですが、トルナトーレ監督が惚れ込んだという雰囲気のある広場があります。また行ってみたい場所のひとつですね。
司会
やっぱり上位にくる映画の条件のひとつは主人公がその土地を愛しているということ。『サウンド・オブ・ミュージック』なんてその最たるものですし、『ライフ・イズ・ビューティフル』もイタリアへの祖国愛に溢れています。

『ニュー・シネマ・パラダイス』の舞台パラッツォ・アドリアーノ村にあるウンベルト広場

『ニュー・シネマ・パラダイス』より(C)1989 CristaldiFilm

『ニュー・シネマ・パラダイス』より (C)1989 CristaldiFilm

『ライフ・イズ・ビューティフル』より(C)MCMXCVII-Melampo Cinematografica s.r.l.-Roma

『ライフ・イズ・ビューティフル』より (C)MCMXCVII-Melampo Cinematografica s.r.l.-Roma

韓国映画は苦戦、辺境が舞台の映画は誘い度が高い?

司会
ところで、韓国映画がランクインしなかったのはウェブの読者層とマッチしなかったからでしょうか。
鈴木
ドラマも対象に含めていたらきっと韓国が上位に入ってきたでしょうね。ドラマ部門があったら『冬のソナタ』が「行ってしまった」でダントツ1位になるような気がします。韓国映画では、票数は少ないものの『シュリ』やオランダが舞台(!)の『デイジー』が入っていますね。
河坂
済州島は韓国ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』の舞台にもなっていますが、島内にある新羅ホテルには、『シュリ』の撮影で使われた通称「シュリベンチ」があって、いつも観光客でにぎわっています。
シュリベンチにはいつも人の姿が…

シュリベンチにはいつも人の姿が…

石津
韓国や中国は日本にとって近すぎるから憧れの土地にはなりにくい、ということも考えられますね。
司会
アジアだったらベトナムとかインドとかバックパッカーが探検気分で行くような所の方が人気ですね。

丸山
チベットはよかったですよ。私、秘境好きなので『クンドゥン』を観て行きたくなりました。中国映画も昔は古き良き中国しか映らなかったけれど、最近はいろいろな所でロケできるようになって少しずつ変わってきているので、これからがちょっと楽しみです。
石津
『モーターサイクル・ダイアリーズ』(南米)とか『ビフォア・サンセット』(パリ)が入っているのはうれしいびっくりでした。どちらもロードムービーの魅力がいっぱいの映画でした。また『地雷を踏んだらサヨウナラ』が入ったのは旅サイトならでは。映画サイトなら上がって来ない作品です。
丸山
でも映画を観たときすごくアンコールワットに行きたくなりましたよ。
ジャングルを行く (c)TEAM OKUYAMA 1999

ジャングルを行く
(c)TEAM OKUYAMA 1999

現地の子供たちとの交流 (c)TEAM OKUYAMA 1999

現地の子供たちとの交流
(c)TEAM OKUYAMA 1999

匂う映画って何?

司会
アンケートを採った時期との兼合いということでは、いま旬の『ダ・ヴィンチ・コード』や『かもめ食堂』が上位にきていますが、来年だったら違った結果になったかもしれませんね。
石津
 『かもめ食堂』は小説より映画の企画が先にあったらしいです。ロケ地ありきで進行したというのも面白いですね。監督がフィンランドに行きたかったのか、映画を撮りたかったのか。
鈴木
『かもめ食堂』は観終わったときにおにぎりが食べたくなりました。一緒に行った妻は絶対シナモンロールと主張しました。私が負けて、結局コーヒーショップに行きましたが……。
丸山
私はベトナム映画が好きなので『青いパパイヤ』とか『シクロ』『季節の中で』を観てから現地に行きました。映画を見終わったとき、ベトナム料理が無性に食べたくなったのを覚えています。
河坂
あっ、それ同感です。映画って匂いがないのに、ベトナム映画はすごく匂ってきますよね。
丸山
日本でベトナム料理がこんなにポピュラーになったのは映画のおかげです。きっと。
司会
ユーザーのコメントにも食べ物の話題は多いですね。『ローマの休日』のジェラート(現在はスペイン階段では食べられない!)、『アメリ』のクレーム・ブリュレ、『グラン・ブルー』のスパゲッティ、ボンゴレ・ビアンコ。
鈴木
映画を観ることによって触発され、何かをしたくなるということが確かに起こります。食欲だけでなく。小さなことも、大きなことも。
『かもめ食堂』より (C)かもめ商会 photo:高橋ヨーコ

『かもめ食堂』より  (C)かもめ商会
photo:高橋ヨーコ


2006年08月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部