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旅好き&映画好き座談会第2部:私たちが行ってしまった舞台(2)

映画と旅をめぐる新しい動きに注目

司会
話は変わりますが、今文化庁などでも映画を海外に輸出して日本を紹介するという試みが始まっています。「VISIT JAPAN」キャンペーンのツールとしているんです。各地にフィルムコミッションもできています。イギリスなども政府観光局とかが観光客誘致の有効なツールとしてすでにやっていますけど。

英国政府観光庁が作成したツール。いま《『ダ・ヴィンチ・コード』のロケーションを訪ねて》が配布中


河阪
アメリカも州によっては協力的ですし、ニュージーランド、マルタ共和国も積極的ですね。
鈴木
『スター・ウォーズ』とか『ロード・オブ・ザ・リング』はどこが舞台でもありなんだけど、やっぱりニュージーランドとかチュニジアで撮っていると知ると行ってみたいなあと思いますよね。あのスケール感はちょっと他の場所にはないですよね。
司会
ロケ地としてという意味では東欧、プラハなどもよく使われていますよね。中世ヨーロッパの雰囲気を残した街として『ミッション・インポッシブル』や『オリバー・ツイスト』『アマデウス』などにも使われました。昔どおりの画が撮れるところなんですよね。
河阪
今公開中の『ハイジ』もスロヴェニアでロケしてますよね。撮りたい画が撮れることと費用が安上がりなことが作る側には魅力ですね。
石津
これから公開予定の映画でカンヌで紹介されていた『パリ・ジュテーム』という作品は、パリ20区をそれぞれ違う監督が5、6分の短篇にしたものをまとめているんです。ひとつひとつ個性があっておもしろいんですよ。
『プライドと偏見』の舞台のひとつチェスターフィールド

『プライドと偏見』の舞台のひとつチェスターフィールド (C)OKADA HISAE

鈴木
今年クリムトを描いた作品が公開されます。彼の作品は有名でも人となりはあまり知られていませんから、この映画を観ることでより深く作品が楽しめるのではなかと期待しています。
司会
『ダ・ヴィンチ・コード』などもあれを観ることによって絵を見る楽しみが深まりましたよね。もっとも『ダ・ヴィンチ・コード』は小説のほうがより映像が立ち上がる作品でしたけど。

丸山
『嵐が丘』とか『プライドと偏見』の原作者、ジェーン・オースティンの作品もいいですよね。旅に行くとそこを舞台にした小説を読みたくなります。
石津
小説のほうが自分の頭の中でイメージする分、より旅の欲求は高まるのかなあ。でも旅行に行きたいという動機って雑誌や本に触発されることもあるでしょうけど、動いている映像を観るという意味ではテレビや映画が一番影響力があります。
司会
動員力、普及力は映画のほうが圧倒的、このワンシーンが忘れられないってことありますよね。
石津
わたしの友人の映画好きに映画のロケ地には行かないという人がいます。夢をこわすのが嫌なんですって。ここではないどこかに連れて行ってくれるもののうちバーチャルの世界が映画であり、実際の世界が旅なんだと思います。日頃のフィールドからはみだす事で異体験ができますよね。
鈴木
日常からちょっとはずれてみる。ロードムービーの話がありましたが、場所の移動だけでなく体験による成長があるんですよね。映画も旅も始まる前と終わった時では何かが違っているんです。自分の中で影響されたものがある。
司会
これだけワクワクするようなお話をうかがうと実際に映画の舞台を巡る旅に行きたくなります。でもガイドブックに紹介されていないと、旅行者は行きにくいですよね。ぜひそういう時のためにおたすけマップがほしいです。
河阪
今TIA(全米旅行産業協会)が映画の舞台になった所をポイントしたマップを作成しているんですよ。映画好きの旅行者にはうれしい情報です。こういった情報こそ『地球の歩き方』に期待されているもので、それに応えていきたいと思っています。映画も旅のナビのひとつとして楽しんでほしいですね。
TIAが行った「See America“あの映画の舞台に、ようこそ。”」キャンペーンの駅貼りポスター

TIAが行った「See America“あの映画の舞台に、ようこそ。”」キャンペーンの駅貼りポスター

2006年08月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部