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ナミビアの7不思議

ナミビアの大自然は、美しいだけではなく驚きの宝庫でもある。ここでは、ナミビアで見つけた7つの不思議なものを紹介しよう。ナミビアを訪れる機会があれば、ぜひ探してみてほしい。簡単に見つかるものもあれば、なかなか見つからないものもある。

不思議その1〜「妖精の輪」 Fairy Circle

ナミビアの乾いた大地にも雨季がある。天からの恵みは、ほんのひととき大地を緑に包む。しかし、なぜか草のまったく生えてこない場所がある。半径3〜5メートルほどの円形のハゲた土地は、フェアリー・サークル(=妖精の輪)と呼ばれる。一時世界中の注目を集めたミステリー・サークルにも似ている。
山の上から見るとよくわかる。円形脱毛症のように草木のまったく生えていない不思議な丸がある

山の上から見るとよくわかる。円形脱毛症のように草木のまったく生えていない不思議な丸がある


ミステリー・サークルは小麦が同じ方向に倒れていたりしたが、フェアリー・サークルはまったく草木が生えていない。 妖精のいたずらか? はたまた宇宙人の仕業か? それとも愉快犯なのか? だれかが丁寧に草をむしっているのか? ナミビアの砂漠の真ん中でそんなことをやってなんの意味があろう。実際のところ、地質的な問題ではないかと推測されているが、理由はまだ解明されていないそうだ。

不思議その2〜「復活草」 Wonder Bush

学名:Myrothmnus flollifolius Welw.
ほとんど雨の降らない荒地に自生する植物。生えているところを見ると、赤褐色でまるで枯れてしまっているようにも見えるが、実は生きている。英語名をResurrection Bush(=復活草)というのだが、まさにその通り。この草を水に浸してみよう。数時間経つとみるみる葉っぱが開き、緑色によみがえる。とあるヨーロッパ人観光客がお土産としてこの草を持ち帰ったが、そのことをすっかり忘れていた。数年後、ふとしたことからワンダー・ブッシュを発見した彼女は、それを水に浸したところ見事に復活したという。いつ雨が降るかわからない不毛の土地に適応するため、まったく水がなくても生きていけるという不思議な草だ。

荒地に自生しているときの姿はまるでドライフラワー

荒地に自生しているときの姿はまるでドライフラワー

数時間水に浸すと、いきいきとした緑色に復活する

数時間水に浸すと、いきいきとした緑色に復活する

不思議その3〜「奇想天外」 Welwitschia

学名:Welwitschia mirabilis
なんともけったいな和名だが、その姿を見て知るべし、不毛の砂漠に何千年も生き続けるという巨大植物。大きな株は直径2〜4mにもおよび、樹齢は2000年以上ともいわれている。何枚もの葉っぱが幾重にもねじれ折り重なりグロテスクな姿に見えるが、もとをたどればたった2枚の葉っぱにたどりつく。真偽のほどはわからないが、海中のコンブが地殻変動によって隆起した折に地上に適応したという一説もあるそうだ(本当?)。ラフレシア、オオオニバスと並び世界三大珍植物といわれるほどレアな植物で、2004年には心ない園芸マニアによって京都府植物園から盗難されるという騒ぎまで起こっている。

裸子植物のヴェルヴィッチアには雄株と雌株がある
葉っぱにある気孔から霧など空気中の水分を吸収するという

上)葉っぱにある気孔から霧など空気中の水分を吸収するという

左)裸子植物のヴェルヴィッチアには雄株と雌株がある

不思議その4〜「空腹をおさえる植物」 Hoodia

学名:Hoodia gorodonii
ナミビアの先住民であるブッシュマン(サン)が、数日にわたって獲物を追いかけるときに空腹をおさえるため食べていた植物。そう、気付いた人もいると思うが、「ダイエットに活用できるのでは」と注目されている。もちろん商品化もされており、欧米ではすでに人気のダイエットフード。ただ、生のまま食べると苦くて食べられたものではないらしい。 近頃、パリス・ヒルトンなどのセレブといわれる女性たちがペロペロなめているポップキャンディーがあるのだが、あれはパワーポップというフーディアを使ったダイエットキャンディー。ぜんぜんお腹が空かないそうだ。

サボテンのように見えるが、フーディアはサボテンではない。サボテンは中南米原産の植物で、もともとアフリカには生えていなかった

サボテンのように見えるが、フーディアはサボテンではない。サボテンは中南米原産の植物で、もともとアフリカには生えていなかった

不思議その5〜「ロウソクの樹」 Bushman's Candle

学名:Sarcocaulon crassicaule Rehm
樹皮がロウのような成分を含んでおり、火をつけるとよく燃え、白檀のお香のようないい香りを放つ。ブッシュマンが焚きつけや松明代わりに使っていたという。1980年代に世界中で大ヒットした映画の影響で、未開人のようにいわれるブッシュマンだが、彼らは身の回りすべての植物を知り尽くしていたとされる。干ばつなどの天災にあったとき、ほかの民族が次々と倒れていくなか、ブッシュマンはその知識を活用し生き抜いていたという。

枯れてカラカラに乾燥した枝はプラスチックのように硬く、よく燃える

枯れてカラカラに乾燥した枝はプラスチックのように硬く、よく燃える

自生しているブッシュマンズ・キャンドル。かわいい花が咲く
自生しているブッシュマンズ・キャンドル。かわいい花が咲く

自生しているブッシュマンズ・キャンドル。かわいい花が咲く

不思議その6〜「ほたる石」 Flourite

火の中に入れると幻想的なほの白い光を放つ不思議な石。宮崎駿のアニメ映画『天空の城ラピュタ』で登場する光る石は、もしかするとこの石をモデルにしたのではないだろうか。「ほたる石」という和名があることからわかるように、これはナミビアだけで採掘されるものではなく、一部の日本の山でも見つかる。

見た目はパッとしない石だが、火の中で輝く。それぞれの石によって光の色が少しずつ異なるという

見た目はパッとしない石だが、火の中で輝く。それぞれの石によって光の色が少しずつ異なるという


英語名のFlouriteは「流れる」という意味のラテン語を語源としているが、これは熱によって融けてしまうから。昔から鉄鉱石から鉄を取り出すときの融剤としても重用されてきた。実際、炎の中に投げ込むと「融ける」というよりも「砕け散る」。大変危険なので、あまり近づかないように注意しよう。

不思議その7〜「動く石」 Moving Stone

地質学や鉱物学の専門家を夢中にさせるナミビアの大地だが、その中でも最大の謎といわれているもののひとつが、この「動く石」。砂漠の上にある大きな石がずるずると移動しているのだ。動いている様子を見た人はいまだおらず、動く理由もいまもって解明されていない。もちろん人間が押したり引いたりした跡はないし、石によっては人間の手で動かせるような大きさではない。動いたことを証明するのは、砂漠の上に残されたわだちのみ……。

このエリアにはたくさんのムーヴィング・ストーンが見つかっている。場所は内緒

上)このエリアにはたくさんのムーヴィング・ストーンが見つかっている。場所は内緒

右)人間が足を踏み入れた砂漠は100年は元に戻らないといわれる。むやみに歩き回らないようにしたい

人間が足を踏み入れた砂漠は100年は元に戻らないといわれる。むやみに歩き回らないようにしたい
第1版 2006年9月 改版 2010年2月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部