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国立公園で出合った動物たち

国立公園で出合った動物たち

グランドティトンとイエローストーン、この2つの国立公園は、素晴らしい大自然の景観はもちろん、野生動物を間近に見るチャンスが非常に多いのも楽しみのひとつだ。毎日早起きしていたのは、動物と合うことも理由のひとつだったのだ。

バッファロー

グランドティトン、イエローストーンのどちらの公園でも平原でよく見かけることができる。そのときの天気にも印象が左右されているのかもしれないが、どちらかというとグランドティトンの方は、家畜のように穏やかで、イエローストーンの方が野生の荒々しさがあった気がする。はぐれたオスが目を血走らせ、思い詰めたような顔をして歩いているのをよく見かけた。

最初のうちはバッファローを発見すると興奮してカメラのシャッターを切りまくったものだったが、しょっちゅう見かけるので、途中からバッファローを見ても何とも思わなくなってしまった。慣れというのは恐ろしいものだ。

グランドティトンで見たバッファローは、一見、野生を感じさせない

グランドティトンで見たバッファローは、一見、野生を感じさせない

群れから追い出されたオスは、見るからに殺気立っていて車の中から見てても怖いくらいだ

群れから追い出されたオスは、見るからに殺気立っていて車の中から見てても怖いくらいだ

群れが移動し始めると、道路はしばしば通行止めになる。のんびりと開通を待つしかない

群れが移動し始めると、道路はしばしば通行止めになる。のんびりと開通を待つしかない

ムース

ムースは、鹿の仲間では最大の大きさで、オスは巨大な手のひらのような板状の角を持つ。実は、このムースを見たくて毎日早起きをして、出没ポイントに張り込んだのだが、ついに出合えなかった。メスのムースはグランドティトン国立公園のジャクソン・レイクロッジのテラスから発見。広大な平原のかなり遠くにぽつりと見えたので、撮影はせず。

この大平原のブッシュの陰からちらりと姿が・・・

この大平原のブッシュの陰からちらりと姿が・・・

プロングホーン

アンテロープとも呼ばれる。北米固有種で1属1種というユニークな動物だ。トップスピードは時速110qにもなるという北米大陸で最速の足を持つ。イエローストーン国立公園で、ムースのポイントを探して、ルーズベルトで周回道路から分かれた道に入って、平原を見回していたとき発見。幸せそうに草を食んでいた。

かわいらしい顔が印象的だった

かわいらしい顔が印象的だった

ハクトウワシ

グランドティトン国立公園のスネークリバーの川下りをしているときに、レンジャーが魚を足につかんで岸に向かうハクトウワシを発見した。羽ばたく姿はうっとりするくらいかっこよかった。岸辺に巣があるらしい。

枝に留まるワシに見とれているうちに、船はどんどん流れていく。慌てて望遠レンズに交換して撮影。船は揺れるし、みんな写真は撮りたいしで、船上はもう大騒ぎ。写真はピンボケとあいなりました。

プロなら、魚を掴んで羽ばたく姿もきっちり撮ったのでしょうが・・・

プロなら、魚を掴んで羽ばたく姿もきっちり撮ったのでしょうが・・・

ミサゴ

ミサゴとは、タカの仲間の猛禽類である。イエローストーン国立公園のグランドキャニオン、ルックアウトポイントで、断崖のてっぺんに巣を発見。父親のミサゴが、エサを口にして、悠然と旋回して帰ってくる様子を見たときは感動した。巣の位置があまりに遠く写真は撮れなかったけど、幸いにもバードウォッチャーの方がいて、望遠鏡で巣の様子を見せてくれた。お母さんと子どもが2羽。

再びエサを捕って帰ってきた父鳥の写真を撮ろうと待ち構えていたのだが、なかなか帰ってこなくて断念。母鳥も業を煮やして、巣の外に出て行ったりしていた。獲物の魚を獲るのはそう簡単ではないらしい。どこの世界もお父さんは、大変なようだ。

この断崖の上に巣があった

この断崖の上に巣があった

ペリカン/カナダガン/多くの水鳥たち

湖と川が多いこの2つの公園は、水鳥たちの楽園でもある。とくに早朝は人間の気配も少ないので、のんびりくつろぐ姿を観察できる。今回印象に残ったのは、グランドティトン国立公園・シュワバッカーロードでの水鳥たち。

水面に映る日の出の「逆さティトン」を狙ってカメラを構えている私たちの前を悠然と泳いでいたのに、日の出のシャッターチャンスが訪れると、事情を察したかのようにさっとどこかにいなくなった。水面は鏡のように静止して、僕たちは見事な「逆さティトン」を撮影することができた。

この写真は、水鳥たちが演出してくれた

この写真は、水鳥たちが演出してくれた

グリズリーベア

早朝、イエローストーン国立公園のイエローストーン・レイク湖畔の道路わきで発見。ほんとにすぐそばにいたのでびっくりした。向こうも車の出現に泡を食って、クマなのに脱兎のごとく森へ逃げていった。

まだ日の出前で辺りは暗く、かつ望遠レンズだったためボケまくりの写真ですが、臨場感だけ感じていただければと思い掲載。幸い森の方へ逃げていったけど、あの勢いでこちらに向かって来られたらえらいことだったと今にして思う。

右寄り黒っぽい影がグリズリーであります

右寄り黒っぽい影がグリズリーであります

コヨーテ

イエローストーン国立公園、夕方のハイデンバレーで。たくさんの車が停まっていて、みんなが草原の先を見つめていた。こんなときは、珍しい動物が発見された証拠だ。

我々もさっそく動物のいる方向を教えてもらって目を凝らすと、一頭のコヨーテがこちらを不思議そうに見ていた。写真を引き伸ばしてみるとちゃんと目が合ってるから不思議だ。彼には人間の群れがどのように見えているのだろう。

もとの写真をかなり拡大しています

もとの写真をかなり拡大しています

シマリス/ジリス

シマリスは、イエローストーン国立公園のグランドキャニオン周辺のトレイルを歩いていると、あちこちで駆け回っているのに出合えた。ちょろちょろとすばしこく落ち着いていることはない。ついに撮影できず。

ジリスは、シマリスよりも、人間に近いところにいたような印象がある。この写真もイエローストーン国立公園のマンモスホットスプリングスのビレッジエリアで撮影した。車が走り回るパーキング近辺だ。

見た感じも、近年、鎌倉界隈で問題になっている都市部に順応した「台湾リス」に似ている

見た感じも、近年、鎌倉界隈で問題になっている都市部に順応した「台湾リス」に似ている

イタチ? カワウソ?

グランドティトン国立公園のリーレイク周回トレイルで。湖をつなぐ流れに架かる小さな木橋を渡るときに正面衝突のように出くわした。向こうも人間が来るとは思ってなかったらしく、目を丸くして驚いて、橋から転げ落ちるように水辺に駆け下りた。

写真は撮れなかったけど、彼のびっくりした顔は、写真以上に僕の脳裏に焼きついている。

この橋の真ん中で、彼と出くわしたのだ

この橋の真ん中で、彼と出くわしたのだ

エルク/ミュールジカ

エルクもミュールジカも、公園内ではバッファローと同じくらい、よく見られる動物。いろんなところに現れたが、どこで見ても野生を感じさせないのんきな雰囲気を漂わせている。ただ早朝朝露の中に立派なオスのエルクの姿を見たときは、荘厳な雰囲気があった。

メスたちは群れていることが多かった

メスたちは群れていることが多かった

早朝、霧のたちこめる中で見たエルク。距離を置いていても、その存在感に圧倒された

早朝、霧のたちこめる中で見たエルク。距離を置いていても、その存在感に圧倒された

お花畑で駆け回っていたミュールジカ。ディズニーの世界のようでした(笑)

お花畑で駆け回っていたミュールジカ。ディズニーの世界のようでした(笑)

2006年10月