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最北端の地でのアクティビティ体験

基地はメーハムン

メーハムンMehamnはホニングスヴォーグの東北東に位置する小さな漁村だ。ヨーロッパの北端はホニングスヴォーグの北にあるマーゲロイ島のノールカップとされているが、このエリアに住む人々は、本当の北の端は本土から地続きになっているノルドキンNordkyn岬だという。メーハムンはこの岬から南東に15kmほど離れたところに位置している。


北行きの沿岸急行船がメーハムンに寄港するのは夜なので、ちょっと下船して観光を楽しむということもできないが、ここでは最果ての地で漁村ならではのアクティビティを体験できる。今回の取材では、スノーモービルと釣り、オーロラ・ウオッチングを体験することができた。順番に紹介していこう。
港の周りにカラフルな家々が並ぶメーハムン。典型的なノルウェー沿岸の漁村の景色だ

スノーモービルでオーロラ・ウオッチング

北行きの船のメーハムン到着は20:00。この日は昼間ノールカップを訪問しており、夕食は船内で済ませていたのでそのまま宿に入るのかと思っていたら、なんと夜のスノーモービルツアーに出かけるという。みんな大急ぎで荷物を置き、ツアーに参加するために着替えを行った。


夜のスノーモービルによるドライブと聞いたときはちょっと不安を感じたのだが(道から外れるとかはぐれてしまうとか)、実際にはゆっくりとしたドライブで、心配していたような大きな問題は起きなかった。昼間の走行のように景色を楽しみながらのドライブはできないが、この晩はノルウェー滞在中、最も大きく激しく動くオーロラが現れ、夜間ドライブがいっそう記憶に残るものになった。町の明かりから遠く離れた場所で見ることができたオーロラは、まるで我々のために華麗な舞いを見せてくれたように感じられた。
旅行中、最もダイナミックに活動するオーロラの姿を見ることができた

漁船に乗って釣り体験

今日は今回の旅のハイライトとも言えるアクティビティを体験できる日だ。本物の漁船でタラとキングクラブを釣りに行くのだ。船の名前はオッド・トーレODD TORE号。観光用ではなく本当に漁船として活躍してきた船で、10人も乗れば甲板はいっぱいになるほどだ。まずは、タラの漁場を目指して沖合に向かう。


タラ釣りの餌は疑似餌で、海底近くまで糸を垂らしたら少しだけ引き揚げて魚がかかるのを待つ。最初はなかなか手応えがなく、釣りはやっぱり難しいアクティビティなのかと思っていたら、ひとりが釣り上げたのを機に、まさに入れ食いという状態で次々と釣り上げることができた。大満足の釣果を得られたあとはカニの漁場へ。こちらは餌を入れた籠を引き揚げるだけなのだが、カニも大豊漁でツアーを主催しているヴィダーさんも大興奮していた。


この釣り体験はまさしく冬の北欧を体感し、地元の人々の生活ぶりも体験できるものだが、天候が悪いと辛い体験になってしまう可能性もある。昨晩のオーロラ体験もすばらしかったが、好天に恵まれたことに感謝した。
メーハムンの町をバックにしたオッド・トーレ号
この日は非常に天候に恵まれた。冬は雪で視界が悪いこともある
この日の最初の獲物は女性がGET!。なかなかのサイズです 上の魚が本日最大の獲物(約7kg)。こちらも女性が釣り上げた   昼食にはクリームシチューが振る舞われた。冷えた身体が温まる
カニ漁はみんなで力を合わせて籠を引き揚げるところから 2番目に引き揚げた籠にはカニがぎっしりと入っていた   子持ちのメスのカニ。成長の未熟な個体やメスは海に戻す
魚は船上ですぐに処理する カニも血抜きを行う   シェフがこの日最大の獲物を手にポーズしてくれた

獲物はその日の夕食に

釣りに出る前は、「釣った魚が今日の夕食。釣れなかったら晩飯はないよ」と言われていたが、この日は大漁だったため新鮮な魚とカニの料理を存分に味わうことができた。


料理はシンプルな味付けで、素材の新鮮さを感じることができるもの。カニはただ蒸しあげたものとチリソースで味付けされたものが用意され、味比べをすることができた。参加者のひとりがポン酢を持ってきていたので、地元の人も味見に参加。一緒になってわいわいと宴会が続いた。

みんなのがんばりで豪華な食卓になりました
獲れたてのカニの身の甘いこと! タラは身がほくほくでとろけそうでした   普通サイズのお皿が小さく見えます

ツアーのアレンジと宿泊施設

メーハムンでのツアーはノルディック・サファリ社がアレンジしてくれる。メーハムンもノルウェーのほかの漁村の例にもれず、漁業の衰退に頭を悩ませているそうだが、このツアーを作るヴィダーVidar Karlstadさんは、一種の村おこしという気持ちもあり、このヨーロッパ最北端の地の漁村生活が体験できるツアーを作ったそうだ。


釣りを体験できるツアーは通年で、冬はさらにスノーモービルが体験できるので、夏でも冬でも北の大自然を楽しむことができる。アクティビティはソフトなものからハードなものまで幅広く、スノーモービルツアーによっては、トロムソまでドライブする2泊3日のものもあるそうだ。


料金は参加人数とアクティビティの組み合わせによって変わるので、同社まで問い合わせを。英語が通じるので安心だ。


▼ノルディック・サファリ・ワイルドライフ・アドベンチャーズ
NORDIC SAFARI WILDLIFE ADVENTURES AS
www.nordicsafari.no

レストランは桟橋の上に造られている。海を眺めながらの朝食は格別
宿泊施設はノルウェー沿岸の伝統的な建物ロルブーだ ロルブーは6人まで宿泊できる。ウッディーな内装が素敵なリビング&ダイニング   ロルブーからは港とメーハムンの町が見渡せる

服装について

北欧の冬は緯度のわりには暖かいとは言え、内陸部に入ればマイナス20度以下になるし、気象の変化により、今回ヒルケネスで体験したようにマイナス30度以下まで気温が下がる可能性もある。アクティビティをツアーで楽しむなら防寒着のレンタルを期待できるが、やはりきちんとした防寒着を揃えておきたい。


本格的な防寒着の揃え方については、地球の歩き方Webマガジンプレ創刊号に詳しいので、そちらを参考にしてほしいが、船旅を楽しんでオーロラをちょっとだけ見たいという方のため、簡単に服装アドバイスを。


まずクルーズのときの服装だが、ドレスコードは特に設けられていないので、カジュアルな格好で問題ない。船外に出るのは停泊地での観光と乗下船時くらいなので、身軽にしていてもいいが、訪問先で極端に気温が下がったときに備え、重ね着のできる暖かい服装を揃えておいたほうがいい。下船間際は暖かい船のなかで待つことになるので、脱ぎ着ができないと大汗をかいて外に出て、身体を冷やしてしまうかもしれないからだ。


アクティビティ参加の際は、頭から爪先までカバーできる防寒着一式が準備されているので、特別な装備は不要だが、スノーモービルに乗るならメガネよりもコンタクトレンズにしておいたほうがいい。また写真を撮るなら、薄手のインナーグローブを準備しておくとカメラ操作のときも快適だ。
肌の露出部が少ないほど快適度はupする。フェイスマスクがあるといい
ヒルケネスのスノーモービルサファリでもすべての防寒具を借りることができる
2007年5月号