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デジカメでオーロラを撮影

デジカメは写りがいい

デジカメは撮影画像をその場で確認できるというメリットがあるが、ことオーロラ撮影についていえば、同じ露出を与えてもフィルムよりも感度がいいという点において大きなメリットがある。実際に撮影したデータでは、1段分から2段分近くの差が生じた。


デジカメによるオーロラの撮影は、撮影後にデータを加工できるという点でも有利だ。フィルムで撮影した場合も、フィルム面に記録された情報は見た目よりもずっと豊富なので、ある程度の補正が可能だが、デジタルデータの場合は個人の作業環境でもその補正を行うことができるという点で優れている。
ISO感度800相当、絞りF2.8、シャッター速度3秒で撮影
右上のカットを補正しただけでこんなにオーロラの表情が豊かになる   手持ちだったためシャッター速度は2秒で撮影。もう少しディテールが見えるといいのだが……   補正を行ったら劇的に改善された(Photoshop Elements 5.0の自動スマート補正を適用)

撮影に必要なもの、設定

デジカメはいくら感度がいいと言っても、手持ちで撮影できるほどのシャッター速度で撮影することはできない。三脚は必須だ。またカメラ本体も解放絞りの値がF2.8、ISO感度400相当以上の感度があり、シャッター速度が10秒近くまで設定できるものが必要だ。コンパクトタイプのデジカメならマニュアル撮影モードがないとこの条件を満たすのは難しいかもしれない。


撮影の際は画質に影響を及ぼさない程度にISO感度を上げ、シャッター速度を10秒から縮めていってディテールを写し込めるデータを求めるとよい。オーロラの発光の強弱によってシャッター速度を変える必要があるので、オーロラの光の強さに変化があったときは、その都度モニターで確認するとよい。


実際にどの程度の露出を与えるかは個々人の好みによるが、星々が鮮明に見えるくらいに露出を与えたほうが特に引き伸ばしたときにきれいに見える。そのためには星がブレないよう、地上で三脚を使って撮ったほうがいい。右側の写真は手振れにより星がブレていることを示すための作例。様子がよくわかるよう露出補正を行ったのでノイズが生じている。
クリックすると拡大画像を表示できます(約113KB)

データ別の作品例

デジカメによる撮影ではオーロラを撮影するのに短い露光時間(短いシャッター速度)でもいい説明したが、実際、どの程度の露出でどういう作品が得られるかを紹介したい。撮影に使ったカメラは高感度に強いと評判のFUJIFILMの「FinePix F30」と、マニュアル撮影設定が可能なCASIOの「EXILIM EX-Z850」。どちらも2006年春に発売されたすでに出荷されていない機種だが、撮影結果は想像以上に満足のいくものだった。


元データは3〜5MBという巨大なサイズになってしまうので、拡大画像はリサイズしたうえに元データのクオリティを著しく損ねない程度にデータの圧縮をかけている。作例にはほかのページで掲載した写真も使用した。


作例の最後に掲載したのは、すぐ左のカット(シャッター速度3秒)を補正した場合のデータ。もとデータでは見られなかったディテールが現れているが、ノイズが生じていることに注目してほしい。これならオーロラはブレてしまうが、8秒で撮影した左端のカットのほうが好ましい仕上がりだ。
FUJIFILMで撮影。ISO1600、F2.8、8秒(約281KB)
ISO400、F2.8、5秒。CASIOで撮影(約403KB) ISO400、F2.8、5秒。CASIOで撮影(約432KB)   ISO1600、F2.8、2秒。FUJIFILMで撮影(約293KB)
ISO1600、F2.8、2秒。FUJIFILMを使い手持ちで撮影(約276KB) ISO800、F2.8、3秒。FUJIFILMで撮影(約204KB)   ISO1600、F2.8、5秒。FUJIFILMで撮影(約231KB)
ISO1600、F2.8、8秒。FUJIFILMを使い船上で撮影(約243KB) ISO1600、F2.8、3秒。FUJIFILMを使い船上で撮影(約229KB)   ※参考データ:左のカットを補正しリサイズしたもの(約576KB)

撮影時の注意点

撮影結果はモニターですぐに確認できるので、写っているかどうかの確認はとても簡単。基本設定を守ればオーロラをキャッチすることは容易だ。


撮影時に注意すべき点は、バッテリの消耗。冬の北欧は想像するほど寒くないと言っても、夜の気温はマイナス10度から20度近くまで下がってしまう。バッテリはすぐに消耗してしまうので、バッテリ切れを起こしてしまわないよう注意したい。


またバッテリの消耗を防ぐためにカメラの電源を切った場合は、再び電源を入れたときにオーロラ撮影用の設定がリセットされていないかどうかを確認しておきたい。マニュアル撮影モードがあるカメラなら、最後に撮影したときの設定がそのまま残っているはずだが、バッテリを入れ換えた場合、それまでの設定がリセットされてしまうかもしれない。当日になって慌てることのないよう、事前にチェックを行い現場でも再確認したい。
屋外での撮影だとバッテリの消耗が激しい。予備バッテリを用意し、カメラをまめに保温しておきたい

動画を作ろう

デジカメ撮影のメリットや撮影例を説明してきたが、短いシャッター速度で何枚ものカットを撮影できるデジカメならではの楽しみ方もある。それは撮影画像を使ってパラパラ漫画を作る要領で動画を作ることだ。


最も簡単な方法はGIFアニメを作ることだが、画像処理ソフトのなかにはスライドショーの作成や動画の作成を行うことができるものもあり、それならDVDにして配付したりオンラインで公開したりすることもできる。Photoshop Elements 5.0の機能を使ってwmv形式のビデオ画像を作ってみたので、参考にしてほしい。実際の撮影時間は8分くらいだったが、オーロラの動きを見せるためコマ落とし撮影のように早回ししている。53カットの画像からこのビデオ(アニメ)を作ることができた。コマ数が多ければそれだけ長時間のビデオを作ることができるので、辛抱強く一定間隔で撮影を続けること。シャッター速度は5秒以下で撮影するとオーロラが比較的シャープに再現できるはずだ。
メーハムンで撮影した動画はこちらから(wmv形式で約13秒、2.19MB)
2007年5月号