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サレルノから始まる「アマルフィ海岸」の旅(2)

アマルフィ Amalfi

海から望むアマルフィの町。船の旅には酔い止めと上着を忘れずに!

海から望むアマルフィの町。船の旅には酔い止めと上着を忘れずに!

中世の海洋王国アマルフィ

1997年にユネスコ世界遺産に登録され、世界一美しい海岸線と謳われる「アマルフィ海岸」の中心地。夏場は熱い太陽と紺碧の海を求めて世界中から観光客が訪れる屈指のリゾート地だ。中世時代には海洋貿易で栄え、ピサ、ジェノバ、ヴェネツィアを凌ぐ海洋王国として名を馳せた。町の中心にあるドゥオーモにはその栄華を見て取れる。

アクセスはサレルノからバスでも行けるし、レンタカーで海を眺めながらドライブという手もあるが、個人的には、アマルフィのように山を背に海に面して開けた町へは、船でのアプローチをおすすめしたい。切り立った岩壁が連なる海岸線に突如として現れるアマルフィの町。そして船が町へ近づくにつれ、その力強さと美しさを兼ね備えた佇まいが目の前に迫ってくる感じに心が躍る。

地図 アマルフィ パラソルの花が開きはじめる4月のアマルフィビーチ

パラソルの花が開きはじめる4月のアマルフィビーチ

黄金のドゥオーモと天国の回廊

サレルノから約30分で港に到着。海岸ではまだ4月だというのにひと足早い夏を楽しんでいる観光客もちらほら。泳ぎたい気持ちを抑えてまずは町の中心地、ドゥオーモ広場へ。広場に到着すると急な階段の上から町を見下ろすように建っているドゥオーモが目に飛び込んでくる。10世紀に建てられたアマルフィのドゥオーモは、町の守護聖人聖アンドレアに捧げられたもので、地下には同聖人の遺骸も眠っている。ちなみにドゥオーモ広場にある像も聖アンドレアだ。

見学の順序はドゥオーモに隣接する「天国の回廊」から。13世紀に当時の上流階級者の墓地としてつくられたものだが、墓地らしき雰囲気はまったくない。アラブ風の連続アーチが印象的で、中庭に植えられた熱帯植物の緑と真っ白な回廊とのコントラストが美しい。その後クリプタをとおってドゥオーモ内部へと入っていく。内部は18世紀にバロック様式に改築され、ファサードは比較的新しい19世紀に装飾された。このファサードが夕暮れ時になると光輝くことから黄金のドゥオーモとも呼ばれている。

夕陽を浴びて輝くドゥオーモ。誰もが思わず足を止めてシャッターを切らずにはいられない

夕陽を浴びて輝くドゥオーモ。誰もが思わず足を止めてシャッターを切らずにはいられない

「天国の回廊」。奥の壁には聖人のフレスコ画が描かれている

「天国の回廊」。奥の壁には聖人のフレスコ画が描かれている


18世紀に改築されているため比較的新しい内部

18世紀に改築されているため比較的新しい内部

聖アンドレアの遺骸が置かれた地下のクリプタ

聖アンドレアの遺骸が置かれた地下のクリプタ

裏路地探検とおみやげ探し

アマルフィの人々の生活をのぞきたければメインストリートから一歩入った細い裏路地を散策してみよう。急な階段やくねくねした迷路のような小道は、その昔敵の侵略を防ぐために作られたといわれる。今は地元の人々の生活路だが旅行者にとってはひと時探検気分を味わえる。

それにしても階段が多い。息が上がって少し立ち止まっていると、買い物袋を持ったおばあさんに後ろからせっつかれてしまった。思わず「お先にどうぞ」と道を譲る。この町に暮らせばきっと足腰が丈夫になるに違いない。アマルフィはそれほど大きな町ではないので、散策は徒歩で充分。特に海岸通りは気持ちのいい散歩コースだ。

おみやげにはやはり名産のレモンを使ったお菓子やリモンチェッロなどのリキュールがおすすめ。生レモンもよく見かける。地元の方がおもしろいレモンの食べ方を教えてくれた。それは“塩”を付けて食べるというもの! その昔、漁師たちが水代わりにレモンを持って漁に出かけ、塩(おそらく海水だったのではないだろうか)を付けて食べたという。

想像しただけでも口の中が酸っぱしょっぱくなってくるが、実際にその食べ方でアマルフィレモンをかじってみると、意外や意外、なかなかいける。果肉が酸っぱいのに変わりはないが、塩によって皮の甘さがより引き出された感じ。スイカに塩を付ける感覚に似ているのかも? はちみつレモンならぬ塩レモン。ぜひ一度お試しあれ。

潮風が心地よい海岸通り。夏場は帽子とサングラスが必須アイテム

潮風が心地よい海岸通り。夏場は帽子とサングラスが必須アイテム

名物のレモンケーキ「デリツィア・アル・リモーネ」。中にレモンクリームが入っていておいしい。あわせてレモンジュースを頼んだら、レモンの絞り汁が出てきた……

名物のレモンケーキ「デリツィア・アル・リモーネ」。中にレモンクリームが入っていておいしい。あわせてレモンジュースを頼んだら、レモンの絞り汁が出てきた……


アマルフィのレモンは先がチュッと尖っているのが特徴。皮の甘さにびっくり!

アマルフィのレモンは先がチュッと尖っているのが特徴。皮の甘さにびっくり!

白壁に囲まれた細い裏路地。メインストリートにはない昔ながらのお菓子屋さんやかわいい雑貨屋に出合えるかも

白壁に囲まれた細い裏路地。メインストリートにはない昔ながらのお菓子屋さんやかわいい雑貨屋に出合えるかも

アマルフィは中世時代、アラブとの交易によってイタリアに初めて製紙技術を持ち込んだことでも有名。手漉きの紙は伝統工芸になっている

アマルフィは中世時代、アラブとの交易によってイタリアに初めて製紙技術を持ち込んだことでも有名。手漉きの紙は伝統工芸になっている

ポジターノ Positano

色鮮やかなポジターノの町。手前はマヨルカ焼きのクーポラを頂いたサンタ・マリア・アッスンタ教会

色鮮やかなポジターノの町。手前はマヨルカ焼きのクーポラを頂いたサンタ・マリア・アッスンタ教会

芸術家から愛される町ポジターノ

アマルフィを後にして再び船で約20分。アマルフィ海岸のなかでも特にセレブに人気のある高級リゾート地、ポジターノに到着。港近くのレストランにはハリウッドスター来店の写真が所狭しと並べられている。ポジターノには昔から多くの芸術家が住み着き作品を残したといわれている。パステルカラーの家々とマヨルカ焼きのクーポラがかわいらしい教会、そして眼下に広がる美しいティレニア海……、「絵になる風景」とはこの町のためにある言葉ではないかと思うほどのアーティステックな景観。多くの芸術家を虜にしてきた理由がわかる気がした。

リゾートファッション発祥の地

ポジターノは1960年代にシルクやレース、麻などを使った独特のリゾートファッションを作り出し注目を集めたファッションの町としても有名とか。ストリートの両脇にはたくさんのショップが軒を連ねている。セレブ好みのハイセンスなリゾート着から日本に持ち帰ってからも活躍しそうなバッグ、小物までさまざま。自分好みのリゾートファッションを探しながら町を散策するのも楽しい。

地図 ポジターノ

透明度の高いエメラルドグリーンの海がすぐそこに!

透明度の高いエメラルドグリーンの海がすぐそこに!

ナチュラルなのに個性的なポジターノファッションにトライしてみよう

ナチュラルなのに個性的なポジターノファッションにトライしてみよう


リゾート地らしいディスプレイもオシャレ!

リゾート地らしいディスプレイもオシャレ!

勇気のいる真っ白コーディネート。この透け感をどう着こなす!?

勇気のいる真っ白コーディネート。この透け感をどう着こなす!?

リゾート気分全開のキュートなサンダルがいっぱい。お値段はちょっぴりセレブ価格

リゾート気分全開のキュートなサンダルがいっぱい。お値段はちょっぴりセレブ価格


●旅のアドバイス

アマルフィ海岸の船旅はメトロ・デル・マーレMetro del Mareの利用が便利。ただし運航は夏季のみ(2007年は3月31日〜10月14日までの運航) http://www.metrodelmare.com/
2007年6月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部