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ポルトガルワインの魅力(1)

個性豊かなワインの宝庫、ポルトガル。

ポルトガルはワインの宝庫。南北に長い国土をもつポルトガルでは、地方によって異なる気候や土壌が、個性豊かなワインを育む。ポートワイン、マデイラワイン、ヴィーニョ・ヴェルデなど、ポルトガル独自のワインを味わう楽しみもある。日本人の口に合う郷土料理と一緒に珠玉のワインを召し上がれ。

今回訪問したワイナリー

生産地ごとに異なるワインの個性を知ろう。

急峻なドウロ渓谷に広がるブドウ畑

急峻なドウロ渓谷に広がるブドウ畑

リスボン近郊にあるテラス・ド・サドのブドウ畑

リスボン近郊にあるテラス・ド・サドのブドウ畑

ドウロ/DOURO

キンタ・ド・ヴァラドの赤2005年と白2006年

キンタ・ド・ヴァラドの赤2005年と白2006年

▼生産地
アルト・ドウロと呼ばれるドウロ川上流地域は、標高1000m級の山々に囲まれ、急峻な斜面を利用した段々畑にブドウ園が広がっている。ドウロはワイン生産地として酒精強化ワインのポートとスティルワインの2つの原産地管理呼称を持っており、ポートワインが4割、スティルワインが6割の生産量となっている。降雨量が少なく、寒暖の差が激しいため力強く濃厚な原料ブドウを生み出す。
▼ワインの特徴
赤は洗練された上品さ、力強い熟成による香り高さとしっかりした後味がある。白は繊細でフレッシュな香りを持つ辛口ワインで、豊かなボディが特徴。
▼こんな料理に合う
ドウロ地方のワインは比較的重厚なものが多いので、赤ワインは香草をきかせた子羊のローストやペッパーステーキなどスパイシーな肉料理。白ワインは鶏肉のガーリック風味のローストや白身魚の甘酢あんかけなど。

ヴィーニョ・ド・ポルト/Vinho de Porto

1859年創業のカレム社のポートワイン

1859年創業のカレム社のポートワイン

▼生産地
アルト・ドウロで収穫されたブドウは機械で搾り出され樽に詰められ春を待ち、その後ドウロ川の河口の街ポルトで本格的な熟成を行うが、1978年から限定地域内でも貯蔵が許されるようになった。
▼ワインの特徴
ポートワインはワインの発酵途中でブランデーを加えることで発酵を止め、ブドウの自然な甘さと果実味を残した酒精強化ワイン。熟成の方法や期間によってルビー、トゥニー、ヴィンテージに分けられる。
▼こんな料理に合う
ポートワインは、白ワインは食前酒、赤ワインは食後酒として、ちょっと冷やして飲むのが一般的である。

ダオン/DAO

葉の形を見せて種別を教えるキンタ・ドス・ロケスの醸造家ルイ・レギンガ氏

葉の形を見せて種別を教えるキンタ・ドス・ロケスの醸造家ルイ・レギンガ氏

▼生産地
ダオン地方はポルトガル中央部よりやや北でダオン川流域に広がる丘陵地帯。周囲の山々が海からの強風をさえぎり、日照に恵まれ、雨の少ない暑い夏の気候が良質のブドウを育む。作家檀一雄は、その発音が自分の姓に似ていることから愛飲したことでも有名である。また、1900年のパリ万博でポルトガルの一地方の小規模なワイナリーで造られたワインが品評会で金賞を受賞したことから世界のワイン好きから注目を集めることになった。
▼ワインの特徴
赤ワインは力強く、タンニンを充分に含み重厚な風味で、熟成ともにまろやかで香り高くなる。白は収穫量は少ないが、香り高く気品にあふれている。
▼こんな料理に合う
やや重めのダオン地方のワインにはスパイシーな料理が合う。赤ワインなら香草をきかせた鶏レバーや砂肝のロースト、焼きイワシのオリーブオイルがけ。白ワインなら鶏肉のマスタード風味やポトフなど。

バイラーダ/BAIRRADA

ダン地方の大西洋寄り、ポルトとコインブラの間に位置する。ブドウの栽培の歴史は古く建国時にまでさかのぼる。ここの赤ワインの特徴は、バガと呼ばれる小粒で濃厚な品種のブドウを使うこと。造られるワインの色も濃厚で、タンニンと酸を豊富に含んでいる。白ワインは新鮮で果実の風味の残った辛口のものが多い。

ブサコ・パレス・ホテルには、そこでしか飲めない有名なワインがある。 3代目ホテルオーナーのアルメイダ氏

ブサコ・パレス・ホテルには、そこでしか飲めない有名なワインがある。 3代目ホテルオーナーのアルメイダ氏

ヴィーニョ・ベルデ/VINHOS VERDES

産地は、ポルトガル最北部の大西洋寄りの地域。夏は涼しく、冬暖かい穏やかな気候。ベルデはポルトガル語で“緑”を意味し、ヴィーニョ・ベルデは「緑の(若い)ワイン」。製法はほかのワインとやや異なり、ブドウの完熟する1週間ほど前に収穫するため、アルコール度数が9%程度と低く、酸味が強く、微かに炭酸を含む。さわやかな口当たりでシーフードに向いている。

アレンテージョ/ALENTEJO

アレンテージョとは「テージョ川の彼方」という意味。スペイン国境近くに散在する農園では優良なブドウを造ることで知られ、一部の愛好家の間では「ポルトガルの隠れた最大の宝」と評されてきた。赤ワインは濃色、重厚でありながらまろやかな風味をもつ。白ワインはフレッシュで厚みがある。

マデイラ/MADEIRA

リスボンから南西に約1000km、大西洋に浮かぶマデイラ島。標高による気候の違いを利用して、さまざまな高貴種ブドウが栽培されているので、同じ地方で造られるワインでありながら、辛口から甘口までバラエティに富んでいる。その製法は独特で、ブランデーで強化したブドウ果汁を樽詰めし、その後摂氏約50度のエストゥファと呼ばれる乾燥炉に入れ加熱する。その加熱によって高貴な香りと芳醇な味わいを得る。ポートワインと同様の酒精強化ワインであり、食前酒、食後種として楽しみたい。

テラス・ド・サド/TERRAS DO SADO

テラス・ド・サド(サド川の岸辺)はリスボンの南、大西洋に面した地域。マスカット種から造られるモスカテル・ド・セトゥーバルと呼ばれる白ワインは香り高い甘口であり、食前酒や食後酒としても楽しめ、また、シーフードとも相性がいい。

参考資料:ポルトガル観光・貿易振興庁『ポルトガルワイン紀行』

2007年9月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部