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絶品パンとマテーラの郷土料理

おいしいパンに出合う幸せ

人の頭ほどもあるマテーラのパン。噛みしめるほどに小麦の風味が広がる

人の頭ほどもあるマテーラのパン。噛みしめるほどに小麦の風味が広がる

ホテル・サッシの朝食でいただいたマテーラのパン。イタリアの朝食の友、ヌテッラNutellaとの相性もGood

ホテル・サッシの朝食でいただいたマテーラのパン。イタリアの朝食の友、ヌテッラNutellaとの相性もGood

有名なのは世界遺産のサッシ地区だけでなく、良質な小麦の産地としても知られているマテーラ。特にマテーラのパン「Pane di Matera」は他県から買いにくる人もいるほど人気で、イタリアのI.G.P()にも認定されている。

イタリアにはフォカッチャやグリッシーニ、パネトーネなどさまざまな種類の特徴的なパンが目白押しだ。そのなかで一目置かれるマテーラのパンとはいったいどんなものなのか?・・・と思ったら、意外にもシンプルな食事パンだった。

コルネット型に高く盛り上がった表面は旨味と風味を閉じこめるためしっかりと焼かれており、厚みのある耳はパリパリというよりむしろガリガリ。だがその内側は驚くほどもっちりとしている。

それもそのはず、マテーラのパンはパスタの原料と同じデュラム・セモリナ粉で作られているのだ。材料はデュラム・セモリナ粉と水、塩、天然酵母のみ。ほのかな塩味と香ばしい小麦の甘さがあとをひくおいしさ。

I.G.P=保護指定地域表示。EUが定める食品や農産物についての特産品の認証制度。D.O.Pよりは認定の幅が広い


パンのニョッキ

パンのニョッキは器もパン!リストランテ・イル・ボルゲーゼでの一品。う〜ん、小麦三昧(笑)

パンのニョッキは器もパン!リストランテ・イル・ボルゲーゼでの一品。う〜ん、小麦三昧(笑)

イタリア人の多くは内側のモチモチした部分より、外側のガリガリのほうが好きなんだとか。一緒に食事をしたガイドのエンツォEnzoさんも、「なかの柔らかい部分はあまり食べません。耳の固いところがおいしくて好きなんです」という。

耳好きなイタリア人が多いのだろう、余った白い部分を使って作った「パンのニョッキ」という料理もある。余り部分で作られたため「貧者のニョッキ」という悲しい別名を持っているが、味は決して貧者とは言わせない豊かな小麦の風味にあふれている。考えてみれば、良質なセモリナ粉でできたパンで作ったニョッキ・・・、つまりおいしい小麦のダブル使いなわけで、おいしくないはずはない。

個人的には内側のモチモチ感がたまらなく好きだけど、さて、あなたは耳派?それとも内側派?


デュラム・セモリナといえばやっぱりパスタ

マンマの魔法の指先からものすごいスピードで生み出されるパスタたち

マンマの魔法の指先からものすごいスピードで生み出されるパスタたち

パンが良質なデュラム・セモリナ粉からつくられるというなら、当然パスタもおいしいはず。地元のレストランにも卸しているという町で一番人気のパスタ販売店、ラ・スピーガ・ドーロLa Spiga d’Oroを訪れた。家族経営のこぢんまりとしたお店だが、100%のデュラム・セモリナ粉と水のみで作られるパスタを求めて、多いときは1日200〜250人ものお客が来店するという。

販売しているパスタは店内の機械で作られているが、ご主人のお母様が特別に手作りの方法を教えてくれた。指先にほんの少し力を入れて生地を手前にくるんと巻くとカヴァテッリ。手前に引いた生地を帽子のようにひっくり返すとオレキエッテ。簡単そうに見えてなかなかコツのいる技だ。どのパスタにもベストマッチするのはカブの葉とアンチョビを使ったソースだとか。


みるみるうちにパスタの行列のできあがり

みるみるうちにパスタの行列のできあがり

カヴァテッリ作りに挑戦。猫の手のような形で手前にクルッ。不恰好なパスタを見ても「上手よ〜」と優しいマンマに感謝!

カヴァテッリ作りに挑戦。猫の手のような形で手前にクルッ。不恰好なパスタを見ても「上手よ〜」と優しいマンマに感謝!


おいしさのヒミツ

とっても仲良しのフランコさんご一家

とっても仲良しのフランコさんご一家

ご主人のフランコさんに「おいしさの秘密は?」とたずねると、「素材だね。バジリカータ州の乾燥した大地が育むおいしいデュラム・セモリナと水だけ。ほかには何もないよ」と即答。しかしちょっと間をおいて、少しはにかみながら「あとは・・・妻の愛のチカラ、かな」。出ましたのろけ回答(笑)。お店の奥で奥様のマリアさんも顔を赤らめている。パスタにも奥様にも愛情たっぷりのご主人に思わず微笑んでしまう、マテーラの幸せなパスタ屋さんでした。

ラ・スピーガ・ドーロ
La Spiga d’Oro

住所:Via Racioppi,3 Matera
Tel:(+39) 0835 389318

パスタ販売のみ。量り売りの半生パスタは日持ちしないので日本に持ち帰るなら袋詰めの乾燥パスタがおすすめ。


郷土料理に舌鼓

マテーラには粉モノ以外にもおいしい郷土料理がたっぷり。大地の恵みを堪能できるおすすめの味をズラリご紹介!

テラコッタの壺でつくる伝統的なスープ、ピニャータPignata。

羊肉と野菜をたっぷり入れ、パン生地で蓋をし6時間かけてじっくりと火を通していく。羊の旨味と野菜の甘みがたまらない


ブッラータはとろけるおいしさ。ストラッシャテッレというチーズとバターを混ぜたものをスカルモツァチーズで包んでいる

玉ねぎもマテーラの特産。オイルとビネガーに漬けてマリネ風にさっぱりといただく


パンタレオーネ Pantaleone

左上・右上・右下)テラコッタの壺でつくる伝統的なスープ、ピニャータPignata。羊肉と野菜をたっぷり入れ、パン生地で蓋をし6時間かけてじっくりと火を通していく。羊の旨味と野菜の甘みがたまらない 左下)ストラッシャテッレというチーズとバターを混ぜたものをスカルモツァチーズで包んだブッラータという名のチーズ。とろける食感は文句なしの絶品 右中)玉ねぎもマテーラの特産。オイルとビネガーに漬けてマリネ風にさっぱりといただく

パンタレオーネ
Pantaleone

アグリツーリズモ。レストランのみの利用も可能。

住所:Contrada Chiancalata 27
Tel:(+39) 0835 335239
Fax:(+39) 0835 240021
URL:http://www.agriturismopantaleonematera.it/
通年オープン。写真の壺型ピニャータは5名以上から。蓋を開けるところから見たい場合は3日前に(5名以上で)要予約。少人数の場合は深皿で同じ調理法で作ってくれる


ベリージャムをのせたリコッタチーズ。まるでデザートのような前菜

ベリージャムをのせたリコッタチーズ。まるでデザートのような前菜

マテーラ周辺のカルスト地形の岩場でしか取れないカルドンチェッリ茸を使ったオレキエッテ

マテーラ周辺のカルスト地形の岩場でしか取れないカルドンチェッリ茸を使ったオレキエッテ


県庁の方々も御用達のレストラン

県庁の方々も御用達のレストラン

リストランテ・イル・ボルゲーゼ
Ristorante il Borghese

マテーラの郷土料理が豊富に揃う。

住所:Via Lucana 198
Tel/Fax:(+39) 0835 314223
営業:12:00〜15:00、19:00〜22:30
休日:水曜
URL:http://www.ristoranteilborghese.com/


カリッカリに揚げてある乾燥ピーマン。これもマテーラ名物。苦みのある味わいがクセになりそう

カリッカリに揚げてある乾燥ピーマン。これもマテーラ名物。苦みのある味わいがクセになりそう

小海老とズッキーニソースのトロフィエ。連日食べ過ぎなのについついおかわりしてしまった絶品パスタ料理

小海老とズッキーニソースのトロフィエ。連日食べ過ぎなのについついおかわりしてしまった絶品パスタ料理

レモン皮を混ぜたリコッタチーズ入りのラビオリ。トマトソースと合わせるところが独特な一品

レモン皮を混ぜたリコッタチーズ入りのラビオリ。トマトソースと合わせるところが独特な一品


ツーリストメニューもあるが連日地元客で賑わっている人気店

ツーリストメニューもあるが連日地元客で賑わっている人気店

リストランテ・リヴェッリ
Ristorante Rivelli

洞窟風な店内で地元ならではの料理とお酒が楽しめる。

住所:Via Casalnuovo 27
Tel:(+39) 0835 311568
営業:13:00〜15:00、20:00〜23:00
休日:日曜夜、月曜
URL:http://www.ristoranterivelli.com/

2008年5月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部