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天使と悪魔的ローマの歩き方

Angels & Gemons Rome Map 天使と悪魔的ローマの歩き方 サン・ピエトロ大聖堂 サンタンジェロ城 ナヴォーナ広場 サンタ・マリア・デル・ポポロ教会 サンタ・マリア・デラ・ヴィットリア教会 パンテオン 地図を拡大する

『天使と悪魔』の舞台ローマを旅する
ガリレオの著書に隠された暗号を読み解き、
殺害の事件現場となる道しるべを辿る

天使と悪魔
『天使と悪魔』5月15日(金)公開!

2009年5月15日、超話題作『天使と悪魔』が公開される。
前作『ダ・ヴィンチ・コード』では、ハーヴァード大学の宗教象徴学の権威であるロバート・ラングドン教授が、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画に隠された暗号を解き明かすことで、事件の裏にあるキリスト教をめぐる人類史上最大のタブーに迫るものだった。ルーヴル美術館館長の殺人事件をきっかけに始まるミステリーの舞台を辿るために、ルーヴル美術館の「モナリザ」やミラノの「最後の晩餐」に世界中のファンが押し寄せたのは記憶に新しい。
ダン・ブラウンの最高傑作と謳われる『天使と悪魔』はローマが舞台。現地では原作をベースにした『天使と悪魔』の公式ツアーも催行されてきた。話題のミステリー大作は前作以上に知的好奇心と旅心を刺激する。

取材・文=斉藤博昭(映画ライター)

最初の死体が見つかる教会は、芸術作品の宝庫
サンタ・マリア・デル・ポポロ教会

サンタ・マリア・デル・ポポロ教会どこか不安定なバランスを感じさせる石造りのポポロ教会。広場を含め、この外側で撮影が行われた。

1099年、聖母マリアに捧げるために建てられた小さな教会。“悪魔の木”と言われたクルミの木から作られ、悪に対抗する聖霊の場所とされてきた。15世紀に再建。内部には計8つの礼拝堂があり、そのなかのひとつで、ラファエロが設計した「キージ礼拝堂」は、『天使と悪魔』でラングドンが探す最初のポイントとなる。カラヴァッジオの礼拝堂、ベルニーニの彫刻「ハバククと天使」などアートとして名高い作品も多数収蔵。目の前のポポロ広場にはオベリスクが立ち、その横の噴水、広場の入口であるポポロ門とともに、美しい調和をとっている。ポポロ門の最上部にある彫刻は、『天使と悪魔』でフリーメイソンのシンボルとの共通性が語られる。

教皇選挙も行うカトリックの総本山が惨劇の舞台に!
サン・ピエトロ大聖堂

サン・ピエトロ大聖堂 オベリスクを囲む、天使の顔のレリーフ「ウエスト・ポネンテ」。天使の吐く息の方向が次の殺害現場を示す。

カトリック教会の総本山、サン・ピエトロ大聖堂の前に広がる、楕円形の広場。大聖堂の建つ場所は、ローマ時代、共同墓地だった。広場は、左右に2列、計284本の柱が支える回廊に囲まれている。中央のオベリスクは1世紀にエジプトから運ばれた。大聖堂はミケランジェロの設計だが、広場はベルニーニの設計。ミサが行われる日曜には、ローマ教皇が窓から挨拶することでも知られる。大聖堂に向かって右に隣接するのがシスティーナ礼拝堂で、教皇の選挙「コンクラーベ」の際には、礼拝堂の煙突から上がる煙の色で、結果が知らされる。この広場には、『天使と悪魔』でも重要な役割を果たす、教皇警護のスイス衛兵隊が私服で任務にあたっている。

バロックの粋を集めた教会には、最も重要な彫刻が!
サンタ・マリア・デラ・ヴィットリア教会

サンタ・マリア・デラ・ヴィットリア教会 祭壇の前で磔になった枢機卿が火あぶりにされる。この衝撃シーンは、スタジオのセットで再現された。

17世紀初めに建てられたこの教会は、小さいながら、その内部にはバロック建築の特徴が凝縮されている。左右それぞれに3つの礼拝堂があり、金色に光輝く正面の祭壇も異様な魅力を放つのだ。あまりに美しい天井画を含め、教会自体が当時の人々にとって“最大の娯楽”になっていたことが顕著にわかる内装である。左側奥の礼拝堂にはベルニーニの代表作である「聖テレザの法悦」が収められ、建築と彫刻の完璧なコンビネーションに息をのむばかり。尼僧テレザが自身の日記に「火を伴う黄金の槍に貫かれた」と書いているように、神との一体感を味わった恍惚の表情が、当時は批判も受け、当初の設置場所のヴァティカンから移設されたという説もある。

噴水が作る光と影が、夜のアクションを美しく演出
ナヴォーナ広場

ナヴォーナ広場 このナヴォーナ広場でも撮影が行われた。夜のシーンなので「四大河の噴水」の陰影が美しく収められている

車の進入が規制され、3つの噴水の水音に満ちた、市民や観光客の憩いの場。もともとここは、1世紀の後半、競技場が建設された場所で、その後、市場としても賑わった。「ムーア人の噴水」「ネプチューンの噴水」も美しいが、最も有名なのが、ベルニーニの代表作である「四大河の噴水」。四方向に、それぞれナイル、ガンジス、ドナウ、ラプラタという川を象徴した彫刻が施されている。そこにはキリスト教が世界に君臨したとの意味も込められた。ライオンやワニの彫刻が形成する光と影のバランスにバロックの特徴が顕著だ。中央に立つオベリスクの先端には、『天使と悪魔』にも書かれたように、オリーブの枝をくわえた鳩の彫刻がたたずむ。

ヴァティカンへの通路もある城が、秘密結社のアジトに
サンタンジェロ城

サンタンジェロ城 イルミナティのアジトとなるこの城では、入口と橋で一晩、城内部で一晩という強行軍での撮影が行われた。

2世紀にローマ皇帝の霊廟として建てられ、その後は要塞、教皇の避難場所、教会に背いた者の牢獄と、多くの役割を担ってきた。ローマの人口の半分がペストで亡くなった590年、ここに大天使ミカエルが現れ、剣を鞘に収めて疫病の終息を告げたと言われる。現在、城の内部は国立博物館となり、15〜16世紀の貴重な家具なども展示されている。城壁の上にはヴァティカンと直結する避難通路があり、度重なる修繕によって、城内には無数の隠し部屋や秘密の入口が存在するとの噂もある。敷地が五芒星の形をしているのも特徴的だ。正面のテヴェレ川に掛かるサンタンジェロ橋には、天使の像が並び、そのうち2体はベルニーニがデザインしたもの。

連続殺人への手がかりを示す、人気の観光スポット
パンテオン

パンテオン パンテオン前のロトンダ広場では、撮影中のトム・ハンクスらを、何百人もの見物人が取り囲んだという。

世界最大の石造り建築で、現存するローマ建築のなかで、原型を完全にとどめている遺構のひとつ。ローマでも最も人気の高い観光スポットである。紀元前27年に建設され、焼失後、118年に再建。7世紀には聖母と殉教者をまつる教会となった。ローマ最古のカトリック教会堂と言われる。1975年までは、自立構造のドームとして世界最大を誇り、球形の天井にある直径9mの天窓から太陽光が降り注ぐ。『天使と悪魔』では、ラングドンがこの天窓を“悪魔の穴”と勘違いする。7つの壁龕と8つの小祭壇があり、イタリア国王やラファエロの棺が収められている。そのラファエロのラストネーム「サンティ」は『天使と悪魔』の重要なキーワードとなる。


映画データ

STORY

秘密結社イルミナティがヴァティカンの壊滅をもくろみ、強大な破壊力を持つ反物質を仕掛けた。爆発のタイムリミットが迫る一方で、新教皇の選出を控えたヴァティカンから有力候補の枢機卿4人が拉致され、殺害予告がもたらされる。ラングドン教授はイルミナティの凶行を阻止できるのか…。

天使と悪魔 ポスター

「天使と悪魔」作品データ

原題:
Angels & Demons
監督:
ロン・ハワード
原作・製作総指揮:
ダン・ブラウン
製作:
ブライアン・グレイザー、ジョン・キャリー
脚本:
アキヴァ・ゴールズマン、デイビッド・コープ
出演:


トム・ハンクス、ユアン・マクレガー、アイェレット・ゾラー、ステラン・スカーズガード、ピアフランセスコ・ファビーノ
配給:
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

「天使と悪魔」公式サイト

http://angel-demon.jp 2009年5月15日(金)全世界同時公開!

2009年4月