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ブレイク間近!国際エミー賞受賞のマリアム・ハッソーニに聞く<異文化への旅>

1985年アムステルダム生まれ。両親ともにモロッコ人。オランダの新星として、国際的な活躍も期待されている。

マリアム・ハッソーニ:1985年アムステルダム生まれ。両親ともにモロッコ人。アムステルダム自由大学で法科を専攻。2005年にはTV映画「犠牲」で若いテロリストを演じ国際エミー賞主演女優賞を獲得。オランダの新星として、今後国際的な活躍も期待されている。

異文化に飛び込む旅でふたりの友情が試されます。

アムステルダムに住む生粋のオランダ娘デイジーと、モロッコ系オランダ人のドゥーニャの日常を描いた人気TVシリーズ「ドゥーニャとデイジー」。3年に亘り3シリーズが放送され、奔放でお騒がせなデイジーと、厳格なイスラム家庭で育ったしっかり者のドゥーニャはオランダでは知らない者がいないほどの人気キャラとなった。シリーズが終了して3年。映画版として戻ってきたふたりのモロッコへの旅物語は、『おくりびと』がオスカーを獲得したアカデミー賞外国語映画賞のオランダ代表作に選ばれている。

性格は正反対だけど大親友のふたり

性格は正反対だけど大親友のふたり


「テレビシリーズの頃は私も15,16歳だったし、ふたりの間の話題も、彼氏の話だったり、親とのケンカだったり、タバコを吸ってみようか、とか、そんな日常の小さな出来事が中心でした。でも映画では、彼女たちも成長して18歳になっていた。そこで自分は誰なんだろう、どこから来たのだろう、という自分への問いかけが生まれてきたのですね」

オランダでは18歳が成人の年齢。イスラム教徒のドゥーニャの家庭では、彼女に従兄弟との結婚話が持ち上がり、一方デイジーはボーイフレンドの子供を妊娠するが、彼は結婚には逃げ腰だ。女性は大学へ行く必要はなく、顔も知らない親戚との見合い結婚も当たり前というイスラム家庭で育ったドゥーニャは、それもひとつの選択肢と考え見合い相手に会うため家族とともにモロッコへ旅立つ。一方シングルマザーとして自分を育てた母に、自分は望まれて生まれてきたのかと問い詰めたデイジーは、モロッコにいる父親を探すため、ドゥーニャを頼って家出してしまう。女の子の成長物語として描かれる映画の中にしっかりと現代のオランダのある一面が写しこまれているのが、アカデミー賞外国語映画賞オランダ代表作となった理由だろう。もちろんそんなバッググラウンドは抜きして、私たちはふたりと一緒にモロッコを旅した気分になってしまうのだけれど…。


「デイジーのおかげで、置き引きにあって荷物を全部盗まれてしまったり、病院で夜を明かすはめになったり、ドゥーニャはもうホントに散々な目にあいますよね(笑)。でもドゥーニャも宿選びには失敗してしまい、デイジーと大ゲンカになってしまう。私もパリに友人と旅行に行った時に、途中で決裂してしまったことがあります。でも10分後にはお互いのことが心配になって探し回りました。だから旅の途中でケンカしてしまったふたりの気持ちもすごくよくわかるのです(笑)」

オランダという西洋文化の常識が通じないイスラムの世界に放り込まれたふたりは、異文化の洗礼を見事に浴びてしまうのだ。

「物の値段ひとつとっても、モロッコでは言い値で買うということはしません。ヨーロッパではもうあまり値切るとい行為をしなくなっていますが、本当は消費者の権利としてやってもいいことだと思うんですよね」

アムステルダム自由大学で法律を学んだマリアムの異文化への視点はとても論理的。価格設定のための交渉が前提のための値付けがなされている文化と、店頭価格はその物の適価が表示されていると信じて疑わない文化。そんな自分の「当たり前」が通用しない経験もまた旅ならではの醍醐味なのだろう。

「デイジーとドゥーニャは全く正反対の性格です。だから異文化に飛びこんだ時、ふたりの友情は試されたんだと思います。ただお互いが好きでいるというだけでなく、文句がある時にここはイヤだ、どうしてこうなのといえる関係、ケンカをしたとしても相手を認めて戻ってこられるような関係が親友だと思うんですよね」

モロッコに移住した父親を探すデイジーに引っ張られるように、旅を始めたドゥーニャは次第にモロッコ人としてのアイデンティティーに目覚めていく。泣いて笑って怒って喜んで…。ふたりの心の旅につきあっていくうちに、いつしか自分も彼女たちの友達のような気持ちになってくるハートウォーミングなロードムービーだ。


お騒がせデイジーに学ぶモロッコ旅の心得

ロケ地はカサブランカから約30km西にあるダール・ブアッザ海岸

ロケ地はカサブランカから約30km西にあるダール・ブアッザ海岸

イスラムの文化への敬意を忘れずに!

モロッコはイスラム教国。女性が肌をさらすことは禁じられているため、たとえビーチでもデイジーのようなビキニはありえません! モスクなど宗教的な施設では長袖かショール、スカートなら膝下丈のものが望ましい。相手の文化へ敬意を払うことを忘れずに。


慣れない場所で観光客然として歩いていると狙われやすい

慣れない場所で観光客然として歩いていると狙われやすい

ノーと言える気概を大切に!

無防備に旅行者然として振舞っていると自称ガイドや客引きなど怪しげな人が寄ってくる ことも。また気軽に甘い言葉で日本人女性を口説いてくる男性は要注意。イヤなことには 毅然とした態度でノーという気概を大切に。


2009年10月

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地球の歩き方ガイドブック 編集部