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『かもめ食堂』『めがね』の荻上監督作品 映画『トイレット』のロケ地、トロントで地球をひとっ飛びして映画の世界に浸る

■デイビッド・レンドル/David Rendall

1986年、カナダ、トロント生まれ。16歳で舞台にデビューして以来、テレビドラマを中心に俳優として活躍するかたわら、自ら監督・脚本を手掛けた作品もある。『トイレット』が本格的な映画デビュー作となる。アーティストやミュージシャンとしても活動中。

大ヒット映画『かもめ食堂』と『めがね』で監督を務めた萩上直子監督の最新作『トイレット』。全編をカナダのトロントで撮影を行い、メインキャストも映画に登場する唯一の日本人であるばーちゃん(もたいまさこ)以外は、すべて現地でオーディションを行い、カナダ人の若手俳優を起用した。メインキャストのひとりであるモリーことデイビッド・レンドルさんにインタビューを行い、映画のロケ地であるトロントの魅力を聞いてみた。

取材・文=田中健作(地球の歩き方『カナダ』編、『カナダ東部』編集担当) 写真=小坂伸一(地球の歩き方編集部)

デイビッド・レンドル インタビュー:「トロントって、歩くだけで世界中を旅している気分になれる街なんです」

トロントは、五大湖のひとつ、オンタリオ湖に面したカナダ最大の都市。街のランドマークは、高さ553.33mのCNタワーだ

トロントは、五大湖のひとつ、オンタリオ湖に面したカナダ最大の都市。街のランドマークは、高さ553.33mのCNタワーだ

北米のプロスポーツも盛ん。こちらは、メジャーリーグに属するトロント・ブルージェイズのホームスタジアム、ロジャース・センター

北米のプロスポーツも盛ん。こちらは、メジャーリーグに属するトロント・ブルージェイズのホームスタジアム、ロジャース・センター

新旧さまざまな建物が並ぶ街並み

新旧さまざまな建物が並ぶ街並み

中国語の看板があふれるチャイナタウン。市内にはほかにもリトル・イタリーやコリアタウン、グリークタウンなど80を越えるエスニックタウンがある

中国語の看板があふれるチャイナタウン。市内にはほかにもリトル・イタリーやコリアタウン、グリークタウンなど80を越えるエスニックタウンがある

カラフルな建物が並ぶケンジントン・マーケット

カラフルな建物が並ぶケンジントン・マーケット

トロントにはたくさんのマーケットがある。市内最大の屋内マーケット、セント・ローレンス・マーケットにて

トロントにはたくさんのマーケットがある。市内最大の屋内マーケット、セント・ローレンス・マーケットにて

(C)David Rendallデイビットさんおすすめの公園、ダファリン・グローブ・パーク。

(C)David Rendall 
デイビットさんおすすめの公園、ダファリン・グローブ・パーク。

ダファリン・グローブ・パーク(Dufferin Grove Park)です。 市内で僕が好きな公園のひとつで、しょっちゅう行ってます。 大きな公園で、とてもいいところです。木の下で昼寝したり、公園で 行われる数多くのイベントに出かけたりするのが好きです。 劇場やファーマーズマーケット、スポーツ、キャンプファイア、音楽、 他にも色々なイベントなどがあります。 特に最高なのはファーマーズマーケットで、食べ物も集まる人々も すばらしいですよ。

Q まず、トロントという街について教えてください
トロントは、世界各国の移民が暮らすコスモポリタン・シティです。街には各国の移民たちが集まって形成したコミュニティ、エスニックタウンがたくさんあって、通りを数ブロック歩くだけでがらりと町並みが変わります。ひとつの街にいながら、世界中を旅行しているような気分になれるんです。
Q トロントは移民の集まりということですが、デイビッドさんも移民なのですか?
はい。父方はルーマニア系、母方はイギリスとリトアニア系です。ただし、僕はカナダで生まれた移民2世なので、カナダ以外の国については実はよく分からないんです。世界各国の移民が暮らすというのも、僕にとっては普通の感覚なんですよ。
Q トロントのエスニックタウンで、よく行く場所はありますか?
チャイナタウンにはよく行きますね。たくさんの中華料理のレストランがあって、どこもおいしいので、トロントに来たらぜひ行ってみてください。僕はベジタリアンなのですが、ベジタリアンでもOKな中華料理もあったりして、バリエーションが豊富なのもいいところですね。
Q もし、日本人の友達がトロントに来たら、どこに連れて行きたいですか?
僕が住んでいるポルトガル人街というエスニックタウンのそばに、ダファリン・グローブ・パークDufferin Globe Parkという公園があるのですが、まずはここに連れて行きたいですね。とても広い公園で、休日にはいろいろなイベントの会場になります。地元農家の人たちが自作の農作物を売るファーマーズマーケットも開かれたりして、とびきり新鮮な食べ物が手に入ります。イベントが何もない日に、木の下でのんびり昼寝するのも最高ですよ!
Q トロントにはエスニックタウン以外にも個性的なエリアがたくさんありますが、おすすめの場所はありますか?
ケンジントン・マーケットとアネックスが特におすすめです。ケンジントンはヴァンテージ古着を扱うショップが並ぶエリアで、日曜日には歩行者天国になります。通りにはマーケットなども出て、にぎやかでとにかく楽しい場所です。小さくておしゃれなカフェも多いので、のんびりお茶するのもいいですよ。ケンジントンのカフェでは、特にideal coffeeがおすすめですね。アネックスでは、アネックス・シアターに行ってみてください。ここでは、スタッフたちがセレクトした新旧さまざまな映画を上映していてます。アネックスにも、おしゃれなカフェがたくさんあります。
Q 最後に、映画について聞かせてください。今までもテレビドラマなどで活躍されていますが、今回の映画のオーディションを受けようと思ったのはなぜですか?
脚本に惹かれたというのが第一です。脚本を読んで感じた、映画全体のゆるやかなトーンと空気感に魅力を感じました。脚本・監督が日本人というのも、僕にとってはとても魅力的でした。カナダと日本という異なる文化のコラボレーションがどのような作品を生み出すのか、自分自身興味があったんです。この作品は、日本人監督の脚本と、カナダ人スタッフの合作。アーティスティックで、でも優しくて……。とても素敵な作品になったと思っています。
デイビッド・レンドル/David Rendall デイビッド・レンドル/David Rendall デイビッド・レンドル/David Rendall デイビッド・レンドル/David Rendall デイビッド・レンドル/David Rendall デイビッド・レンドル/David Rendall デイビッド・レンドル/David Rendall デイビッド・レンドル/David Rendallデイビッド・レンドル/David Rendallデイビッド・レンドル/David Rendall

便器型のロボット<GMAX ROBO> 携帯ストラップ

デイビットさんが手に載せているのは便器型のロボット<GMAX ROBO>の携帯ストラップ。最新の超節水タイプの便器の性能をアピールするために販売店向けに製作されたノヴェリティでありながら、13万個の配付数という隠れたヒット商品。耳にぶら下げているのはリサイクル材料で作られた、まさに金ウンストラップ。いずれも非売品

取材を終えて

言葉や文化を乗り越えて、お互いを尊重しながら暮らす家族。これって、僕がトロントに抱いているイメージとぴったり。このテーマの映画がトロントで撮られることになったのは、運命だったのかもしれませんね……。 トロントは、世界の縮図。各国の文化や人種が入り乱れながらも混じり合うことがない、刺激的な街。映画の空気感が確かに感じられます。

映画『トイレット』作品データ

母の死去をきっかけに同居することになった4人の家族

母の死去をきっかけに同居することになった4人の家族

●脚本・監督:
萩上直子
●エグゼクティブプロデューサー:
尾越浩文
●プロデューサー:
小室秀一、木幡久美、ショーン・バックリー
●キャスト:
アレックス・ハウス(レイ)、タチアナ・マズラニー(リサ)、デイビッド・レンドル(モーリー)、サチ・パーカー(謎の女性)、もたいまさこ(ばーちゃん)
●制作:
パラダイス・カフェ、バックプロダクションズ
●特別協賛:
TOTO
●配給:
ショウゲート/スールキートス

★2010年8月28日(土)、新宿ピカデリー、銀座テアトルシネマ、渋谷シネクイントほか全国ロードショー

あらすじ

 「人生は退屈の繰り返しに耐え忍ぶことだと思う」をモットーとし、誰とも深く関わり合わない人生を送ってきたロボット型プラモデルオタクの次男レイと、心の病をかかえ4年間ひきこもりを続ける長男モリー、勝ち気な妹のリサの3人が、母親の死去をきっかけに一緒に暮らすことになる。母親が3人に残したものは、「たいして大きくもない家」と、猫の「センセー」、そして死ぬ直前に日本から呼び寄せた自分の母親である「ばーちゃん」だった。 バラバラに生きてきた3人の兄弟と、英語を話せず、自室にこもりきりで毎朝トイレの後に深いため息をつくばーちゃん……。最初はうまくいかなかった4人の生活だが、ばーちゃんの無言の支えにより外の世界との結びつきを取り戻し、さらには家族としての絆を強めていくことになる。 タイトルのトイレットは、世界中の誰もが使う生活必需品だが、国や文化の違いにより様式も多種多様。3人の若者とばーちゃんが言葉や文化、性格の違いを乗り越えて繋がっていく様子を現すのに、ぴったりなタイトルとなっている。

モーリーは元ピアノ奏者。過去のトラウマからピアノが弾けない日々が続いていたが……

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引きこもりだったモーリーが、外の世界に出るためのお金を貸して欲しいとばーちゃんにお願いしている

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ばーちゃんが3人のために作った餃子で、家族みんなでパーティーを開く

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無言を貫く謎の女性を、『西の魔女が死んだ』で主演を務めたサチ・パーカーさんが演じている

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※写真は全て(C)2010“トイレット”フィルムパートナーズ

2010年07月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部