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ルーベンス憂愁、アントワープ。 Antwerpen

アントワープ中央駅に降り立つだけで。
この街で何かと出会いそうな予感がする。
そしてこの地は、ルーベンスが活躍した街。
彼の残した偉業がそこかしこに残り、
町全体が力強いメッセージを放っている。

アントワープ中央駅 聖パウルス教会市庁舎とブラボーの像 ロコックスの家ルーベンスの家 プランタン=モレトゥス博物館 ノートルダム大寺院 チョコレート店 ルーベンスデザインの教会 おいしいアントワープ スタッツフェーストザール 旧市街の隠れ家ホテル

鉄道の大聖堂、アントワープ中央駅

アントワープ中央駅は、 その荘厳であり重厚なデザインで人を引きつける。その偉容から<鉄道の大聖堂>と呼 ばれ、重要文化財にも指定されている。ドームやターミナルの設計はブルージュ出身の建築家Louis Delacenserieによるもの。彼はオステンドの聖ピーターとポール教会も設計している。構内には壮麗なインテリアの落ち着い た雰囲気のカフェ(写真:右)がある。


市庁舎とブラボーの像

グローテ・マルクトの市庁舎前のブラボーの噴水は、アントワープの彫刻家ジェフ・ランボーの作品。 巨人アンチゴノスを青年ブラボーが退治して、その手を切り取ってスヘルデ川に投げ込んだという伝説を表している。

アントワープ(アントウェルペン)という地名の由来には諸説あるが、ブラボーの伝説もそのひとつ。 オランダ語で「手を投げる(ant werpen)」 という言葉がなまってアントウェルペンとなったというものである。

ルーベンスの家 Rubenshuis

ルーベンスがイタリアから戻った2年後の1610年に購入し、1640年に没するまでの29年間住み続けた邸宅兼アトリエ(工房)である。1837年に廃墟に近かった建物をアントワープ市が購入、修復して公開した。館内の各部屋は当時そのままに再現されている。ルーベンスが弟子たち一緒に制作に励んだアトリエには、買い手が制作風景を眺められるように、手摺の付いた中2階(写真:右)が設けられた。館内には二番目の妻エレーヌ・フールマンの肖像画やルーベンスの自画像も展示されている。

Rubenshuis

Peter Paul Rubens (1577-1640)

ルーベンスは17世紀のフランドル・バロックを代表する画家であり、外交官としても活躍した。邸宅兼アトリエであるルーベンスの家では2000点を超える作品が生み出された。

Peter Paul Rubens(1577-1460)

『キリスト降架』のあるアントワープ聖母大聖堂(ノートルダム大寺院)

アントワープ聖母大聖堂を訪れるほとんどの日本人観光客の目的は、ルーベンスの描いた祭壇画『キリスト昇架』『キリスト降架』(写真:左上)である。それは『フランダースの犬』のネロ少年が憧れていたあの絵だ。ルーベンス作の『復活』『聖母昇天』そして『キリスト降架』の裏にある『聖クリストフ』(写真:右上)も忘れずに鑑賞しよう。『フランダースの犬』が、現地ではほとんど知られていなかったという話は有名である。日本人の「フランダースの犬」詣でのおかげで、ネロ が暮らしていたアントワープ近郊のホーボーケン村も注目されている。


ルーベンスデザインの教会

聖カルロス・ボロメウス教会は、1621年イエズス会によって建てられたもので、ファサード装飾にルーベンスが携わったことで有名である。内装や絵画もルーベンスが手がけたが、1718年、落雷による火事で内部のほとんどが焼失した。ファサードの中央には、IHSの文字が入ったイエズス会の紋章(写真:下)が見える。

スタッツフェーストザール

スタッツフェーストザールはメインストリートのメイールに新しくできたショッピングセンター。新古典主義様式の建物の中にブランドショップが並ぶ。モダンなデザインのシャンパンバーも入っている。

STADSFEESTZAAL


聖パウルス教会

1276年にドミニコ会修道院の教会として建築が開始された。幾度となく火災にみまわれ、1968年の大火災(写真:右下)で建物の多くが消失し、現在は17世紀に建造された教会の部分が残っているのみである。白と黒の大理石で作られた祭壇はベルギー位置の高さを誇るものであり、教会の北廊には、ルーベンスの『鞭打たれるキリスト』を始めとしてヴァン・ダイク、ヨルダーンスなどルーベンス派の絵画が並ぶ(写真:左下)ようすは壮観である。


ルーベンスのパトロン、ロコックスの家

初代アントワープ市長であり、ルーベンスの友人そしてパトロンであったニコラス・ロコックスの家。古典的なフレミッシュ様式の建物で、1603年から1640年の間、ロコックスと家族が住んだ邸宅である。ロコックスは熱心なコレクターであったため、ルーベンス、ファン・ダイク、ピーテル・ブリューゲル2世などの絵画がのこされている。絵画のほかには、17世紀当時の調度品や彫刻などのコレクションが展示されている。所蔵するルーベンス作品には、ロコックスの肖像画(写真:下)のほか『眠る幼子に礼拝する聖母マリア』(写真:右上)『十字架のキリスト』(写真:左下)がある。

Rockoxhuis


世界遺産プランタン=モレトゥス博物館

プランタン = モレトゥス博物館は、16世紀の印刷所跡や邸宅を利用し、当時の印刷技術や出版に関連した設備、そして貴重な出版物を多数所蔵する、世界的に有名な印刷出版の博物館である。1549年アントワープに移住したプランタンが購入した、邸宅と印刷工房が起源である。彼の興した活版印刷業は時流に乗り、ネーデルランド最大の印刷・出版社となり、1605年には、ヨーロッパ発の活版印刷の新聞が発行されている。同博物館は「プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体」として、2005年に世界遺産に登録された。


MUSEUM PLANTIN MORETUS


※プランタンは、フランス人印刷業者クリストフ・プランタンの姓であり、 モレトゥスは共同 事業者で娘婿のヤン・モレントルフのラテン名に由来する。

ブルージュ生まれのチョコレート店、チョコレート・ライン

チョコレート・ラインは、独創的な商品開発に 余念のないショコラティエのドミニク・ペル スーン氏(写真:左上)の話題のお店。シソ、 わさびの入ったチョコレートなど未知の味に挑 戦する一方で、吸引して楽しむ粉末チョコ(吸 引機も開発)、リップステックタイプのチョコ レートなども商品化している。その推進力に なっているのは好奇心と遊び心に違いなく、い たずらを思いついた子供のような輝い瞳が印象 的だった。ここアントワープ店はブルージュ店 に続く2号店。宮殿を改装したゴージャスな空 間の中に、さまざまな種類のチョコレートが、 宝石のように並んでいる。

THE CHOCOLATE LINE ANTWERP



おいしいアントワープ コスモポリタンはおいしいもので溢れている。アントワープで美味探訪。

GOOSSENS

ゴーセンスは1884年創業の人気ナンバー・ワンのパン屋さんで、棚にはさまざまな種類の焼きたてのパンが並ぶ。<ロッヘフェルドゥムメケ>は、レーズン入りのライ麦パン(写真:上)で、店の名物のひとつ。

PHILIP'S BISCUITS

フィリップス・ビスケッツはアントワープで評判のビスケット専門店。豪華客船とアントワープの地名の由来となっているブラボーのイラスト付きの缶入りクッキー(写真:上)はお土産にぴったり。

GUNTHER WATTE

日本では手に入らないとっておきのチョコレートをお探しなら、話題のヒュンター・ ワッテへ。2007年6月創業、アントワープ生まれの新しいショコラトリーで、カフェも併設している。

旧市街の隠れ家ホテル

ホテル・ジュリアンは、アントワープ聖母大聖堂近くの歴史的建造物を利用し、現代的な内装と設備で改装されたスタイリッシュなプチホテル。客室数22室でスパ施設も備えている。アントワープの中心にあるので観光には最適。白を基調とした洗練されたインテリアとスタイリッシュな家具が快適な空間を創り出している。レセプション(写真:右上)、ルームサービス、コンシェルジュは24時間対応。無料の無線LANやパティオに面して作られた 開放的な打ち合わせスペース(写真:左下)も利用できるのでビジネス利用にもお勧めできる。最上階のルーフテラスからはアントワープ聖母大聖堂の塔や旧市街を眺められる。

HOTEL JULIEN


2011年04月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部