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癒しの緑と麗しの大地 Enchanted landscapes

緑の谷、そびえ立つ険しい岩山、と国歌にも歌われるアイルランド。1年を通して緑が美しく、一方でこの世とは思えないダイナミックな岩山の姿も見せる。海岸線の断崖や、田園に羊や牛がひょっこり現れる素朴な景色の中にもケルトの遺跡が点在しているのはこの国ならでは。悠久の時を感じながらゆっくり歩けば自然と心がほぐれていく。

ジャイアンツ・コーズウェイから海岸線にウオーキングコースが続く

ジャイアンツ・コーズウェイから海岸線にウオーキングコースが続く

アイルランドでウオーキング

自然を感じるには、まず自分の足で歩いてみること。アイルランドにはベテラン向けの山歩きからちょっと歩いてみたいだけの人まで、さまざまなタイプのウオーキングコースが整えられている。

 ここ(ディスカバーアイルランド)からウオーキングのコースが探せる

スリーブブルームマウンテンSlieve Bloom Mountains
カダムスタウン村「ネイチャートレイルループ」に挑戦!

ダブリンから西に120km、オファリー県にあるスリーブブルームは森と泥炭から成るユニークな土地。山、川岸、草原など、変化に富んだ景色が楽しめるウオーキングが設けられている。修道院跡地があるほか、オファリー県の中でも地層が古いシルバー川沿いは、何億年も前の古生代の旧赤色砂岩や泥板岩なども見られる場所。森の中にはタマリスクモス(オオシノブゴケ)やハシバミにはヒビウロコタケといった菌類も生えている。

今回、スリーブブルームにのエコトレイルのひとつ、初級向け7km2時間コースの「ネイチャートレイルループ」を歩いてみた。

カダムスタウンのトレイルについて
↑ 地図のダウンロードもできる

コース地図はダウンロード可

コース地図はダウンロード可


スリーブブルームマウンテンSlieve Bloom Mountains カダムスタウン村「ネイチャートレイルループ」に挑戦!

実は、地図にあるルートと反対回りに歩いていた。いずれにしても変化に富んだウオーキングが楽しめるのは確か。途中写真を撮ったり、のんびり歩いたため、所要2時間45分。何も考えずただ歩くだけでリフレッシュになるし、旅にメリハリがつけられる。こういったウオーキングコースは国中にあるので、旅程に組み込みやすい。ウオーキングが終わったら、地元のパブに直行を。

世界遺産を歩く

ジャイアンツ・コーズウェイ
Giant's Causeway

アイルランド島には3つの世界遺産があり、そのうち北アイルランドにあるのが、アントリム州ブッシュミルズにあるジャイアンツ・コーズウェイとコーズウェー海岸だ。六角形の石柱の集まり、柱状節理が隙間なく並び、その数はおよそ40000個。これは6000万年以上前に地表に出た溶岩が冷却され、収縮によるひび割れが進行してできたもの。この柱状節理は世界各地で見られるが、ジャイアンツ・コーズウェイは石柱の上を自由に歩けるのが珍しい。

世界遺産は、コーズウエイヘッドからバンベインヘッドまでの海岸沿いおよそ6kmのエリアで、ここに座ると願いがかなうというウイッシングチェア、オルガンに例えられる岩群、1588年にスペイン戦艦が煙突と見間違えたというチムニートップスの岩などの見どころが点在する。このエリアを含む海岸線は18マイル(28.97 km)にわたって変化に富んだ景観が続く。

言い伝えでは、ジャイアンツ・コーズウェイはケルト神話の英雄、巨人フィン・マックールがスコットランドの巨人ベナンドナーとの戦いに挑むために作ったとされる。フィンはスコットランドに着く前に眠りこけ、待ちくたびれたベナンドナーがアイルランドまでやってきたが、フィンは相手の大きさに怖じ気づく。そこで妻のウナがフィンに毛布をかけて揺りかごに入れた。それを見たベナンドナーは赤子がこれほど大きいなら、父親はもっと大きいと思って逃げ去った。さらに追って来られないよう道を壊した。

ほかにも、フィンが地面をくりぬいて投げつけた土塊はマン島になり、くりぬかれた地面はネイ湖となったなど、いくつかの異伝もある。いずれも対岸のスコットランドに巨人が住んでいたことは共通しており、実際にスコットランドのスタファ島にも同じ構造の柱状節理がある。

実はこの場所、ロックファンなら見たことがあるかもしれない。レッド・ツェッペリンのアルバム『聖なる館』のジャケットで子供たちが上る岩場がまさにジャイアンツ・コーズウェイ。このジャケットの裏にはここから約7km西にあるダンルース城も登場している。

ジャイアンツ・コーズウェイ Giant's Causeway 公式サイト

人間ワザでは造れない奇々怪々な柱状節理

人間ワザでは造れない奇々怪々な柱状節理

スコットランドに続く「巨人の道」

スコットランドに続く「巨人の道」

敷き詰められた石柱の上を自由に歩けるのがいい

敷き詰められた石柱の上を自由に歩けるのがいい

グランドコーズウェイからチムニートップスが遠くに見える

グランドコーズウェイからチムニートップスが遠くに見える


News!新ビジターセンターが夏にオープン

モダンでエコなデザイン

モダンでエコなデザイン

現在ジャイアンツ・コーズウェイのビジターセンターは現在大規模な改修プロジェクトが進行中。1850万ポンドを投じた新しいセンターはジャイアント・コーズウエイ・ビジターエクスペリエンスという名称となり、2012年の夏に開館する予定。伝説を説明する最新設備のほか、カフェやショップ、観光案内所も備わる。設計は大エジプト博物館やロンドンオリンピックの橋など世界の大型プロジェクトに関わる建築家集団ヘネガン・ペン・アーキテクト。185.8m2のセンターは、環境に配慮した景観を損ねない建物になるという。


関連サイト

2012年02月


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地球の歩き方ガイドブック 編集部