ガイドブック編集部 > 特集 > ロシア・ブリヤート共和国訪問記 > 世界遺産登録の湖 バイカル湖

世界遺産登録の湖 バイカル湖

広くて深いバイカル湖はまるで海のようだ。透明度も高く生物も豊富に生息している

ここのサナトリウムは日本のテレビ番組でも取り上げられた。この川は源泉から流れ込む温泉のために温かい

桟橋のようなはしけ船で渡河するポイントがあった。すぐ近くに橋が建設されていた

ボソルスク村の修道院。しばらく荒れた状態になっていたが、美しくよみがえった


世界遺産登録の湖
バイカル湖

ブリヤート共和国が抱く世界最大級の淡水湖、バイカル湖には、最高の天候のもと出合うことができた。青い空と水面、岸辺には青いボート。青のグラデーションが美しい。

さざ波の小さな波音が、氷点下まで冷えた空気に吸い込まれていく。正確な気温を知ろうとスマートフォンの画面を触っても、反応しない。乾いた空気が指先の湿気を奪っている。

生命力あふれる豊かな湖

バイカルとは先住民の言葉で「豊かな海」という意味だという。天気がいいので対岸の奥にある山が見えるけれど、まさに海のように広く大きい。ちなみに面積は3万1500km、湖長は約600km、最大幅は80kmだという。

深さも海並みで、最深部は約1680m。もちろん世界で最も深い。湖水の透明度は約40m(冬期)で、こちらも世界トップクラス。バイカルアザラシなど1500種以上の固有種が生息している、生き物の宝庫でもある。

10月でも水はかなり冷たかった。冬には結氷し、厚さ1m以上の氷に覆われるところもある。観光目的なら、できれば氷が融ける5月以降、9月までに訪れたい。1996年に世界自然遺産に登録されている。ウラン・ウデからの距離は140kmほど。


バイカル湖畔の町

ブリヤート共和国でバイカル湖および周辺の自然を楽しむには、最低でも3泊はしたい。今回泊まったのはグレミャチンスク村のバイカル・リビエラ・ホテル。新しく開発されつつあるリゾート施設だ。夏期に長期滞在するグループやファミリー向けのコテージが点在するほか、プーチン大統領も訪れた会議室つきの貴賓室がある本棟、レストラン棟、各種スポーツ施設、サウナなどがある。

マクシミハ村では、湖畔のルコモリエ・ホテルに泊まった。2階建ての小規模なホテルで、目の前がバイカル湖という好立地。レストランでは素朴なブリヤート料理、ロシア料理が楽しめる。

バイカル湖周辺は温泉が湧出する場所も多い。マクシミハ村近くのゴリャチンスクという村には、温泉療養所(サナトリウム)がある。基本的に中長期療養者向けで、浴場や足湯、泥温泉浴があり、鍼やマッサージも受けられる。効能書きを見ると、神経痛・糖尿病・肺病に効くよう。なんと、蛭(ヒル)に膿や腫瘍を吸い取らせる治療(!)が受けられる棟もあった。

注意したいのは、飲食物や雑貨などの買い物ができる商店が宿泊施設の周囲にないか、かなり離れていること。地元住民のための商店は、覗いてみるといろいろ発見があって楽しいけれど、営業時間も短いので注意したい。

バイカルスカヤ・ガヴァニ

急速に経済発展が進むロシア。ブリヤート共和国においても、公共事業や大規模なインフラ開発事業があちこちで行われている。トゥルカ村の隣で開発中のリゾートエリア(観光特区)、バイカルスカヤ・ガヴァニは、ロシア政府が開発予算の70% にあたる40億ルーブルを拠出し2016年に完成の予定だ。宿泊施設やスタジアムが整備され、施設内ではパラセーリング、マリンスポーツや犬ぞりレースなどのイベントが行われるとのこと。

最新の施設らしく環境にも配慮しており、発電には風力と太陽電池を利用し、バクテリアによる浄水システムももつ。敷地内の一部はすでにできており、広場の中心には、遊牧民が馬などの家畜をつなぎ止めておく「セルゲ」を模した柱が立っていた。

ボソルスキー修道院

2000年に復元が決定し、2004年に現在の形に完成したロシア正教の由緒ある教会。ボソルとはロシア語で大使の意。1651年にロシア帝国の大使、ゾボロツキー代表団がブリヤート人(モンゴル人)によって暗殺され埋葬された地に建つ。独特の形をした塔や建物は、ロシア・バロック様式と呼ばれる。

1651年当時のブリヤート人支配者は、政治的な思惑からロシアの代表団を受け入れたくなく、バイカル湖から上陸しようとした代表団を暗殺。大使はこの地に埋葬された。その30年後にロシア帝国はコザック兵をおくり、ブリヤートを始めとするシベリア開拓が始まった。この教会の歴史も1681年に始まったとされる。

最初は木造だったが、1769年に大きな火事があり、1771年に石造りに改められた。1917年のロシア革命までは普通の修道院だったが、革命の際に破壊され、その後は子供の精神病院や学校としても使われた。1995年に精神病院が廃止され、2004年に現在の姿になっている。

バイカル湖畔の見どころ スライドショー

ボソルスク村方面

ボソルスク村方面

グレミャチンスク村方面

グレミャチンスク村方面

マクシミハ村〜国立公園

マクシミハ村〜国立公園

宿泊施設と食事

宿泊施設と食事

ボソルスク村方面

グレミャチンスク村方面

マクシミハ村〜国立公園

宿泊施設と食事

2013年12月



ページ上部に戻る
地球の歩き方ガイドブック 編集部