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ソフィア

聖クリメントの像の周囲の木立が、黄色く色づき始める。ソフィアに秋が訪れた。木立の向こうには、ソフィアのシンボルであるアレキサンダル・ネフスキー寺院の黄金のドームが顔をのぞかせる。

トラキア人の定住から数えて5000年以上の歴史をもつソフィアは、ヨーロッパ最古の都市のひとつである。その長い歴史の間には、ローマによる征服、ブルガリア王国による統治、そしてオスマン・トルコによる征服と、いくたびかの支配者の変遷があった。このことはソフィア、そしてブルガリアを文化の集結地とし、トラキア文化、ローマ文化、ビザンティン文化と、それぞれ異なる文化の足跡をこの地にくっきりと残すこととなった。ソフィアがブルガリアの首都になったのは1879年のこと。このときのソフィアは、人口規模においてブルガリア第5位であったという。1892年にプロヴディフの人口を上回ると、以降名実ともにブルガリア第1の都市となった。

聖ソフィアの像。マリア・ルイザ通りとトドール・アレクサンドル通りが交差する場所、まさに「ソフィアのへそ」に立つ。ちなみにこの像は西を向いており、そのおよそ100メートル先には正対するように旧共産党本部の大きなビルが建っている

聖ペトカ地下教会。14世紀に建てられたブルガリア正教会の聖堂。内部には当時の美しいフレスコ画が残されている。半地下式の小さな聖堂は、11世紀のブルガリアの聖人、聖ペトカに捧げられたもの

4世紀頃の建造とされる古代の城塞都市セルディカ(現在のソフィア)の遺跡の発掘現場。右手のビルは、ソフィアで最古のデパート、ツム(TZUM)。正面には、ドームと尖塔が目を引くイスラム寺院、バーニャ・パシャ・ジャーミア(1566年建立)が見える

聖ゲオルギ教会。創建はローマ時代の4世紀、ソフィアに現存する最古の建物。聖堂は赤いレンガでつくられ、ドーム中央のフレスコ画は12〜14世紀に描かれた。周囲にはローマ時代の浴場跡なども残っている

大統領府ビルの下から見る聖ゲオルギ教会。シェラトン・ソフィア・ホテル・バルカンと大統領府の建物に囲まれて建っている。ちょうど中庭を覗き見るような感じだ。それにしても街のあちこちに古い遺跡があるのには、驚かされる

午前10時15分。大統領府入り口の左右を立哨していた衛兵がゼンマイ仕掛けの人形のように突然動き出した。ともに同じ動きをして左右を入れ替わる。衛兵たちは大真面目にやっているのだが、なんだかユーモラスな動きに見えてしまう

国立考古学研究所付属博物館。もとは1494年建立のモスク。バーニャ・バシ・ジャーミヤよりも大きく古い建物は、1905年から国立考古学研究所の付属博物館となっている

黄色の壮麗な建物は、かつての王宮。内部の装飾も美しい。今は国立美術館として生まれ変わった。美術館本展示は、絵画、単色絵画、彫刻部門に分かれ、1878年の独立から1990年代にいたるまでの作品が3万点保存されている

ロシア正教会の聖ニコライ・ロシア教会は、1914年に建てられた。当時のロシア皇帝で後に聖人に列せられたニコライ2世を祀っている。ロシア復興様式で設計された教会は、黄金で彩られた5つのドームをもつ

文化的建造物にも指定されている国会議事堂。この建物はネオ・ルネサンス様式で設計され1886年に完成した

国会議事堂広場の中央に立つ騎馬像は、ロシア帝国皇帝のアレクサンダル2世(1818〜81)を称えてつくられた。彼は、1877〜78年の露土戦争の勝利によって、オスマン朝支配からブルガリアを解放した

南側から見たアレクサンダル・ネフスキー寺院。黄金色のドームが陽光に照らされ、豪華な印象が伝わってくる。大きなドームがある聖堂部の高さは45メートル、鐘楼の高さは50.2メートルもある

東側から見るアレクサンダル・ネフスキー寺院の背面。1877年の露土戦争でブルガリアを解放した20万人のロシア帝国の兵士を称えて建設され、1912年に完成した。バルカン半島で最大の正教会の聖堂である

アレクサンダル・ネフスキー寺院のファサード。ネオ・ビザンティン様式で建てられた寺院の地下には、国中から集められたイコンを展示しており、ブルガリア国立美術館の一部としての機能も担っている

ホテル「アレナ・ディ・セルディカ」の地下には、ローマ時代の円形劇場跡が共存している。ホテルの名称も「アレナ(=円形劇場)」「セルディカ(ローマ時代のソフィアのこと)」と、この遺跡に由来している

アレクサンダル・ネフスキー寺院の西、道を隔てて聖ソフィア教会の反対側で見かけた白い石碑には「日本・ブルガリア国交回復40周年を記念して日本よりソフィア市に桜を50本寄贈する」とあった。ちなみに国交回復は1959年9月のこと

クニャズ・アレクサンダル・ドンドゥコフ通りですれ違うトラム。レトロなデザインに思わず目を奪われる。ソフィアでは日常の足として重宝されているようだ



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地球の歩き方ガイドブック 編集部