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ムグラ村&パムポロヴォ

ロドピ山脈の過疎の村と高名なスキーリゾート。晩秋の夕刻、村には人の姿は皆無だった。そして晩秋のスキー場、日中にもかかわらず人の気配はない。リゾート地のオフシーズンも過疎の村と変わるところはない。


「200年前、3人の兄弟がそれぞれの花嫁を略奪して住みついた」という伝説が残るスモーリャン地方の村。それがギリシアとの国境に近いロドピ山脈の奥深くにあるムグラ村である。わずか150人、平均年齢70歳あまりというこの村も、夏には帰省のため人口は300人に倍増する。一方、ブルガリアを代表するスキーリゾートのパムポロヴォ。冬にはヨーロッパ各国からのスキー客でにぎわう。中でもイギリスからのスキーヤーが多いとか。1960年代の開場と、ムグラ村とは比べ歴史は短いが、今後も発展が期待されている。

村を流れる小さな川に架かる橋は木製だった。人が行き来するのが目的の橋だけに簡素な造りだ。この川の両岸も、この橋がかかる部分を除けば、護岸工事がなされていない自然のままの姿。昭和30年代の日本の地方の風景を思い出す

山の裾には年季の入った納屋が建つ。過疎の村ということで、人の手があまり入っていないように見受けられる。20年前には1200人を数えた村人も、今では150人しかいないという。

村の片隅で見かけたオブジェと化したトラバント。ボンネット上のストリートアート(?)が妙にハマっている。実はこの車、旧東ドイツ製で、1958年から1991年まで大きなモデルチェンジなしで生産された。紙でつくられたボディという話が一時広まったが、ボディは繊維強化プラスチック(FRP)製で、一時、紙パルプを混ぜていたことがあるという

この村の中心部にあるモスク。現在、礼拝堂、ミナレットとも新築中。奥に見える木造の塔は、実は礼拝時刻の告知(アザーン)を行うためのミナレット。今では木造のものは珍しいらしい。イスラム教とはいえ、ここでは戒律はそれほど厳しくないという

我々を迎えてくれたのは、この地方の民族衣装に身を包んだ「ばあちゃん&じいちゃん合唱団」。平均年齢は60歳超とか。その姿に似合わない力強い歌声は「ブルガリアンボイス」と呼ばれ、聴く者を圧倒する。実際、聴いてびっくりした。地声に近い発声法と「こぶし」のような歌唱法が特徴

ブルガリアを代表するスキーリゾートがロドピ山脈にあるパムポロヴォ。高級ホテルから民宿まで、あらゆる宿泊施設がそろっている。1960年代にスキーリゾートとして建設され順調に発展、今では英国からのスキー客が多いという

スキーコースのほとんどは、スネジャンカ岳(1926m)を起点とし、標高1444mまでの間に設けられている。それらのコースをすべて加えると37kmにもなる。中には5.1kmもの長さを誇るコースもある

冬のリゾートとして有名だが、周辺にはデャヴォルスカ(悪魔の)鍾乳洞をはじめ、整備された自然観察コース、川、ダムなどがあり、夏も楽しめる。スモーリャン湖群も近いのでぜひ訪れたい

モミやマツなどの針葉樹林が自生する。ギリシア神話に登場する楽神オルフェウスは、ここロドピ山脈で暮らしていたという。この地方の固有種である「復活草」は、オルフェウスの血が流れた地から芽生えたといわれる。この草は乾燥した後も復活できるという特徴をもつイワタバコ科の植物



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地球の歩き方ガイドブック 編集部