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スタロセル村

どこかで見たような景色だと思ったら、日本の円墳にそっくり。だが、ここはブルガリア。この盛り土の下には、紀元前5世紀末〜紀元前4世紀初めの築造とされるホリゾント神殿がある。日本の古墳時代より遥かに古いものだ。

5000年以上前、どこよりも先に黄金文明を築き上げていたトラキア人の国が、現在のブルガリアを中心とする地にあった。そんなトラキア人の聖地といわれるのが、プロヴディフから北へ50kmあまりの山間の村スタロセルにある遺跡群。この村の近郊で、2000年、6つの地下神殿と王墳墓などのトラキア時代の遺跡が発掘された。いずれも紀元前5世紀末〜紀元前4世紀初めのものとされる。公開されているのは、チェティニョヴァ・モギラの大神殿とホリゾント神殿と呼ばれる2カ所で、今回訪れたのはホリゾント神殿。この神殿の裏側にはワインを保存したといわれるタンク跡があり、このあたりでワイン造りが盛んであったことが分かる。スタロセル村には、トラキアワインの醸造所がある。

スタロセル村から1.5kmほどでホリゾント神殿があるマナスティルチェト地区へ。神殿がある丘へ徒歩で移動。天気が良ければ、ちょっとしたピクニック気分に。とはいうものの、意外にきつい坂道だった

ホリゾント神殿がある丘からスタロセル村方面を望む。な〜んにもない所であるが、この周辺地域は「トラキアの聖地」とも言うべき場所。6つの地下神殿と王墳墓が2000年に発見された。もっとも古いのは紀元前5世紀末のもの

ホリゾント神殿の入り口は、まさかのバラック建てだが、それだけ遺跡の原型が保たれているということ。その後ろはまるで円墳のような形になっており、直方体のような形に切り出された大きな花崗岩に囲まれている

神殿の玄関に向かう階段を上る。玄関の左右にはライオン像が立っていたが、発掘時には足の部分しか残されていなかった。この神殿の建造時期は紀元前5世紀末〜4世紀初とされており、当時は「天・地・地下」の三位一体的な信仰が行われていたという

ホリゾント神殿の円形ホール。トラキアでは唯一、柱列が設えられた。柱には初期ドーリア式基礎円盤が2枚ずつ、そして柱頭がつけられている。埋葬されたトラキア人の副葬品には、銅製の矢じり、銀製のビーズ、金の装飾品などかあり、高い地位の者と考えられている

ホリゾント神殿の裏側には「トラキアン・ワイナリー」といわれる遺構が残る。ここに水を蓄えていたという説もあるようだが、ここにワインがあったとすれば最古級のワイナリーということになる

スタロセル村にあるワインセラー「レストラン・スタロセル」。レストラン、ホテルを同一敷地内にもつ。ワインとラキアを醸造している。ラキアの製造ラインは小規模なものだが、梅、アンズ、梨など種類が多いのにはびっくり

「レストラン・スタロセル」ご自慢の地下のワインセラー。宮殿を模した中央の部屋には、ワイングラスが並べられ試飲を待っていた。ちなみにトラキア人のワインは、濃厚でアルコール度数が高い赤ワインだったらしい。今ではトラキアワインは造っていないが、「ヴルド」というワインが近いとのこと

「レストラン・スタロセル」のワイン醸造施設。管理も自動化されており、「トラキアの聖地」というイメージからは隔世の感がある。造り方はともかく、ここのワインは「安くて美味しい」とか



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地球の歩き方ガイドブック 編集部