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オリンピア遺跡〜オリンピックの聖火は、ここで採火される

今回の世界遺産を巡る旅のフィナーレは、オリンピア遺跡だ。オリンピック競技のふるさと。その史実に敬意を表して現代オリンピックの聖火はこの遺跡で太陽の光を集めて採火され聖火リレーがスタートする。「オリンピック」への憧れは、世界共通なのだろうか。観光バスがひっきりなしに到着し、たくさんの観光客が途切れることなく訪れていたことが強く印象に残った。

ギムナジオン〜パレストラ

ギムナジオンはいわゆる競技場ではなく、トレーニングや競技の準備をする場所だそうだ。パレストラに至る列柱が現在も100m以上もまっすぐに伸びている。遺跡の様子から今でもかなり大規模な施設であったことが十分わかる。パレストラは闘技会場となったところで、ここで現在のボクシングやレスリングの起源となった格闘技が行われた。ギムナジオンの周辺は今も発掘が続けられている。


フィリペイオン

紀元前4世紀にマケドニアの王・フィリッポス2世(アレキサンダー大王の父)が戦争の勝利に感謝して奉納したモニュメント。円形のドームは当時でも珍しい独特のものだったそうだ。現在建っている列柱は、2005年に完了した修復作業によって甦った。その際には、ベルリンのペルガモン博物館からギリシアに返還された発掘品が修復の部材に使われたという。列柱の建築様式はイオニア式で、後述するヘラ神殿の柱と比較するとその違いがよくわかる。


ヘラ神殿

紀元前7世紀後半に建てられたもので現在ギリシアに残る神殿の中で最古のものだと言われている。もっとも典型的なドリア式の建造物としても貴重なもので、狭い部分で6本の、長い部分では16本の円柱(50m×18.75m)を建て連ねていた。
神殿の脇には祭壇の跡がある。聖火の採火儀式が行われるところだ。オリンピックの開催のたびにニュースになるので、この空間はすでにもう見たことがあるような気がしてくる。他の人たちもきっと同じ思いなのだろう。観光客たちは誰もがみなここに立ち止まって祭壇と案内看板を見入っていた。


ゼウス神殿

ゼウス神殿は紀元前5世紀の半ばごろ建造された。この神殿にはフィロンによる古代世界の七不思議のひとつ「オリンピアのゼウス像」が鎮座していた。この像は金と象牙でできていて、高さは13mほどもあったという。神殿の東西ふたつの破風(はふ:屋根の切妻の三角形の部分)には神話を題材にした大理石の彫刻があった。それらを発掘して修復したものが、現在オリンピア博物館で展示されている。

東の破風は「オイノマオス王とペロプスの戦車競技」を、西の破風は「ケンタウロス族とラピタイ族の抗争」をそれぞれモチーフにしている


スタジアム

紀元前4世紀ごろに完成したこのスタジアムは、その約2400年後、アテネオリンピックの砲丸投げの会場として甦った。当時は選手も観客も男性しかスタジアムに入ることを許されなかったが、21世紀のオリンピックではもちろん女子選手も熱戦を繰り広げ、女性の観客が声援を送った。トラックのサイズは192.27×28.50m。完成当時は北側の斜面だけが観客席だったが、ローマ時代に南側にも作られ、20000人以上の収容人数があったという。スタジアム西側にあるアーチの門はヘレニズム時代の後期に設置された。






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