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知られざる魅力的な町で過ごす
リラックスタイム in ベルギー

多くの芸術家が暮らしたベルギーの美しい町シント・マルテンス・ラーテム

ベルギーにはガイドブックで紹介しきれない美しい村や町がたくさんある。いわゆる観光地から少し足を延ばして、自分だけの宝物のような場所を探しにいくのも旅の醍醐味のひとつ。

ブリュッセルから列車で約40分の中世都市ゲントGentから南西に10kmほどのところにあるシント・マルテンス・ラーテムSint-Martens-Latemは、人口約8500人の小さな村だが、別名「芸術の村」とも呼ばれている。

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 1  軽井沢のような雰囲気もある緑豊かな村    2  ゲントで自転車を借りてサイクリングがてら訪れるのもいい。所要約40分    3  2015年にJATA(日本旅行業協会)による「ヨーロッパの美しい村30選」にも選ばれたシント・マルテンス・ラーテム    4  画家アルベルト・セルヴァースAlbert Servaes(1883〜1966年)のアトリエ。画家にとっては北からの光が一番良いとして、北向きの高い部分に採光窓を作ったのだとか    5  庭の手入れをしている村人かと思ったら人形だった…。これもアート?  

産業革命以降のヨーロッパでは、都市の喧騒から離れて、穏やかな光と美しい風景を求める芸術家が増え、各地でコロニーを作っていたが、この村もそのひとつ。村の名前から「シント・マルテンス・ラーテム派」と呼ばれた芸術家たちが描く美しい村の風景画に惹かれて、この村に移住したり別荘を建てる富裕層も少なくないという。現在でも芸術家のアトリエやギャラリーが立ち並び、閑静な雰囲気が漂う。村を散策したら、レイエ川のそばに佇むオーイドンク城Kasteel Ooidonkにも行ってみよう。

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 6  吊り橋を渡って入城するオーイドンク城。内部の見学は4/1〜9/15の日・祝、ガイドツアーでのみ可(2016年時点)

「レイエ川の真珠」と称えられ、フランダース地方で最も美しい城といわれるオーイドンク城は、1230年にゲントの町を守る要塞として建てられた。2度の破壊にあい、16世紀にフレミッシュ(フランダース)・ルネッサンス様式で再建され、現在はベルギーの伯爵一家が所有しているという。屋根に乗った真珠のようなタマネギのような球体が印象的だが、城内には前述した「シント・マルテンス・ラーテム派」を代表する画家エミール・クラウスの絵画もあり、豪華な調度品や貴重なコレクションを見ることができる。ooidonk.be/

シント・マルテンス・ラーテムにはゲントのシント・ピータース駅からバスで約20分ほどなので、日帰りでもいいが、できれば一泊してゆったりとした時間を過ごしてみてほしい。レイエ川沿いにある「オーベルジュ・ドゥ・ペシェールAuberge du Pecheur」には複数の宿泊棟があり、地元の食材を使ったおいしい料理も楽しめる。www.auberge-du-pecheur.be/en/

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 7  心躍る佇まいのオーベルジュ・ドゥ・ペシェール    8  「オーイドンク」の名前がついた宿泊棟    9  モダンでおしゃれなラグジュアリースイートルーム    10  旅の疲れが癒されるゆったりとしたバスルーム    11  おいしい料理に合わせるのはやっぱりベルギービール。種類豊富なベルギービールはワインのように食事とのマリアージュを楽しませてくれる    12  思わず笑みがこぼれるベルギーの名物スイーツ「ダム・ブランシュDame Branche」は、バニラアイスの上にアツアツのホットチョコレートをかけていただくデザート

シント・マルテンス・ラーテムからレイエ川沿いに南西約40kmほどいくと、フランス国境の近くにコルトレイクKortrijkという町がある。ここは15世紀にリネン産業で栄えたベルギーリネンのふるさと。リネンとはフラックス、日本語でいう「亜麻」の繊維を原料にした織物のことで、ベルギーリネンはそのなかでも最高級品といわれている。ベルギー好きの方なら、「リベコLIBECO」というリネンブランドをご存知かもしれないが、リベコはコルトレイクのそばで誕生したベルギーリネンを代表する会社だ。

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 13  かわいらしいコルトレイクの町並み。右奥にそびえるのは聖母教会

2014年にリニューアルオープンしたというコルトレイクの「テクスチュール/フラックス産業とレイエ川ミュージアム」では、フラックスから作られるさまざまな製品や製造過程、リネンの歴史などを知ることができる。リネンは、質は高いものの、染まりにくかったり、シワになりやすいといったデメリットがあり、時代の流れとともにコットンやナイロンが主流となっていくが、化学繊維で作られたものが多い現代においては、ナチュラルな風合いやさらっとした触り心地に惹かれる人も増え、再び人気を集めている。

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 14  ミュージアム「Texture, Museum of Flax and River LYS」 www.texturekortrijk.be    15  フラックスは枯れてから刈り取るらしい。触ってみることもできる    16  さまざまな生地の展示。一番手前のLIがリネン    17  2階には製造過程の展示も    18  自転車の部品の一部にもフラックスが使われているという    19  ベルギーリネンの老舗ブランド「リベコ」のキッチンタオル。ミュージアムショップで購入できる

ちなみに、最近モデルや健康志向の女性の間で人気の「亜麻仁オイル」は、このフラックスの種子から採れるオイルのこと。オメガ3といわれるα-リノレン酸を豊富に含み、肌や美容に良いだけでなく血流改善や動脈硬化の予防も期待されている。フラックスシードオイルFlax seed oilと呼ばれ、ベルギーやオランダでも人気がある。日本で買うよりお手頃なので、こちらで見つけたらおみやげに求めてみるのもおすすめ。

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 20  移動中、コルトレイク郊外で見つけたフラックス畑    21  6月頃に咲くという、小さくてかわいいフラックスの花

コルトレイクの旧市街はこぢんまりしていながら見どころは多い。町のシンボルはレイエ川に架かる橋のたもとにそびえるブローエル塔。旧市街にはヴァン・ダイクの「キリスト昇架』などの絵画がある聖母教会や、世界遺産に登録されているベギン会院もある。

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 22  要塞の一部だったブローエル塔。現在はコルトレイクのシンボル  23  15世紀に建てられた市庁舎    24  市庁舎内部    25  ベギン会院。現在は会員は住んでおらず、敷地内には17世紀に再建された家が40軒ほどある    26  繊維会館の一部だった13世紀の鐘楼が立つ広場。カリヨンの音色を聴くこともできる

ベルギーは美食の国。どんな小さな町を訪れてもおいしいレストランがあるのが嬉しい。コルトレイクの町なかにある老舗ホテル・ダミエのレストランでは洗練された創造性のある料理を楽しむことができる。

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 27  ホテル・ダミエHotel Damier内のレストラン。hoteldamier.be/nl/restaurant    28  盛り付けも華やかでおしゃれな食事が楽しめる

コルトレイクはゲントのシント・ピータース駅から列車で約35分。3年に一度の「猫祭り」で有名なイーペルの町にも近い。

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 29  コルトレイク駅構内    30  コルトレイク駅外観。旧市街は駅から歩いてすぐ





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地球の歩き方ガイドブック 編集部