繧ャ繧、繝峨ヶ繝繧ッ邱ィ髮驛ィ縲シ槭迚ケ髮 > バルカン半島を南へ。セルビア・モンテネグロ・アルバニアを巡る旅 > オストログ修道院
ヨーロッパ
最後の
フロンティア!

巡礼者が絶えない正教会屈指の聖地
オストログ修道院

九十九折のヘアピンカーブは小型のバスなのに切り返しをしないと曲がりきれない。そんな坂道をまだ続くのかというくらい上ってようやく崖にへばりつくようにそびえる白い教会、オストログ修道院にたどり着く。オストログ修道院は、17世紀の半ばごろに修道士だった聖ヴァシリエによって創建された。聖ヴァシリエの棺がここに安置されている。この聖人の遺体に祈りを捧げると、様々な奇跡が起きたと信じられており、今でも多くの巡礼者が訪れるバルカン半島でも屈指の聖地となっている。


断崖に埋め込まれたように建つ白亜の建物は圧倒的な存在感で、とてもフォトジェニックだ。修道院は聖母被昇天教会と聖十字架教会の二つの教会になっている。聖ヴァシリエの棺は聖母被昇天教会に安置されている  

私たちも修道士の案内で聖ヴァシリエの棺の前で祈ることができた。棺は開いており、一人ずつ聖骨の前で祈りを捧げていく。数人入ればいっぱいになってしまうような狭い場所だったが、そこは厳粛な雰囲気に包まれていた。オストログ修道院は正教会の修道院ではあるけれども、宗教宗派を問うことなく訪れるすべての人々を平等に受け入れているという。


左/岩から伸びるブドウの木。このような場所でブドウの木が生育するのは常識的には考えられないことで、この修道院の奇跡のひとつとして信仰されている 右/崖に直接宗教画が描かれている  


第二次世界大戦のときの出来事がこの修道院の奇跡のひとつとして伝わっている。ドイツ軍は民衆の戦意を喪失させるために、オストログ修道院を砲撃した。しかし、修道院には一発も当たらなかったということだ。この史実も人々の信仰のよりどころにもなっているそうだ。


聖十字架教会のバルコニーからの眺望もすばらしい。ここにたどり着くまで上ってきた九十九折の坂道も良く見える  


修道院に付属する施設。長期滞在する信者のための宿泊施設や事務所、ショップなどがある。このエリアはオストログ修道院の一部で「上院」にあたる。山をずっと下ったところに「下院」があり、熱心な巡礼者はそこから急な山道を上って礼拝に来るそうだ  

修道院の見学を終えて町に戻りレストランでランチを食べた。レストランの前庭から遠くに小さく断崖絶壁にへばりついている白いオストログ修道院をみつけることができた。その距離を実感したときバスも自動車もない時代、巡礼に歩いた人々の厚い信仰心に思いを馳せた。

オストログ修道院:
【URL】http://www.montenegro.travel/en/objects/ostrog-monastery

コラム

ドゥルミトル国立公園

今回の旅で残念だったのは、当初予定していたドゥルミトル国立公園の視察が、当日の寒波と降雪のために変更になってしまったことだ。半日をかけて(それにしたって、ほんの一部には変わりないだろうが)園内をトレッキングしてその自然を楽しむはずが、ほとんどできなかった。


今回はドゥルミトル国立公園のゲートシティとなるジャブリャクの町から近い、ツルノ・イェゼロ/ブラックレイク(黒い湖)まで歩いただけだった。雪が積もる遊歩道の途切れた先に静かに黒い湖が広がっていた。吸い込まれそうな静けさだった。  

ドゥルミトル国立公園は世界遺産にも指定されている自然豊かなエリア。「ヨーロッパ最後の秘境」と言われ、100種類を超える植物の固有種を含む多様な動植物の楽園にもなっている。最高峰は標高2525mのボボトヴ・クク。さらに2000m以上の山が40以上も連なる。中生代末期にはじまったアルプス造山活動期に形成された褶曲地形や氷河の爪痕など地質学的にも貴重なところだ。なかでもタラ・キャニオンは、全長約93km(うち国立公園のエリアは78km)、川底からの高さが約1300m。ヨーロッパでもっとも深い渓谷として有名で、その雄大な自然はもちろん、タラ川のラフティングなどアクティビティも大変充実しているという。

©i-stock

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左/ジュルジェヴィチャ・タラ・ブリッジの美しいアーチは、タラ・キャニオンのシンボルだ 右/どれほどの力が加わるとこのようなアメのようにねじ曲がったような地層ができるのだろう  

モンテネグロの観光地というと、今のところ日本ではコトルやブドヴァといったクロアチアから続くアドリア海沿岸の町がその中心となっている。しかし、これからはモンテネグロ内陸部の豊かな自然を楽しむ旅にも注目が集まるに違いない。

ドゥルミトル国立公園:
【URL】http://www.nparkovi.me/sajt/np-durmitor





地球の歩き方ガイドブック 編集部