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アイスランド南西部の見どころ

スコーガル民俗博物館
アイスランドは各地にさまざまな展示を行う博物館があるが、スコーガルにある「スコーガル民俗博物館」は、ぜひ訪問をおすすめしたい場所だ。展示物は多岐にわたり、アイスランドの歴史をよく理解することができる。

屋外にはアイスランドに特徴的な「芝の家」も展示されている

館長がこつこつと集めたコレクション

この博物館に展示されているのは、館長のソゥルズル・トマソンTordur Tomassonさんが子供の頃(14歳)から集めてきたものだ。展示物は年代順・テーマ別に分けられている。ツアーで訪れたときは博物館の英語ガイドの詳しい説明を聞くことができる。器具をどのように使っていたかの実演もあるので、英語を完璧に聞き取ることができなくてもおおよそ理解できるはずだ。

1584年に初めてアイスランド語で書かれた聖書。当時500部だけ印刷された

一般の人々が使っていた食器も展示されている。これらは木製のもの

アイスランド人の昔の生活とは?

アイスランドは資源に乏しく、冬には極夜を迎え日の光さえなくなってしまうため、昔の生活を伝える器具にもそういった環境を色濃く反映したものが多い。例えばクジラの骨をベンチのような家具として使うとか、女性の使う道具には手元をろくに見なくても操作できるものがあるとか、当時の暮らしぶりがよくしのばれる。

館内ガイドの話は非常に興味深い。ときには館長自らが実演・説明してくれることもある。英語はわからないからとあきらめず、ガイドさんの実演をじっくりと眺めてみよう。

アイスランドでは木材資源がほとんどないので、流木や難破船はいい材料になったそうだ。人々はそれぞれに自分のマークを付けて所有権を示したという

アイスランドでは木材資源がほとんどないので、流木や難破船はいい材料になったそうだ。人々はそれぞれに自分のマークを付けて所有権を示したという

羊の毛をつむぐための器具はまるでコマのような形だ。一方の端に毛をつなぎ、実際にコマのように器具を回転させて糸をよった。暗い場所でも作業できる方法だ

羊の毛をつむぐための器具はまるでコマのような形だ。一方の端に毛をつなぎ、実際にコマのように器具を回転させて糸をよった。暗い場所でも作業できる方法だ

人口が少なくお隣さんは数十キロ先という環境だったため、道具の多くを自分で作っていたという。ここに展示されているのは、牛の角でスプーンを作るための木枠や馬具

人口が少なくお隣さんは数十キロ先という環境だったため、道具の多くを自分で作っていたという。ここに展示されているのは、牛の角でスプーンを作るための木枠や馬具

彫刻が施された板は神様がよい眠りを与えてくれるという意味を持つもの。ベッドサイドに取り付けていた

彫刻が施された板は神様がよい眠りを与えてくれるという意味を持つもの。ベッドサイドに取り付けていた

漁業関連の展示も充実

この博物館ではアイスランドの重要産業である漁業関連の展示物も充実している。ここでも実演があるので、道具の使い方をじっくりと見てみよう。変わったアイテムとしては、親指が反対方向にふたつ付いたミトン型の手袋がある。これは、漁師たちが櫂を使って船を漕ぐときに、摩擦で破れた手袋を速やかに交換できるための工夫だそうだ。
また靴にはオヒョウの皮が使われていたそうだが、すぐに破けてしまうので、距離を示すのに「靴何足分の距離」という言われ方があったそうだ。

漁師の衣装や道具を展示するスペース

実際に使われていたボート。なんと70人乗り!

野外の展示も忘れずに

アイスランドの昔の標準的な家である「芝の家」をまだ目にしていないなら、屋外の展示物も忘れずにのぞいておこう。芝の家は冬の寒さを防ぐために建てられたもので、芝生の表層部分を何層にも重ねて外壁または内壁の材料として使った家だ。キッチンは火を使うため、延焼の危険を避けるために別棟に設けられていた。

ここに造られた芝の家は小さなもの

ここに造られた芝の家は小さなもの

館長が現れると教会にも案内して賛美歌を聴かせてくれる

館長が現れると教会にも案内して賛美歌を聴かせてくれる


-DATA-

営業時間:
6月から8月は9:00から18:30。5月と9月は10:00から17:00。10月から翌年4月までは11:00から16:00。
電話:
487-8845
FAX:
487-8848
URL:
www.skogasafn.is

火山国の暮らしは楽じゃない

アイスランド南部には近年も活発な噴火活動を見せるヘクラ山があり、ヴァトナヨークトル氷河の下にある活火山も1996年に大噴火して大洪水を引き起した。2000年の夏にはヘトラHellaのエリアで家が全壊するほどの地震もあり、この地域は常に火山活動の脅威にさらされている。そのため、人々は警報が出たら3時間以内に避難できるような体制を常にとっているそうだ。

ヘトラの町。新しい建物は地震のあとに建て直されたものだそうだ


2006年07月