ヨーロッパでのドライブとレンタカーの基本

公開日 : 2023年01月20日
最終更新 :

海外でレンタカーを借りることができれば、交通機関の時間に自分を合わせることなく、好きな場所に好きな時間だけいられる。ただ、国や地域ごとに運転ルールが異なったり、日本のクルマと海外のクルマで勝手が違った、なんて体験をした方は多いのでは? ここではヨーロッパを旅行するときのレンタカーとドライブの基本をフランスやドイツを例にとってお伝えします。

※イギリス、アイルランドは交通ルールが違うので、別記事を参照してください。

1. ヨーロッパの交通ルールについて

ハンドル・走行レーンの違いについて

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イギリス、アイルランド、マルタを除くヨーロッパ諸国では車は左ハンドル、右側走行です。ドライブの際に市街地で気をつけたいのは、バスレーンや自転車専用の走行レーンがあること。このレーン内では時間帯を問わず一般車の走行は禁じられています。また、狭い通りや石畳の道など、対向車線との区切りがない道路も多いのがヨーロッパの特徴です。一方通行と勘違いしやすいのでご注意を。また、坂道では登ってくる車が優先、狭い道で一般乗用車と商品搬送車やバスが対向車となった場合は、一般車ではなく後者が優先されることも覚えておきましょう。

ヨーロッパの道路の制限速度について(フランス・ドイツのケース)

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ヨーロッパの道路の制限速度は、国によってまちまちです。フランスの場合は高速道路で最高時速が130km/h、2車線道路110km/h、一般道90km/h、市街地50km/h、住宅地30km/hとなっており、雨天の場合や、免許を取得して2年以内のドライバーは、10~20km/h速度を落とす必要があります。
これが、ドイツの場合になると制限速度は一般道は100km/h、市街地は50km/hとなり、アウトバーン(高速道路)は環境面と安全面から推奨速度が時速130km/hとされているが、制限速度はなくなります。(例外地域あり)

フランスの古い町などは坂道が多く、思った以上にスピードが出ることもあるので、注意しましょう。スピード違反をした場合の罰金は、フランスの場合超過速度が20km/h未満なら45ユーロ~。在住者は後日送られてくる明細に従って小切手を郵送すればよいですが、旅行者の場合はその場で、あるいは24時間以内に支払うことになっています。

交差点での注意事項

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フランスの交差点でよく見かけるのが「ロン・ポワン」(イギリスではラウンドアバウトですね)。複数の道路が放射線状に集まった円形のロータリーのことで、信号を使うことなく、行きたい方向に曲がることができます。ロータリー内は一方通行で左回り。また走行中は、原則として自車から見て右側の車が優先となるため、気をつけないとどんどん内側に押しやられてしまいます。パリの凱旋門を取り巻くロータリーなど、延々と右側に出られず、何十周も回るはめになった例も珍しくありません。また、地方のロータリーでは、目指す目的地が書かれた標識があるとは限りません。小さな村を訪ねるときなど、その先の大きな町の名前もいくつか覚え、どちらの「方面」なのかを覚えておきましょう。

また、ドイツでは歩行者、ドライバー共に信号をよく守ります。赤信号になり1秒後に交差点に侵入すると1か月の免停になるので、注意しましょう。

ヨーロッパでの駐車について

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フランスの場合、料金後払いのパーキング、または前もってチケットを購入する路上駐車の2つのタイプがあります。パーキングは、日本と同様、最初に駐車券を受け取り、出庫前に自動精算機に券を挿入、提示された料金を支払う方法。路上駐車の場合、近くにあるパーキングメーターで利用時間分のチケットを買い、外から見えるようダッシュボードの上に置きましょう。なお、路上に“Livraison”と書かれてあるところは、商品搬送車の専用駐車区域なので、一般車の駐車は禁じられています。
駐車違反の罰金は11ユーロ。45日以内に支払わないと33ユーロになります。罰金は、timbre-amendeという罰金支払い用の収入印紙を購入して郵送する。また、規定のタバコ屋で調書を見せると、クレジットカード払いで受け取りがもらえるシステムもあります。インターネットでのクレジットカード払いも可能ですが、現地語対応しかしていないサイトもあるので、少し使いにくいです。

フランスでは4歳までの幼児にチャイルドシートが必要

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シートベルト着用に関しては、運転席、助手席とともに後部座席の全乗員へのシートベルトの着用、4歳までの幼児にはチャイルドシート、12歳までの子どもには座席補助具の装着が義務付けられています。踏切での列車通過待ち、長い信号待ち、渋滞中にエンジンを切ることも奨励されています。基本は12歳以下の子供は前座席に乗せないでおけばいいでしょう。

2. ヨーロッパのガソリンスタンドの利用方法

ヨーロッパでのガソリンの入れ方、支払方

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ヨーロッパではどの国でも給油はセルフサービス方式が一般的です。有鉛ガソリンは売られていない国が多く、だいたい3種類のガソリンがあります。レンタカーを借りるときに、借りた車に適したガソリンの単語を現地の言葉で教えてもらい、合わせてノズルの色を聞いておきましょう。フランスの例では以下のようになっています。

・Sans plomb 無鉛ガソリン
・Super ハイオク
・Diesel もしくは Gazole ディーゼル

ちなみにドイツでは、
・Bleifrei 無鉛ガソリン
・Bleifrei Superl もしくは Bleifrei Super Plusl ハイオク 

スペインでは
・ガソリンはガソリナGasolina
・ガソリンスタンドはガソリネGasolinera といい、
・スーペルSuper
・エウロスーペルEurosuper
・スーペルプルスSuperplus またはエクストラExtra
などの種類がありますのでどのガソリンを入れるか、貸出時に確認するとよいでしょう。

セルフの給油方法は日本とそう変わりません。支払いは、使用した機械にクレジットカードまたはお金を入れる方法と、ガソリンスタンドにある事務所で支払う方法があります。事務所でノズルの番号を言うと値段を教えてくれるでしょう。大手スーパーにはガソリンスタンドが併設されている所が多く、高速道路のスタンドに比べ、割安となっています。また日用品や食料品を置いてあるスタンドも多いので、多目的に利用できます。

スペインでの給油トラブル体験

ヨーロッパのガソリンスタンドで日本人が戸惑いやすいのは、国や車種によって給油口を開ける手順がまったく違うことでしょう。日本車の場合、ドライブシートの下などに給油口を開けるレバーがついていますが、そもそもレバーがついていない車や、給油口のある小窓を直接開ける車など様々な車種があります。
筆者がスペインのイビザ島で車を借りた際、給油口が特殊な形状をしており、給油ノズルがどうにも入らず、立ち往生してしまったことがあります。しかもその時、スタンドにスタッフがひとりもおらず(ユルいですね…)、たまたま横にいたトラック運転手の方に泣きついて助けてもらおうとしましたが、彼も見たことのない給油口だったらしく、10分ほど一緒に給油口と格闘してもらったことがあります。今となってはいい思い出ですが、旅行者が給油をするのは、大概空港のレンタカー会社に車を返却する前。飛行機に乗り遅れなくて本当に良かったです。

筆者

上原 康仁

登山関連情報の発信が多いです。

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