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19世紀の都市拡張計画によってバルセロナの都市機能が拡散するまで、街の中枢としての役割を果たしてきたゴシック地区の中心地。現在でも広場を挟んで自治政府庁Palaude la Generalitatと市庁舎Ajuntamentが向かい合い、市民生活に欠かせない重要な位置を占めていることに変わりはない。 自治政府庁の建物は14世紀から17世紀にかけて造られたもの。中に入ると、当時の典型的なゴシックの館に見られるパティオと、それを囲む優雅な階段がある。また市庁舎の建物も14世紀のものだが、ファサードだけは19世紀に完成した。さて、自治政府庁に向かって右側、カテドラルへと通じる細い小路も見逃せない。というのもこのあたりは、13〜14世紀にかけて貴族や富豪の館が集まっていた、由緒ある地区だからだ。ふたつの館を結ぶ渡り廊下の優雅な彫刻を眺めていると、ふと時間を忘れ、中世へと導かれる思いがする。渡り廊下を通り過ぎた左側の壁面には、カタルーニャ地方のシンボルである英雄サン・ジョルディのレリーフがある。こういった建物の装飾の細かな美しさが、ゴシック地区を散策する楽しみを増してくれる。また広場から小路を1歩入れば、昔からの商店がたくさんあり、下町の人々の素顔を垣間見ることができる。特に広場から地下鉄ジャウマ・プリメ駅へと通じるリブレテリアLibreteria通りには、ショーウインドーにあふれんばかりの菓子パンやクッキーを並べた店があり、その季節にしかない伝統のお菓子を置いている。