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1891年に創設された歴史ある美術館。小規模ながらも、ロマネスクとゴシックのコレクションは極めて良質で、特に祭壇装飾の板絵の所蔵品のなかには、カタルーニャの豊かな創造性が発揮された作品がたくさん含まれている。
プッチボの聖堂に由来する『聖マルティヌスの前飾り』は、静かに正面を向き祝福のポーズを取るキリストを中心として、周囲に聖マルティヌスの生涯が表されている。鮮やかな原色のコントラストの強い配色、抑制の効いた太い描線は熟練の域に達し、全体に“ロマネスク特有の強烈な感覚” がみなぎり、また同時に“荘重な宗教感情” を表している傑作だ。
このほか、リバスの『栄光のキリストの天蓋飾り』や、ビラセカの『聖マルガリータ伝の前飾り』なども、強烈かつ荘重な作品といえる。またオルソモルやセスコールツなど近くの聖堂から移された壁画は、フランス・ロマネスクとの深い関連を感じさせて興味深い。