サン・シュルピス教会

更新日
2022年10月23日
公開日
2022年10月23日
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パリでも屈指の教会で、奥行き120m、幅57mの規模を誇る。この教会がパリの胎内に宿ったのは、パスカルやラシーヌ、デカルトが生き、ヴェルサイユ宮殿が造られた時代。しかし、完全な形で生まれるのには、ずいぶんと時間がかかった。ルイ13世の王妃アンヌ・ドートリッシュが最初の石を置いたのが1646年。ルーヴル、ヴェルサイユ宮を設計したル・ヴォーを含む数名の建築家によって、工事が開始された。しかし、工事は何度も中断。1745年に一応の完成をみたが、1762年には火災のために一部損傷、1770年には落雷によって正面が破損するなど、被害が絶えなかった。最終的に、エトワールの凱旋門建設に従事したシャルグランの手によって修復され、現在のネオクラシックの風貌をもつにいたった。この教会の歴史で忘れてならないのは、革命暦ブリュメールの18日(1799年11月9日)のクーデターが起こる3日前、ナポレオン・ボナパルトの栄誉を祝う宴が、700名を一堂に集めて行われたこと。クーデターの後、ボナパルト将軍は皇帝ナポレオンとなり、フランスの歴史の流れを大きく変えていくことになる。また、内部には、1856年にドラクロワによって描かれたフレスコ画があり、特に『ヤコブと天使の戦い』は有名だ。

写真

  • 『ヤコブと天使の戦い』は入ってすぐ右側に
  • 厳粛な時間が流れる内部
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