キーワードで検索
パンテオンは、パリの守護聖女ジュヌヴィエーヴを祀った丘の古い教会を、18世紀にルイ15世が病の回復を祝っ
て再建したもの。奥行き110m、高さ83m、ドームの重さ約1万t といわれる堂々としたモニュメントだ。外壁にあった42個の窓は、フランス革命時に壊され、現在は見ることができない。正面上部に「フランスに尽くした人々のために」と書かれていることからわかるように、地下は偉人、哲学者たちの廟になっている。クリプト(地下祭室)にはまず入口に、共和党の指導者レオン・ガンベッタの心臓が入った赤褐色の大壺がある。中に入ると、ひんやりとした空気が漂い、上部を支える円柱がひときわ印象的。この入口のすぐ右側に、「自然に帰れ」と説いたジャン・ジャック・ルソーの木製の棺があり、向かいには啓蒙思想家ヴォルテールの棺が、永遠の論敵のごとく対面している。中央を進むと、奥左右に文豪ヴィクトル・ユゴーとゾラが、仲よく同じ部屋で永遠の眠りについている。1851年、地球の自転を証明するために、フーコーがドームに振り子を設置して公開実験を行った。現在、同じ型の振り子が設置されている。ドームからは360度、パリのすばらしい眺めを楽しめる。