サンテティエンヌ・デュ・モン教会

更新日
2022年10月23日
公開日
2022年10月23日
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パンテオンの裏、聖ジュヌヴィエーヴの丘に建つ教会。ジュヌヴィエーヴとは、5世紀の蛮族侵入に際しパリを守って活躍し、パリの守護聖女となった聖人。彼女の墓を納めた教会だ。教会の歴史は中世まで遡る。この丘にすでにあった聖ジュヌヴィエーヴ教会に加えて、13世紀、聖エティエンヌにささげる教会が造られたが、やがて手狭になって増設され、現在の形となったのは17世紀のこと。一段高くなるごとに退く3段階の異なった形の切妻屋根、聖エティエンヌの殉教やキリスト復活の場面を描いたファサードを支えるユニークな4本の柱、背後にそびえる物見やぐらのような鐘楼。ほかには例のない不思議な組み合わせが印象的だ。中に入ると、内陣と身廊の間に置かれた仕切りが目に入る。これは「ジュベJubé」と呼ばれ、パリでは唯一この教会だけに現存している。幅9mのアーチ状で、優美な曲線を描く両脇のらせん階段にいたるまで、唐草模様、植物や花弁をモチーフとした透かし彫り細工が施されている。

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